37 / 41
第六章――学園は燃えているか
第36話 『子供達』は再び立ち上がる
しおりを挟む
セシュナは目を醒ました――ずっと目覚めていたはずなのに、それでもそう感じたのは、まるで世界の全てが生まれ変わったかのように思えたからだった。
そうしてまず彼は、眉間を貫きかけた黒い触手をしっかと掴み取った。
「――――」
厳密には手で掴んだ訳ではない。掌が存在する空間と触手が存在する空間を切り離すことで、触手の進路を閉ざしたのである。
液体のような触手は、空間の“境界”で捕らえられてもなお、雫を撒き散らそうとする。
そこまで思考して、セシュナは今更驚愕を覚えた。
変わったのは世界ではない。
自分自身だ。
彼は黒い触手の元を辿り、そして見つける。
かつてヒルデであったはずの何か。止め処なく溢れる暗闇の奔流が崩落した屋根を軽々と越え、白い円塔よりも遥かに高く天を衝く。
(“開花”? ……いや)
以前見た“開花”に、ここまでの凄まじさは無かった。
何よりも眼窩に走る痛みの大きさが、全てを物語っている。
まるで“女王株”を目にした時のような。
セシュナは掴んだ触手を握りつぶし、それからすぐに跳ね起きた。柱からこぼれ落ちてくる暗黒の分流に向けて、左手を翳す。
指先が俄に揺らいだ。
景色を溶かすように、空間へと紋様が刻まれていく。ミロウが紡ぐ静寂の言葉に良く似た、幾何学的な輝く文字の集合体。
飛来する幾筋かの漆黒が刻まれた空間の断裂に衝突し、無残な黒い花を咲かせた。
「……セシュナ、君?」
立ち上がったセシュナを見上げて。
「セシュナ君。あなたは、セシュナ・ヘヴンリーフ君。間違いない?」
仮面の向こう、夜色の瞳が微かに揺れている。
セシュナは頷いた。
何度か拳を作り、身体の状態を確かめながら。
「……うん。どうやら上手くいったみたい」
迫る死を乗り越え、肉体の軛を逃れて精霊へと至る。
それは、妖精族が辿り着かんとする生命の形。体内の霊素を活性化して肉体を再構成し、意思を保ったまま霊素の純粋集合体へと変質すること――自身を魔法そのものへ変換すること。
(……今なら全部分かる。どうしてなのか、分からないけど)
セシュナは顔を上げて、雷雲を穿つ巨大な闇の柱を見た。
その強烈な変質霊素の奔流と、今のセシュナは変わらないのかもしれない。
かつて人であった何者か、という意味では。
「あれが……“結実”?」
その呟きを。
立ち上がりながら、ミロウが小さく首肯する。
「多分。ヒルデ・ロタロフィオは、イザベラ・デステの“核”を食べた。あなたの腕ごと」
セシュナははっとして、失った腕を思い出した。
無残にねじ切られた右肘から今も血が滴り続けている。彼方に置き去っていた激痛も、また。
(大丈夫。大丈夫だ。これぐらい、今の僕には問題じゃない)
全く奇妙な感覚だった。
意思の動きだけで世界そのものを創り変えられるなんて。
零れるばかりだった血液が、不意にその勢いを和らげたかと思えば、まるで軟体動物のようにくねり捻れて絡み合い――失われたはずの右腕を形作る。
形も色も、幼い頃に作った指先の傷痕さえも、何もかもが元の通り。
「……精霊みたい」
ミロウの感想はセシュナと同じだった。
「確かに。人間には出来ないね」
創り直したばかりの右腕で光の紋様を描き、降ってきた闇の雫を振り払う。
飛び散る“禁忌”を尻目に、セシュナは周囲を見やった。暗雲と豪雨に遮られてなお、精霊の視覚あらゆるものを見通すことが出来る。
滝のような雨を遡るイザベラの姿も。
「――待って、イザベラさんっ」
ほとんどが暗黒に染まった少女は、磔刑に処された聖女さながらに天に昇っていく。
セシュナはそれを追い掛けようとして、しかし闇の激流に押し戻された。
