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薔薇の願い
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私はルビーとエリックの荷物をまとめて外へ出た。
2人はただの冒険だと思っているが、実際は違う。
今から向かう場所は、この世で1番残酷な場所だと私は思う。
そんな悲惨な光景を子供たちには見せられない。
外で待っているルビーとエリックにもう一度質問した。
「本当にあなたたちは私の旅についてくるの?」
そう言うと、ルビーとエリックはお互い見つめ合い言った。
「「うん!!」」
2人の笑顔に偽りはなさそうだった。
そして、薔薇の案内のも、私たちは歩き始めた。
魔物に襲われているアルバジャ村へ。
私は1度足取りを止め、自分の家に振り返った。
そこには、いつもの家が立っていた。
少し寂しい気持ちもあるが、すぐ帰ってくるだろう。そんな気がした。
家に背中を見せ、私は歩みを進めようだった。
ー半日後ー
バラの案内で私たちは進んできたが、アルバジャ村は思った以上に遠かった。
「もう歩けないよ~」
エリックが駄々をこねたりもした。
二人の体力を見ながら進まなければいけないので、意外に大変だった。
大人と子供の体力が全く違うものだと思い知った。
夜になり少し開けたところで野宿のキャンプを立てた。
子供たち2人は日中の歩き疲れが来たのか、ご飯を食べすぐ寝てしまった。
空は星空で満点だった。
私は焚き火の前で座り込み、ただじっと火を見る。
なんだか火を見てると、とても心が落ち着く。
この火の落ち着きのように、アルバジャ村も平和であって欲しい。私はそう願った。
ぼーっとしていると、薔薇が来て、私の隣に座った。
数分間、お互い黙り込み気まずい空気がその場を包み込んだ。
何の話題を振ればいいのか、お互い全くわからずに、時間だけが過ぎていった。
薔薇はぼそっと言うように言った。
「私さ、妖精の中で、まだ新入りの方でさ……友達って言う友達があんまりいないんだよね……」
「そうなんだ」
唐突に始まった薔薇の昔話私は思わず聞く耳を立てた。
優しくうなずくと、薔薇は続けていった。
「1年に1回さぁ、妖精が1度に集まるお祭りがあるんだ……そこで大体知り合うんだけど、私あんまりしゃべるの得意じゃなくて……」
薔薇は一呼吸置いて続けていった。
「そんな孤立していた私に喋りかけてくれた人がいてさ。それが今向かってるアルバジャ村の妖精ヒマワリって言うんだけどさ」
私は相槌を打って言った。
「ヒマワリって言うんだ。かわいい名前だね。名前があるって事は契約者がいるってこと?」
「そうだよ。名付け親は前の妖精の女王だよ」
「そうなんだ。だけど、今妖精の女王って……」
「そう不在なんだ。だから、ありさが妖精の女王になって私たちの希望の光となってほしい」
薔薇はどこか寂しそうな声で語った。
妖精界では、そんなことが起きているんだと初めて知った。
いつも明るい薔薇が、こんなに落ち込んでいるのは初めて見た。
「遅いもう遅い寝よ」
私がそう言うと、薔薇は目を擦りながらうなずいた。
寝床に入り目をつぶると急に胸が痛くなった。
私は思わず胸を抑えた。だが、全く痛みは消えない。
次の瞬間、何かが私を呼ぶ声がした。
そして、目の前が真っ白になった――
2人はただの冒険だと思っているが、実際は違う。
今から向かう場所は、この世で1番残酷な場所だと私は思う。
そんな悲惨な光景を子供たちには見せられない。
外で待っているルビーとエリックにもう一度質問した。
「本当にあなたたちは私の旅についてくるの?」
そう言うと、ルビーとエリックはお互い見つめ合い言った。
「「うん!!」」
2人の笑顔に偽りはなさそうだった。
そして、薔薇の案内のも、私たちは歩き始めた。
魔物に襲われているアルバジャ村へ。
私は1度足取りを止め、自分の家に振り返った。
そこには、いつもの家が立っていた。
少し寂しい気持ちもあるが、すぐ帰ってくるだろう。そんな気がした。
家に背中を見せ、私は歩みを進めようだった。
ー半日後ー
バラの案内で私たちは進んできたが、アルバジャ村は思った以上に遠かった。
「もう歩けないよ~」
エリックが駄々をこねたりもした。
二人の体力を見ながら進まなければいけないので、意外に大変だった。
大人と子供の体力が全く違うものだと思い知った。
夜になり少し開けたところで野宿のキャンプを立てた。
子供たち2人は日中の歩き疲れが来たのか、ご飯を食べすぐ寝てしまった。
空は星空で満点だった。
私は焚き火の前で座り込み、ただじっと火を見る。
なんだか火を見てると、とても心が落ち着く。
この火の落ち着きのように、アルバジャ村も平和であって欲しい。私はそう願った。
ぼーっとしていると、薔薇が来て、私の隣に座った。
数分間、お互い黙り込み気まずい空気がその場を包み込んだ。
何の話題を振ればいいのか、お互い全くわからずに、時間だけが過ぎていった。
薔薇はぼそっと言うように言った。
「私さ、妖精の中で、まだ新入りの方でさ……友達って言う友達があんまりいないんだよね……」
「そうなんだ」
唐突に始まった薔薇の昔話私は思わず聞く耳を立てた。
優しくうなずくと、薔薇は続けていった。
「1年に1回さぁ、妖精が1度に集まるお祭りがあるんだ……そこで大体知り合うんだけど、私あんまりしゃべるの得意じゃなくて……」
薔薇は一呼吸置いて続けていった。
「そんな孤立していた私に喋りかけてくれた人がいてさ。それが今向かってるアルバジャ村の妖精ヒマワリって言うんだけどさ」
私は相槌を打って言った。
「ヒマワリって言うんだ。かわいい名前だね。名前があるって事は契約者がいるってこと?」
「そうだよ。名付け親は前の妖精の女王だよ」
「そうなんだ。だけど、今妖精の女王って……」
「そう不在なんだ。だから、ありさが妖精の女王になって私たちの希望の光となってほしい」
薔薇はどこか寂しそうな声で語った。
妖精界では、そんなことが起きているんだと初めて知った。
いつも明るい薔薇が、こんなに落ち込んでいるのは初めて見た。
「遅いもう遅い寝よ」
私がそう言うと、薔薇は目を擦りながらうなずいた。
寝床に入り目をつぶると急に胸が痛くなった。
私は思わず胸を抑えた。だが、全く痛みは消えない。
次の瞬間、何かが私を呼ぶ声がした。
そして、目の前が真っ白になった――
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