2 / 4
微妙な関係編
理事長が思っていること
しおりを挟む
保健室にて
優里亜視点
理〔あれっ、おかしいな~又吉先生は保健室に居るはずなのに〕
誰もいない保健室で、誰かに問いかける様に話す理事長。きっと、私に向かって言った訳ではないはずっ。だって、私の顔を見ないで何故か天井に向かって言っていたのだから。
それにしても、保健室は静かだ。いや、保健室は元々静かで清潔な場所なんだけど、私達が居る保健室は何と言うか、寂しい様な忘れられた様な雰囲気が漂っている。
理〔ここに座りな、椎名君〕
椎〔あっ、はい!〕
私は、理事長の顔を見てから、指定された椅子に遠慮した様子を見せながらも座った。私が、座りにくかったのは隣に理事長でイケメンの男性が座っているからだ。
椎〔良い…匂い…〕
私は、心の中で言ったつもりなのだが、隣にいる理事長は、元々笑顔だったのがもっとわかりやすくて、明るい笑顔になっている。真逆…
理〔えっ、そ・う?ありがとう♪〕
椎〔…!えっ、あっ嘘…〕
私は、はっと自分がした事に今更気付き、顔が赤くなる。何故だろう、私はたまに、心の中で言ったつもりでも、実際は声に出してしまっている事がある。本当に恥ずかしい…
理事長は、嬉しそうだけど私はそんな理事長の様子にあった表情をする訳にはいかなかった。
理〔クスッ、椎名君って天然で、面白い子だね~♪話してて楽しいよ♡〕
カァァァ。余計、私の顔が赤くなってしまう。イケメンな理事長にこんな事を言われるなんて、照れない方が無理がある。でももっと嬉しかったのは、理事長も楽しそうに笑ってくれていた事。この笑顔に、何人の人が嫉妬して何人が恋に落ちたのだろうか…想像しただけでも、頭が痛くなりそうなくらい、色んな女性達に愛されているのだろう。
理〔あっ、後さ。俺の事理事長じゃなくって、西櫻さんで良いからね?〕
私は、思わず口を少し開いて驚いた表情を浮かべてしまう。立場上も、地位でも私の上に立つ理事長に、西櫻さんという友達の様に軽々しく呼ぶなんて、恐縮過ぎて無理だった。
椎〔えっ…でも〕
理〔遠慮しなくても良いんだよ~?というかそもそも、椎名君と俺、そんなに歳は離れていないし♪〕
私だけではなかった事に安心し、それなら…という返事をしたかったのだが、内気な私には簡単に承諾は出来なかった。でも、理事長から言ってくれるのだから無理してでも承諾はしなければいけなかった。
椎〔わっ、わかりました…えっと、西櫻さん…?〕
私が、理事長の顔を覗き込む様に言うと、それに気付いた理事長が口が少しつりあった笑顔で応えてくれる。この時間は凄く私にとっては好きかもしれない。本当の事を言えば、後数分だけでも良い。理事長と一緒に居たかった。
理〔よーし、これで良いかな?〕
私の膝の方に出来た傷に、消毒をして普通サイズより少し大きめの絆創膏を理事長が付けてくれた。本当に、理事長にこんな事をやらせてしまって悪かったと思っている。
椎〔あっ、ありがとうございます…〕
理〔どうも、それよりまだ痛い?〕
少しだけ痛む膝に、私は、自分の手を当てながら首を縦に振る。理事長は、少し悲しい表情をしている私を見て一歩、二歩と救急箱が置いている場所から少しずつ近付いてくる。
理〔如月君…の事を考えているでしょ?〕
この人は、人の心を読み取るのが上手いのだろうか。私が思っている事を直ぐに当ててしまった。否定して、嘘をつこうと思ったが、そもそも嘘を付く必要な理由がない。
椎〔図星です…〕
理事長と雪也の関係が良くはない事は、先程の教室での出来事もあって、私は勘付いていた。
理事長は、私が、雪也の事を考えていて良い思いがする訳はない。もしかしたら、他の子が自分の目の前で雪也の話をしたら怒るかもしれない。それくらい、出会って1日も経たないのに、理事長と雪也は、険悪な状態だった。
何故険悪なのかはわからない。だけど、雪也が理事長室に行った時に何かあったのは確かだった。
理〔俺さ、如月君の事気になるんだよね~♪〕
私が思いもしなかった言葉が、理事長の口から出る。パチパチと、瞬きを繰り返してしまった程だ。
意味がわからない。理事長は、自分と雪也の関係を知ってこんな事を言っているのだろうか?