天を衝く濁流から、人形の闇が這い出してくる。
迎え入れるように手を広げたのは――相貌を無くした、ヒルデ。
「ヒルデさん! やめてください、ヒルデさんっ!!」
漆黒を遮った紋様を足場にして、セシュナは跳躍する。落下する前に新たな光を描き、更に跳ぶが。
闇そのものとなったヒルデは信じ難い優しさでイザベラを抱き留めると、唇を重ねる。
金の髪と黒くなった髪が絡み合い、二人の影を一つに重ねていく。
それが愛や許しなら美しいと言えたのに。
ただ愚直に天を目指していた流れが変わった。まるで龍巻のように渦を描き、凄まじい唸りを上げながら彼女達を包み込んでいく。
そして。
音すら聞こえる静寂と共に、ぴたりと真円が形作られた。
“女王株”。あるいは、それに似た何か。
直感する。
(……あれは、世界に開いた風穴)
虚無とでも呼べば良いのだろうか。
死も破壊も恐怖も絶望も、所詮は世界の一部に過ぎない――死に飲まれたら土に還ることが出来るけれど。
あの虚空から這い出そうとしているのは、そんなものではなく――この世には存在しない何か。
セシュナは“境界”を中空に創り続けながら、それを蹴って駆ける――けれど、押し寄せる黒い存在は、最早一人で捌ききれるものではなく。
圧倒的な質量を凌ぐ為の“境界”が、自ずと進むべき道すらも塞いでしまう。そして、光を世界に描き続けるうち、指先の揺らぎが激しくなっていくのが分かる。
(力は無限じゃない。どうすれば二人のいるところに届く――)
セシュナは歯噛みした。叫びだしそうになるのを、ぐっと堪えて。
「――砕け静寂」
不意に聞こえた声。
籠められた意志が大気中の霊素を呼び集め、一つの結果へと収斂していく。
「響け沈黙、其は空にして全なる、散り歪み拓き誘い虚空を満たせその震え」
ようやく気付いた。
声の主は、あの崩れた鐘楼の下――今まさに闇に飲まれつつある瓦礫の中に。
「――捻り潰せ、巨人の腕」
その一言で、魔法が命を得る。
広がる闇の一部がぐにゃりと形を変えた。自ら形状を変じたのではない。
例えるなら水面に映った影が波に乱されたような、抗いようのない変形。
やがて。
「――――」
爆発というのは生易しい――世界がひび割れたような衝撃だった。
魔法によって一時的に歪められた空間が、元の形を取り戻す。
ただそれだけのことで汚泥の海がごっそりと爆散した。風雨さえ、ほんの僅か停滞する。
余波というには圧倒的な振動が走り抜けると、僅かに残っていた石畳は地盤ごと粉砕され。校舎の窓という窓が粉微塵に割り砕かれて、中庭めがけて降り注ぐ。
『封鎖力場崩壊! 窓全損っ、校舎半壊! これ、空間振動――ニザナキ先輩っ!?』
ケーテの悲鳴が、直接頭蓋に刺さった。
「ケッ、ようもやってくれたな、このクソグロゲロゴミ野郎」
吹き飛んだ瓦礫に唾を吐きかけ、ニザナキが吠えた。仮面はおろか服もずたずたに引き裂かれ、額から血を流しながらも獰猛な笑みを浮かべる。
「戦術魔法士ナメんなや、ボケが」
セシュナは心底の驚きを、そのまま口に出した。
「……一体、どうやって……ニザナキ君」
彼は鋭い目付きで、こちらを見やって。
「オノレとミロウがやったんやろ。さっきの霊素暴走や。ここら一体、根こそぎひっくり返しよってからに」
それから面倒くさそうに、手で示した。
イザベラを奪われ、漆黒に埋もれていたアレクサンドラが身を起こしている。浮遊する“虚無”の直下では、アシュが飛び跳ねるように立ち上がっていた。
『お姉様! アシュ先輩っ!! 無事だったんですね!』
セシュナは呆然と――自分でも驚く程、強い感情が胸中を駆け巡るのを感じた。
それこそ、もし聖女が目の前にいたら、崇め奉った挙句求婚したくなるほどに。
