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9 予言
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サバラン様は到着するまでの間で、シエルへ情報を詰め込もうとするように、次から次へと教えてくれた。
古の森以外で見つかった黒い花はどれも特徴が酷似しているという。棘のある小ぶりの葉に、下向きに咲く花弁から考えると、クガラシだと思う。それを指摘すると、
「あぁ、知っている。で、黒い花を咲かせたことがあるか知っているか?」
「普通は黒い花など咲かせないでしょう」
いけしゃあしゃあと嘘をつくサバラン様に内心、むっとしたので、つい口調が尖ってしまう。
「・・・・・・あの場でベラベラと話すわけには行かないだろう。これをやるから、機嫌をなおせ。お前、クガラシで思い当たることがあるのだろう?」
押し付けられた本は、「魔木の扱い方」というタイトルだった。何十年も前の本らしく、カビ臭い臭いがする。
「私は嘘をつかれたことに腹が立ったのではなく、巻き込まれてしまった自分に腹が立っているのです!私が指摘するまでもなく、ご存知なのでしょう?」
「あぁ。だが、他者の意見を聞くのは重要なことだろう。さっさと話せ」
軽く睨みながらも、口を開く。
「100年くらい前に書かれた聖典と手記に、"黒き花が咲いた"という記述を見た記憶がございます。クガラシかは定かではありませんが、挿絵が非常に似ていたと思います」
「うむ、続きはこうだろう。"最初に黒き花が咲いてひと月後には、一面真っ黒になった。満月の夜になると、大量の魔物が押し寄せてきて、村が滅んだ"と」
「私が見た手記には、『黒い月の夜に』と記してありましたよ」
「黒い月?そうか、それだと予言と重なるな」
まずいな、とボソリと呟いてサバラン様は、こめかみを押さえた。
「よ、予言?」
「予言では、"黒き月の夜に黒き花が咲き乱れし時、過去の過ちが災いとなって押し寄せるだろう"となっている。過去の過ちが何か分からぬが、災いが魔物の襲来だとすれば辻褄が合う」
「そうですね・・・・・・。この予言が手記や聖典の前に書かれたとすれば、ですが」
「ふん、胡散臭いと言いたいのだろう?だが、100年以上前から我が家に代々伝わり続けている予言だ。無視する訳にもいかん。それに、わざわざ無意味な物を後世に伝えると思うか?」
そんな非合理的なことをするものか、と指でトントンと叩いた。
「さぁ、それは分かりませんが・・・・・・例えば、嫌がらせの可能性もあるでしょう。予言なんて、根拠が乏しい当てずっぽうとしか思えませんし」
「何度も当たっていることが判明しているから、こうして調べているのだ!それくらい察しろ」
これは間違いなく八つ当たりだろう。サバラン様の剣幕につれられて、シエルも煽り口調になった。
「きちっと言葉にして説明して頂かないと分かりませんよ!さぁ、根拠を説明してください!」
論破してやる、と意気込んだシエルを、サバラン様はギロりと睨むと、そのまま押し黙った。そして、到着するまで一言も話してくれなくなった。
(あぁ、身分の高い人に噛み付いてしまったわ!どうしよう・・・・・・)
シエルは!今更ながら、上位の方に盾突いてしまった事実に青ざめ、いつ処罰されるかと気が気でなかった。
古の森以外で見つかった黒い花はどれも特徴が酷似しているという。棘のある小ぶりの葉に、下向きに咲く花弁から考えると、クガラシだと思う。それを指摘すると、
「あぁ、知っている。で、黒い花を咲かせたことがあるか知っているか?」
「普通は黒い花など咲かせないでしょう」
いけしゃあしゃあと嘘をつくサバラン様に内心、むっとしたので、つい口調が尖ってしまう。
「・・・・・・あの場でベラベラと話すわけには行かないだろう。これをやるから、機嫌をなおせ。お前、クガラシで思い当たることがあるのだろう?」
押し付けられた本は、「魔木の扱い方」というタイトルだった。何十年も前の本らしく、カビ臭い臭いがする。
「私は嘘をつかれたことに腹が立ったのではなく、巻き込まれてしまった自分に腹が立っているのです!私が指摘するまでもなく、ご存知なのでしょう?」
「あぁ。だが、他者の意見を聞くのは重要なことだろう。さっさと話せ」
軽く睨みながらも、口を開く。
「100年くらい前に書かれた聖典と手記に、"黒き花が咲いた"という記述を見た記憶がございます。クガラシかは定かではありませんが、挿絵が非常に似ていたと思います」
「うむ、続きはこうだろう。"最初に黒き花が咲いてひと月後には、一面真っ黒になった。満月の夜になると、大量の魔物が押し寄せてきて、村が滅んだ"と」
「私が見た手記には、『黒い月の夜に』と記してありましたよ」
「黒い月?そうか、それだと予言と重なるな」
まずいな、とボソリと呟いてサバラン様は、こめかみを押さえた。
「よ、予言?」
「予言では、"黒き月の夜に黒き花が咲き乱れし時、過去の過ちが災いとなって押し寄せるだろう"となっている。過去の過ちが何か分からぬが、災いが魔物の襲来だとすれば辻褄が合う」
「そうですね・・・・・・。この予言が手記や聖典の前に書かれたとすれば、ですが」
「ふん、胡散臭いと言いたいのだろう?だが、100年以上前から我が家に代々伝わり続けている予言だ。無視する訳にもいかん。それに、わざわざ無意味な物を後世に伝えると思うか?」
そんな非合理的なことをするものか、と指でトントンと叩いた。
「さぁ、それは分かりませんが・・・・・・例えば、嫌がらせの可能性もあるでしょう。予言なんて、根拠が乏しい当てずっぽうとしか思えませんし」
「何度も当たっていることが判明しているから、こうして調べているのだ!それくらい察しろ」
これは間違いなく八つ当たりだろう。サバラン様の剣幕につれられて、シエルも煽り口調になった。
「きちっと言葉にして説明して頂かないと分かりませんよ!さぁ、根拠を説明してください!」
論破してやる、と意気込んだシエルを、サバラン様はギロりと睨むと、そのまま押し黙った。そして、到着するまで一言も話してくれなくなった。
(あぁ、身分の高い人に噛み付いてしまったわ!どうしよう・・・・・・)
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