椎〔…はい?〕
理〔あっ、そう言えば~!さっき、如月君、教室で椎名君の前の席にいる子と楽しそうに話していたんだよね~あんなに、仲が良いなら付き合ってないか心配だな~♡〕
ガタン!私は、理事長の言う現実に驚き過ぎて立ち上がってしまう。いや、落ち着け私。雪也みたいな社交的な男性が、初対面の人でも直ぐに仲良くなれるのを1番知っているのは私だ。そう、雪也はそういう感情をもってあの子と話した訳ではない…はず
椎〔でっ、でも…〕
理〔あっ、でも~如月君、理事長室で話した時、好きな子とか付き合っている子は居ないって言ってたしな~やっぱり、違うかっ♪ごめん、椎名君。何でもないよーってあれ?〕
タッタッタッ、私は必死に階段を駆け上がる。現在は授業時間、誰も居るはずはない。そして、我慢しなくても良いのに、私は泣けなかった。泣いたら理事長が言っていた現実を受け止めてしまう事になってしまう様な気がするから。…あんな嘘を信じようとしてしまった私が恥ずかしい。
…それにしても、理事長は何で…あんな事を言うのだろうか。私と雪也が付き合っている事がわからなかったから?そうであってほしい…
理〔言い過ぎたかな~♪まぁ、いっか〕
理事長は、笑っていた。優里亜の気持ちを御構い無しに…
優里亜視点
理〔あれっ、おかしいな~又吉先生は保健室に居るはずなのに〕
誰もいない保健室で、誰かに問いかける様に話す理事長。きっと、私に向かって言った訳ではないはずっ。だって、私の顔を見ないで何故か天井に向かって言っていたのだから。
それにしても、保健室は静かだ。いや、保健室は元々静かで清潔な場所なんだけど、私達が居る保健室は何と言うか、寂しい様な忘れられた様な雰囲気が漂っている。
理〔ここに座りな、椎名君〕
椎〔あっ、はい!〕
私は、理事長の顔を見てから、指定された椅子に遠慮した様子を見せながらも座った。私が、座りにくかったのは隣に理事長でイケメンの男性が座っているからだ。
椎〔良い…匂い…〕
私は、心の中で言ったつもりなのだが、隣にいる理事長は、元々笑顔だったのがもっとわかりやすくて、明るい笑顔になっている。真逆…
理〔えっ、そ・う?ありがとう♪〕
椎〔…!えっ、あっ嘘…〕
私は、はっと自分がした事に今更気付き、顔が赤くなる。何故だろう、私はたまに、心の中で言ったつもりでも、実際は声に出してしまっている事がある。本当に恥ずかしい…
理事長は、嬉しそうだけど私はそんな理事長の様子にあった表情をする訳にはいかなかった。
理〔クスッ、椎名君って天然で、面白い子だね~♪話してて楽しいよ♡〕
カァァァ。余計、私の顔が赤くなってしまう。イケメンな理事長にこんな事を言われるなんて、照れない方が無理がある。でももっと嬉しかったのは、理事長も楽しそうに笑ってくれていた事。この笑顔に、何人の人が嫉妬して何人が恋に落ちたのだろうか…想像しただけでも、頭が痛くなりそうなくらい、色んな女性達に愛されているのだろう。
理〔あっ、後さ。俺の事理事長じゃなくって、西櫻さんで良いからね?〕
私は、思わず口を少し開いて驚いた表情を浮かべてしまう。立場上も、地位でも私の上に立つ理事長に、西櫻さんという友達の様に軽々しく呼ぶなんて、恐縮過ぎて無理だった。
椎〔えっ…でも〕
理〔遠慮しなくても良いんだよ~?というかそもそも、椎名君と俺、そんなに歳は離れていないし♪〕