「あと、君とか付けて呼ぶな。うすらサブいねん、セシュナ」
そうしてまず彼は、眉間を貫きかけた黒い触手をしっかと掴み取った。
「――――」
厳密には手で掴んだ訳ではない。掌が存在する空間と触手が存在する空間を切り離すことで、触手の進路を閉ざしたのである。
液体のような触手は、空間の“境界”で捕らえられてもなお、雫を撒き散らそうとする。
そこまで思考して、セシュナは今更驚愕を覚えた。
変わったのは世界ではない。
自分自身だ。
彼は黒い触手の元を辿り、そして見つける。
かつてヒルデであったはずの何か。止め処なく溢れる暗闇の奔流が崩落した屋根を軽々と越え、白い円塔よりも遥かに高く天を衝く。
(“開花”? ……いや)
以前見た“開花”に、ここまでの凄まじさは無かった。
何よりも眼窩に走る痛みの大きさが、全てを物語っている。
まるで“女王株”を目にした時のような。
セシュナは掴んだ触手を握りつぶし、それからすぐに跳ね起きた。柱からこぼれ落ちてくる暗黒の分流に向けて、左手を翳す。
指先が俄に揺らいだ。
景色を溶かすように、空間へと紋様が刻まれていく。ミロウが紡ぐ静寂の言葉に良く似た、幾何学的な輝く文字の集合体。
飛来する幾筋かの漆黒が刻まれた空間の断裂に衝突し、無残な黒い花を咲かせた。
「……セシュナ、君?」
立ち上がったセシュナを見上げて。
「セシュナ君。あなたは、セシュナ・ヘヴンリーフ君。間違いない?」
仮面の向こう、夜色の瞳が微かに揺れている。
セシュナは頷いた。
何度か拳を作り、身体の状態を確かめながら。
「……うん。どうやら上手くいったみたい」
迫る死を乗り越え、肉体の軛を逃れて精霊へと至る。
それは、妖精族が辿り着かんとする生命の形。体内の霊素を活性化して肉体を再構成し、意思を保ったまま霊素の純粋集合体へと変質すること――自身を魔法そのものへ変換すること。
(……今なら全部分かる。どうしてなのか、分からないけど)
セシュナは顔を上げて、雷雲を穿つ巨大な闇の柱を見た。
その強烈な変質霊素の奔流と、今のセシュナは変わらないのかもしれない。
かつて人であった何者か、という意味では。
「あれが……“結実”?」
その呟きを。
立ち上がりながら、ミロウが小さく首肯する。
「多分。ヒルデ・ロタロフィオは、イザベラ・デステの“核”を食べた。あなたの腕ごと」
セシュナははっとして、失った腕を思い出した。
無残にねじ切られた右肘から今も血が滴り続けている。彼方に置き去っていた激痛も、また。
(大丈夫。大丈夫だ。これぐらい、今の僕には問題じゃない)
全く奇妙な感覚だった。
意思の動きだけで世界そのものを創り変えられるなんて。
零れるばかりだった血液が、不意にその勢いを和らげたかと思えば、まるで軟体動物のようにくねり捻れて絡み合い――失われたはずの右腕を形作る。
形も色も、幼い頃に作った指先の傷痕さえも、何もかもが元の通り。
「……精霊みたい」
ミロウの感想はセシュナと同じだった。
「確かに。人間には出来ないね」
創り直したばかりの右腕で光の紋様を描き、降ってきた闇の雫を振り払う。
飛び散る“禁忌”を尻目に、セシュナは周囲を見やった。暗雲と豪雨に遮られてなお、精霊の視覚あらゆるものを見通すことが出来る。
滝のような雨を遡るイザベラの姿も。
「――待って、イザベラさんっ」
ほとんどが暗黒に染まった少女は、磔刑に処された聖女さながらに天に昇っていく。
セシュナはそれを追い掛けようとして、しかし闇の激流に押し戻された。
天を衝く濁流から、人形の闇が這い出してくる。
迎え入れるように手を広げたのは――相貌を無くした、ヒルデ。
「ヒルデさん! やめてください、ヒルデさんっ!!」
漆黒を遮った紋様を足場にして、セシュナは跳躍する。落下する前に新たな光を描き、更に跳ぶが。
闇そのものとなったヒルデは信じ難い優しさでイザベラを抱き留めると、唇を重ねる。
金の髪と黒くなった髪が絡み合い、二人の影を一つに重ねていく。
それが愛や許しなら美しいと言えたのに。
ただ愚直に天を目指していた流れが変わった。まるで龍巻のように渦を描き、凄まじい唸りを上げながら彼女達を包み込んでいく。
そして。
音すら聞こえる静寂と共に、ぴたりと真円が形作られた。
“女王株”。あるいは、それに似た何か。
直感する。
(……あれは、世界に開いた風穴)
虚無とでも呼べば良いのだろうか。
死も破壊も恐怖も絶望も、所詮は世界の一部に過ぎない――死に飲まれたら土に還ることが出来るけれど。
あの虚空から這い出そうとしているのは、そんなものではなく――この世には存在しない何か。
セシュナは“境界”を中空に創り続けながら、それを蹴って駆ける――けれど、押し寄せる黒い存在は、最早一人で捌ききれるものではなく。
圧倒的な質量を凌ぐ為の“境界”が、自ずと進むべき道すらも塞いでしまう。そして、光を世界に描き続けるうち、指先の揺らぎが激しくなっていくのが分かる。
(力は無限じゃない。どうすれば二人のいるところに届く――)
セシュナは歯噛みした。叫びだしそうになるのを、ぐっと堪えて。
「――砕け静寂」
不意に聞こえた声。
籠められた意志が大気中の霊素を呼び集め、一つの結果へと収斂していく。
「響け沈黙、其は空にして全なる、散り歪み拓き誘い虚空を満たせその震え」
ようやく気付いた。
声の主は、あの崩れた鐘楼の下――今まさに闇に飲まれつつある瓦礫の中に。
「――捻り潰せ、巨人の腕」
その一言で、魔法が命を得る。
広がる闇の一部がぐにゃりと形を変えた。自ら形状を変じたのではない。
例えるなら水面に映った影が波に乱されたような、抗いようのない変形。
やがて。
「――――」
爆発というのは生易しい――世界がひび割れたような衝撃だった。
魔法によって一時的に歪められた空間が、元の形を取り戻す。
ただそれだけのことで汚泥の海がごっそりと爆散した。風雨さえ、ほんの僅か停滞する。
余波というには圧倒的な振動が走り抜けると、僅かに残っていた石畳は地盤ごと粉砕され。校舎の窓という窓が粉微塵に割り砕かれて、中庭めがけて降り注ぐ。
『封鎖力場崩壊! 窓全損っ、校舎半壊! これ、空間振動――ニザナキ先輩っ!?』
ケーテの悲鳴が、直接頭蓋に刺さった。
「ケッ、ようもやってくれたな、このクソグロゲロゴミ野郎」
吹き飛んだ瓦礫に唾を吐きかけ、ニザナキが吠えた。仮面はおろか服もずたずたに引き裂かれ、額から血を流しながらも獰猛な笑みを浮かべる。
「戦術魔法士ナメんなや、ボケが」
セシュナは心底の驚きを、そのまま口に出した。
「……一体、どうやって……ニザナキ君」
彼は鋭い目付きで、こちらを見やって。
「オノレとミロウがやったんやろ。さっきの霊素暴走や。ここら一体、根こそぎひっくり返しよってからに」
それから面倒くさそうに、手で示した。
イザベラを奪われ、漆黒に埋もれていたアレクサンドラが身を起こしている。浮遊する“虚無”の直下では、アシュが飛び跳ねるように立ち上がっていた。
『お姉様! アシュ先輩っ!! 無事だったんですね!』
セシュナは呆然と――自分でも驚く程、強い感情が胸中を駆け巡るのを感じた。
それこそ、もし聖女が目の前にいたら、崇め奉った挙句求婚したくなるほどに。
「あと、君とか付けて呼ぶな。うすらサブいねん、セシュナ」
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる