文字の大きさ
大
中
小
3 / 6
3話
夜会の会場は、煌びやかなシャンデリアの光に包まれ、貴族たちの笑い声と優雅な音楽が響き渡っていた。絢爛豪華なドレスやスーツをまとった人々が、グラスを片手に談笑し、舞踏場ではカップルたちが軽やかにステップを踏んでいる。その華やかな空間の一角に、一人だけ浮かない表情をした男がいた。ゼラスである。
彼は、壁際に立って、ぼんやりと会場を見渡していた。手にしたワイングラスは、ほとんど手つかずのまま。彼の心は、この華やかな場に相応しくないほど沈んでいた。ココを失い、チェルシーにも見捨てられてから、彼の生活は一変していた。屋敷は相変わらず広く豪華だが、そこにいるのは彼一人だけ。かつては笑い声が響いていた部屋も、今では静まり返っている。
「……何のために、こんなところに来たんだろうな」
ゼラスは、独り言のように呟いた。友人に誘われて、気分転換に来たはずだった。しかし、この場の華やかさが、かえって彼の孤独を際立たせているように感じられた。
彼は、ふと視線を動かし、会場の中央付近を見た。そこで、彼は信じられない光景を目にした。チェルシーだった。彼女は、美しいドレスをまとって、一人の若い男性と楽しそうに話している。その男性は、確かに「イケメン」と呼ぶにふさわしい整った顔立ちをしており、周囲の女性たちからも熱い視線を浴びていた。
チェルシーは、その男性の腕に軽く手を添え、くすくすと笑いながら何か話している。その笑顔は、ゼラスが最後に見たときのものとは全く違う。もっと生き生きとし、もっと輝いていた。まるで、彼女が本当の幸せを見つけたかのように。
ゼラスの胸に、鋭い痛みが走った。彼は、無意識にグラスを強く握りしめた。グラスがきしむ音が、彼の耳に届いた。
「……チェルシー」
彼は、その名前を呟くと、一歩、また一歩と、チェルシーたちの方へ歩き出した。理性が「やめろ」と叫んでいるのを感じながらも、彼の足は止まらなかった。なぜチェルシーがここにいるのか。なぜあの男性と一緒にいるのか。その疑問が、彼を突き動かしていた。
「チェルシー」
ゼラスは、チェルシーのすぐ後ろに立ち、声をかけた。チェルシーは、振り返り、ゼラスの顔を見た瞬間、わずかに表情を硬くした。
「……ゼラスさま」
その呼び方は、以前のような甘さはなく、どこかよそよそしかった。チェルシーの隣にいた若い男性も、ゼラスを見て、少し眉をひそめた。
「あなたは?」
男性が尋ねる。ゼラスは、チェルシーを見たまま答えた。
「俺は、チェルシーの……大切な人だ」
その言葉に、チェルシーは明らかに嫌な顔をした。
「ゼラスさま、そんな言い方はやめてください。わたし、もうあなたとは何の関係もありません」
「関係ない? そんなはずはないだろう。俺たちは……」
ゼラスは、言葉に詰まった。俺たちは何だったのか。結婚はしていない。恋人と言える関係だったのか。彼自身も、はっきりとは答えられなかった。
「チェルシー、戻ってきてくれ。俺は、お前がいないと……」
「もう、いい加減にしてください」
チェルシーは、ゼラスの言葉を遮った。その声は、冷たく、鋭かった。
「わたしは、もうあなたのそばにいたくないんです。だから、付きまとわないでください」
「付きまとう? 俺が?」
ゼラスは、傷ついたように声を上げた。周囲の視線が、ちらほらと集まり始めていた。誰かが囁き合う声が聞こえる。
「見てよ、あの男。チェルシーさんにしつこくしてるわ」
「離婚したばかりなのに、また別の女性に……しかも妹さんだって噂よ」
「ひどい男ね」
その囁きは、ゼラスの耳に、針のように刺さった。しかし、彼はまだ諦めきれなかった。
「チェルシー、お前は俺に……愛しているって言ったじゃないか」
チェルシーは、一瞬だけ目を伏せたが、すぐに顔を上げた。その目には、迷いの色はなかった。
「……あれは、間違いでした。わたしは、あなたを愛していませんでした」
「嘘だ! お前は、俺の腕の中で、幸せだって言っていたじゃないか!」
ゼラスの声は、思わず大きくなっていた。周囲の視線が、さらに強く彼に集中する。チェルシーは、わずかに後ずさりした。
「……あの時は、そう思っていたかもしれません。でも、今は違います。わたしは、あなたのことが……別に愛していませんでした」
その言葉は、ゼラスの心を、粉々に打ち砕いた。彼は、グラスを落としそうになりながら、必死に踏みとどまった。
「チェルシー……お前、そんな……」
「ゼラスさま、もうわたしのことは忘れてください。わたしも、あなたのことは忘れます」
チェルシーの声は、冷たく、しかし確かな決意に満ちていた。彼女は、隣の若い男性の腕にすがりつくように近づいた。
「わたしは、今、この人と一緒にいるのが幸せです。この人が、わたしを守ってくれる。そう信じています」
その言葉を聞いて、若い男性は、チェルシーを優しく見つめた。
「チェルシー、大丈夫だ。俺がお前を守る。誰にも、お前を傷つけさせない」
男性は、そう言いながら、ゼラスをにらみつけた。その目には、チェルシーを守ろうとする強い意志が宿っていた。
「あなた、チェルシーが嫌がっているのがわからないのか? もう、ここから離れてくれ」
ゼラスは、その言葉に、一瞬たじろいだ。彼は、チェルシーの顔を見た。チェルシーは、男性の腕にしっかりとしがみつき、ゼラスから目をそらしていた。その姿は、まさに「守られるべき女性」そのものだった。
「チェルシー……お前、本当にそう思っているのか? 俺が、お前を傷つけていると?」
ゼラスの声は、かすれていた。チェルシーは、うなずいた。
「はい。あなたがここにいるだけで、わたしは苦しい。だから、お願いです。もう、わたしの前に現れないでください」
その言葉は、ゼラスにとって、最後の一撃となった。彼は、膝から力が抜けるのを感じた。周囲の視線が、一層熱を帯びる。誰かがくすくすと笑った。
「見た? 完全にフラれてるわ」
「あんな男、誰が好きになるって言うのよ」
「ココさんも可哀想だったわね」
嘲笑の声が、ゼラスの耳に飛び込んでくる。彼は、顔を上げ、周囲を見渡した。そこには、かつて彼を羨ましがっていた貴族たちの、冷ややかな笑みがあった。彼らは、ゼラスの落魄ぶりを、楽しんでいるように見えた。
「……ざまあみろ、か」
ゼラスは、独り言のように呟いた。その声は、誰にも聞こえなかったかもしれない。しかし、彼自身の耳には、はっきりと響いた。
チェルシーは、若い男性に抱きしめられながら、ゼラスを見た。その目には、ほんの少しの同情と、しかしそれ以上に強い決意が浮かんでいた。
「ゼラスさま……さようなら」
その言葉を最後に、チェルシーは男性とともに、ゼラスから離れていった。二人の背中は、会場の明るい光に包まれ、まるで幸せの象徴のように見えた。
ゼラスは、一人取り残された。周囲の笑い声と囁きが、彼の耳にこだまする。彼は、グラスを握りしめたまま、動けなかった。
「……俺は、何をやってきたんだ」
彼は、そう呟いた。ココを捨て、チェルシーを選んだ。その結果が、これだ。チェルシーには見捨てられ、周囲には嘲笑される。彼の人生は、完全にめちゃくちゃになっていた。
誰かが、彼の肩を軽く叩いた。振り返ると、見知らぬ貴族の男が、からかうような笑みを浮かべていた。
「おい、兄さん。女にフラれるなんて、貴族として情けないな」
その言葉に、周囲からまた笑い声が上がった。ゼラスは、何も言えなかった。彼には、反論する力も、自尊心も、もう残っていなかった。
彼は、ゆっくりと会場の出口へと歩き出した。背中には、冷ややかな視線と笑い声がまとわりついている。彼は、それらを振り払うように、一歩一歩進んだ。
外に出ると、冷たい夜風が彼の頬を撫でた。空には星がきらめき、月が静かに輝いていた。その美しい光景は、ゼラスの心には、何の慰めにもならなかった。
「……これが、俺の報いなのか」
彼は、空を見上げながら、静かに呟いた。
ココを傷つけ、チェルシーに夢中になった。その結果、彼はすべてを失った。妻も、恋人も、そして自尊心も。
夜会の会場から、また笑い声が聞こえてきた。ゼラスは、その声を背に、暗い道を歩き出した。
彼は、壁際に立って、ぼんやりと会場を見渡していた。手にしたワイングラスは、ほとんど手つかずのまま。彼の心は、この華やかな場に相応しくないほど沈んでいた。ココを失い、チェルシーにも見捨てられてから、彼の生活は一変していた。屋敷は相変わらず広く豪華だが、そこにいるのは彼一人だけ。かつては笑い声が響いていた部屋も、今では静まり返っている。
「……何のために、こんなところに来たんだろうな」
ゼラスは、独り言のように呟いた。友人に誘われて、気分転換に来たはずだった。しかし、この場の華やかさが、かえって彼の孤独を際立たせているように感じられた。
彼は、ふと視線を動かし、会場の中央付近を見た。そこで、彼は信じられない光景を目にした。チェルシーだった。彼女は、美しいドレスをまとって、一人の若い男性と楽しそうに話している。その男性は、確かに「イケメン」と呼ぶにふさわしい整った顔立ちをしており、周囲の女性たちからも熱い視線を浴びていた。
チェルシーは、その男性の腕に軽く手を添え、くすくすと笑いながら何か話している。その笑顔は、ゼラスが最後に見たときのものとは全く違う。もっと生き生きとし、もっと輝いていた。まるで、彼女が本当の幸せを見つけたかのように。
ゼラスの胸に、鋭い痛みが走った。彼は、無意識にグラスを強く握りしめた。グラスがきしむ音が、彼の耳に届いた。
「……チェルシー」
彼は、その名前を呟くと、一歩、また一歩と、チェルシーたちの方へ歩き出した。理性が「やめろ」と叫んでいるのを感じながらも、彼の足は止まらなかった。なぜチェルシーがここにいるのか。なぜあの男性と一緒にいるのか。その疑問が、彼を突き動かしていた。
「チェルシー」
ゼラスは、チェルシーのすぐ後ろに立ち、声をかけた。チェルシーは、振り返り、ゼラスの顔を見た瞬間、わずかに表情を硬くした。
「……ゼラスさま」
その呼び方は、以前のような甘さはなく、どこかよそよそしかった。チェルシーの隣にいた若い男性も、ゼラスを見て、少し眉をひそめた。
「あなたは?」
男性が尋ねる。ゼラスは、チェルシーを見たまま答えた。
「俺は、チェルシーの……大切な人だ」
その言葉に、チェルシーは明らかに嫌な顔をした。
「ゼラスさま、そんな言い方はやめてください。わたし、もうあなたとは何の関係もありません」
「関係ない? そんなはずはないだろう。俺たちは……」
ゼラスは、言葉に詰まった。俺たちは何だったのか。結婚はしていない。恋人と言える関係だったのか。彼自身も、はっきりとは答えられなかった。
「チェルシー、戻ってきてくれ。俺は、お前がいないと……」
「もう、いい加減にしてください」
チェルシーは、ゼラスの言葉を遮った。その声は、冷たく、鋭かった。
「わたしは、もうあなたのそばにいたくないんです。だから、付きまとわないでください」
「付きまとう? 俺が?」
ゼラスは、傷ついたように声を上げた。周囲の視線が、ちらほらと集まり始めていた。誰かが囁き合う声が聞こえる。
「見てよ、あの男。チェルシーさんにしつこくしてるわ」
「離婚したばかりなのに、また別の女性に……しかも妹さんだって噂よ」
「ひどい男ね」
その囁きは、ゼラスの耳に、針のように刺さった。しかし、彼はまだ諦めきれなかった。
「チェルシー、お前は俺に……愛しているって言ったじゃないか」
チェルシーは、一瞬だけ目を伏せたが、すぐに顔を上げた。その目には、迷いの色はなかった。
「……あれは、間違いでした。わたしは、あなたを愛していませんでした」
「嘘だ! お前は、俺の腕の中で、幸せだって言っていたじゃないか!」
ゼラスの声は、思わず大きくなっていた。周囲の視線が、さらに強く彼に集中する。チェルシーは、わずかに後ずさりした。
「……あの時は、そう思っていたかもしれません。でも、今は違います。わたしは、あなたのことが……別に愛していませんでした」
その言葉は、ゼラスの心を、粉々に打ち砕いた。彼は、グラスを落としそうになりながら、必死に踏みとどまった。
「チェルシー……お前、そんな……」
「ゼラスさま、もうわたしのことは忘れてください。わたしも、あなたのことは忘れます」
チェルシーの声は、冷たく、しかし確かな決意に満ちていた。彼女は、隣の若い男性の腕にすがりつくように近づいた。
「わたしは、今、この人と一緒にいるのが幸せです。この人が、わたしを守ってくれる。そう信じています」
その言葉を聞いて、若い男性は、チェルシーを優しく見つめた。
「チェルシー、大丈夫だ。俺がお前を守る。誰にも、お前を傷つけさせない」
男性は、そう言いながら、ゼラスをにらみつけた。その目には、チェルシーを守ろうとする強い意志が宿っていた。
「あなた、チェルシーが嫌がっているのがわからないのか? もう、ここから離れてくれ」
ゼラスは、その言葉に、一瞬たじろいだ。彼は、チェルシーの顔を見た。チェルシーは、男性の腕にしっかりとしがみつき、ゼラスから目をそらしていた。その姿は、まさに「守られるべき女性」そのものだった。
「チェルシー……お前、本当にそう思っているのか? 俺が、お前を傷つけていると?」
ゼラスの声は、かすれていた。チェルシーは、うなずいた。
「はい。あなたがここにいるだけで、わたしは苦しい。だから、お願いです。もう、わたしの前に現れないでください」
その言葉は、ゼラスにとって、最後の一撃となった。彼は、膝から力が抜けるのを感じた。周囲の視線が、一層熱を帯びる。誰かがくすくすと笑った。
「見た? 完全にフラれてるわ」
「あんな男、誰が好きになるって言うのよ」
「ココさんも可哀想だったわね」
嘲笑の声が、ゼラスの耳に飛び込んでくる。彼は、顔を上げ、周囲を見渡した。そこには、かつて彼を羨ましがっていた貴族たちの、冷ややかな笑みがあった。彼らは、ゼラスの落魄ぶりを、楽しんでいるように見えた。
「……ざまあみろ、か」
ゼラスは、独り言のように呟いた。その声は、誰にも聞こえなかったかもしれない。しかし、彼自身の耳には、はっきりと響いた。
チェルシーは、若い男性に抱きしめられながら、ゼラスを見た。その目には、ほんの少しの同情と、しかしそれ以上に強い決意が浮かんでいた。
「ゼラスさま……さようなら」
その言葉を最後に、チェルシーは男性とともに、ゼラスから離れていった。二人の背中は、会場の明るい光に包まれ、まるで幸せの象徴のように見えた。
ゼラスは、一人取り残された。周囲の笑い声と囁きが、彼の耳にこだまする。彼は、グラスを握りしめたまま、動けなかった。
「……俺は、何をやってきたんだ」
彼は、そう呟いた。ココを捨て、チェルシーを選んだ。その結果が、これだ。チェルシーには見捨てられ、周囲には嘲笑される。彼の人生は、完全にめちゃくちゃになっていた。
誰かが、彼の肩を軽く叩いた。振り返ると、見知らぬ貴族の男が、からかうような笑みを浮かべていた。
「おい、兄さん。女にフラれるなんて、貴族として情けないな」
その言葉に、周囲からまた笑い声が上がった。ゼラスは、何も言えなかった。彼には、反論する力も、自尊心も、もう残っていなかった。
彼は、ゆっくりと会場の出口へと歩き出した。背中には、冷ややかな視線と笑い声がまとわりついている。彼は、それらを振り払うように、一歩一歩進んだ。
外に出ると、冷たい夜風が彼の頬を撫でた。空には星がきらめき、月が静かに輝いていた。その美しい光景は、ゼラスの心には、何の慰めにもならなかった。
「……これが、俺の報いなのか」
彼は、空を見上げながら、静かに呟いた。
ココを傷つけ、チェルシーに夢中になった。その結果、彼はすべてを失った。妻も、恋人も、そして自尊心も。
夜会の会場から、また笑い声が聞こえてきた。ゼラスは、その声を背に、暗い道を歩き出した。
感想
あなたにおすすめの小説
〖完結〗旦那様は私よりも愛人を選ぶそうです。
藍川みいな
愛していると言った旦那様は、結婚して3年が経ったある日、愛人を連れて来ました。
旦那様が愛していたのは、私ではなく、聖女の力だったようです。3年間平和だった事から、私の力など必要ないと勘違いされたようで…
「もうお前は必要ない。出て行け。」と、言われたので出ていきます。
私がいなくなったら結界は消滅してしまいますけど、大丈夫なのですよね? それならば、二度と私を頼らないでください!
シャーロットの力のおかげで、子爵から伯爵になれたのに、あっけなく捨てるルーク。
結界が消滅しそうになり、街が魔物に囲まれた事でルークはシャーロットを連れ戻そうとするが…
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全15話で完結になります。
【完結】元サヤに戻りましたが、それが何か?
ノエル王太子の婚約者エレーヌは、完璧な令嬢として誰もが認める存在。
だが、王太子は子爵令嬢マリアンヌと親交を深め、エレーヌを蔑ろにし始める。
自分は不要になったのかもしれないと悩みつつも、エレーヌは誇りを捨てずに、婚約者としての矜持を守り続けた。
やがて起きた事件をきっかけに、王太子は失脚。二人の婚約は解消された。
理想の『女の子』を演じ尽くしましたが、不倫した子は育てられないのでさようなら
赤羽夕夜親友と不倫した挙句に、黙って不倫相手の子供を生ませて育てさせようとした夫、サイレーンにほとほとあきれ果てたリリエル。
問い詰めるも、開き直り復縁を迫り、同情を誘おうとした夫には千年の恋も冷めてしまった。ショックを通りこして吹っ切れたリリエルはサイレーンと親友のユエルを追い出した。
もう男には懲り懲りだと夫に黙っていたホテル事業に没頭し、好きな物を我慢しない生活を送ろうと決めた。しかし、その矢先に距離を取っていた学生時代の友人たちが急にアピールし始めて……?
〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。
藍川みいな
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」
憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。
彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。
すごく幸せでした……あの日までは。
結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。
それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。
そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった……
もう耐える事は出来ません。
旦那様、私はあなたのせいで死にます。
だから、後悔しながら生きてください。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全15話で完結になります。
この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。
感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。
たくさんの感想ありがとうございます。
次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。
このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。
良かったら読んでください。