私だけではなかった事に安心し、それなら…という返事をしたかったのだが、内気な私には簡単に承諾は出来なかった。でも、理事長から言ってくれるのだから無理してでも承諾はしなければいけなかった。
椎〔わっ、わかりました…えっと、西櫻さん…?〕
私が、理事長の顔を覗き込む様に言うと、それに気付いた理事長が口が少しつりあった笑顔で応えてくれる。この時間は凄く私にとっては好きかもしれない。本当の事を言えば、後数分だけでも良い。理事長と一緒に居たかった。
理〔よーし、これで良いかな?〕
私の膝の方に出来た傷に、消毒をして普通サイズより少し大きめの絆創膏を理事長が付けてくれた。本当に、理事長にこんな事をやらせてしまって悪かったと思っている。
椎〔あっ、ありがとうございます…〕
理〔どうも、それよりまだ痛い?〕
少しだけ痛む膝に、私は、自分の手を当てながら首を縦に振る。理事長は、少し悲しい表情をしている私を見て一歩、二歩と救急箱が置いている場所から少しずつ近付いてくる。
理〔如月君…の事を考えているでしょ?〕
この人は、人の心を読み取るのが上手いのだろうか。私が思っている事を直ぐに当ててしまった。否定して、嘘をつこうと思ったが、そもそも嘘を付く必要な理由がない。
椎〔図星です…〕
理事長と雪也の関係が良くはない事は、先程の教室での出来事もあって、私は勘付いていた。
理事長は、私が、雪也の事を考えていて良い思いがする訳はない。もしかしたら、他の子が自分の目の前で雪也の話をしたら怒るかもしれない。それくらい、出会って1日も経たないのに、理事長と雪也は、険悪な状態だった。
何故険悪なのかはわからない。だけど、雪也が理事長室に行った時に何かあったのは確かだった。
理〔俺さ、如月君の事気になるんだよね~♪〕
私が思いもしなかった言葉が、理事長の口から出る。パチパチと、瞬きを繰り返してしまった程だ。
意味がわからない。理事長は、自分と雪也の関係を知ってこんな事を言っているのだろうか?
椎〔…はい?〕
理〔あっ、そう言えば~!さっき、如月君、教室で椎名君の前の席にいる子と楽しそうに話していたんだよね~あんなに、仲が良いなら付き合ってないか心配だな~♡〕
ガタン!私は、理事長の言う現実に驚き過ぎて立ち上がってしまう。いや、落ち着け私。雪也みたいな社交的な男性が、初対面の人でも直ぐに仲良くなれるのを1番知っているのは私だ。そう、雪也はそういう感情をもってあの子と話した訳ではない…はず
椎〔でっ、でも…〕
理〔あっ、でも~如月君、理事長室で話した時、好きな子とか付き合っている子は居ないって言ってたしな~やっぱり、違うかっ♪ごめん、椎名君。何でもないよーってあれ?〕
タッタッタッ、私は必死に階段を駆け上がる。現在は授業時間、誰も居るはずはない。そして、我慢しなくても良いのに、私は泣けなかった。泣いたら理事長が言っていた現実を受け止めてしまう事になってしまう様な気がするから。…あんな嘘を信じようとしてしまった私が恥ずかしい。
…それにしても、理事長は何で…あんな事を言うのだろうか。私と雪也が付き合っている事がわからなかったから?そうであってほしい…
理〔言い過ぎたかな~♪まぁ、いっか〕
理事長は、笑っていた。優里亜の気持ちを御構い無しに…
0
あなたにおすすめの小説
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる