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11 魔獣の出現
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突然振り向いたサバラン様に何事かと思った瞬間、口を塞がれていた。
(く、口を塞ぐなんて扱いがぞんざいすぎるわ!確かに変なことを口走ったけどっ)
俊敏な身のこなしで抱きしめられたことで、シエルはパニックに陥り、逃れようと暴れた。すると、お腹に回っている腕に力が込められる。ぐっとみぞおちを圧迫された痛みで身体が動かせない。
足が地面から離れるのを感じ、落ち着こうと深呼吸をする。数回繰り返して、やっと冷静さが戻ってきた。
いつの間にかランタンの光が消され、唯一の光源は、鬱蒼と茂る木々の間から微かに差し込んでいる月明かりの鈍い光のみとなっていた。
(何か起きたのかしら?)
目が慣れてきて、ぼんやりと周囲の状況が確認でき始めた。サバラン様は右前方の気配を窺っている。ちらりと左を見ると先程までいたジルバの姿が消えていた。
「ゔぅぉぉぉぉぉぉぉぉ」と地面を震わせるような唸り声と同時に衝撃に襲われた。
ピリついた空気を肌で感じながら、シエルも使えそうな物を探す。
(・・・・・・普段と違う格好してるんだったわ。だからといって護身用の毒薬をどうして肝心な時に持ってきてないのかしら!?)
自分に悪態をつきながら、ダメもとでポケットに手を入れると、しわくちゃになった紙に触れた。
「サバラン様っ!」
鋭い声がした瞬間、「ドォンッ」と近くの巨木がなぎ倒され、光線が飛び交う。魔法の光で照らし出された大岩のような陰に目を凝らす。 と、1人が飛び出し槍を突き立てた。
魔獣は痛みに悶えるように吠え、報復とばかりに、長い尻尾で従騎士を鞭打つ。吹っ飛ばされた従騎士を追いかけるように光が飛んだ。
「なっ、リガスケラスだと!?」
従騎士は地面に叩き付けられる前に、渦巻いた風に包み込まれたようだ。耳を切り裂くような鋭い突風と衝撃をやり過ごして、目を開けると、シエルはデカい猫のような魔獣と「こんにちわ」していた。
ゴクリと唾を飲み込む。
リガスケラスは、多数の黒斑点の入った黄褐色の分厚い毛に、どっしりとした広く頑丈な脚と大きな爪を持っていた。額には鋭く短い角があり、先程のように長く高速に動かせる真っ黒な尻尾で攻撃をしてくる魔獣のようだ。
充血した黄土色の目はギロりとこちらを睨みつけている。恐怖で身体の震えが止まらなかった。サバラン様に抱きかかえられていなければ、とっくに腰を抜かしていただろう。
「おい、いくぞ!地面をよく見て黒い花を探せ。この辺のはずだ」
「え、でもっ」
「さっさと目的を果たせ!撤退も出来んだろうが!」
「は、はいっ!」
サバラン様が照らした箇所へ懸命に目を凝らして探していく。黒いクガラシが所々生えている。詳しく場所の特徴を調べようにもサバラン様は一切の躊躇なく進んでいく。シエルが小走りになる速さだった。
すぐに息が切れ始め、このままではついていけないと思い、靴を脱いだ。地面がごつごつしていて足裏を刺激するが、ヒールで歩くより遥かにマシだった。
ずるっと滑ってバランスを崩した時、ふと光るものを見つけた。シエルは、拾おうと屈んだ。
「危ないっ!」
(く、口を塞ぐなんて扱いがぞんざいすぎるわ!確かに変なことを口走ったけどっ)
俊敏な身のこなしで抱きしめられたことで、シエルはパニックに陥り、逃れようと暴れた。すると、お腹に回っている腕に力が込められる。ぐっとみぞおちを圧迫された痛みで身体が動かせない。
足が地面から離れるのを感じ、落ち着こうと深呼吸をする。数回繰り返して、やっと冷静さが戻ってきた。
いつの間にかランタンの光が消され、唯一の光源は、鬱蒼と茂る木々の間から微かに差し込んでいる月明かりの鈍い光のみとなっていた。
(何か起きたのかしら?)
目が慣れてきて、ぼんやりと周囲の状況が確認でき始めた。サバラン様は右前方の気配を窺っている。ちらりと左を見ると先程までいたジルバの姿が消えていた。
「ゔぅぉぉぉぉぉぉぉぉ」と地面を震わせるような唸り声と同時に衝撃に襲われた。
ピリついた空気を肌で感じながら、シエルも使えそうな物を探す。
(・・・・・・普段と違う格好してるんだったわ。だからといって護身用の毒薬をどうして肝心な時に持ってきてないのかしら!?)
自分に悪態をつきながら、ダメもとでポケットに手を入れると、しわくちゃになった紙に触れた。
「サバラン様っ!」
鋭い声がした瞬間、「ドォンッ」と近くの巨木がなぎ倒され、光線が飛び交う。魔法の光で照らし出された大岩のような陰に目を凝らす。 と、1人が飛び出し槍を突き立てた。
魔獣は痛みに悶えるように吠え、報復とばかりに、長い尻尾で従騎士を鞭打つ。吹っ飛ばされた従騎士を追いかけるように光が飛んだ。
「なっ、リガスケラスだと!?」
従騎士は地面に叩き付けられる前に、渦巻いた風に包み込まれたようだ。耳を切り裂くような鋭い突風と衝撃をやり過ごして、目を開けると、シエルはデカい猫のような魔獣と「こんにちわ」していた。
ゴクリと唾を飲み込む。
リガスケラスは、多数の黒斑点の入った黄褐色の分厚い毛に、どっしりとした広く頑丈な脚と大きな爪を持っていた。額には鋭く短い角があり、先程のように長く高速に動かせる真っ黒な尻尾で攻撃をしてくる魔獣のようだ。
充血した黄土色の目はギロりとこちらを睨みつけている。恐怖で身体の震えが止まらなかった。サバラン様に抱きかかえられていなければ、とっくに腰を抜かしていただろう。
「おい、いくぞ!地面をよく見て黒い花を探せ。この辺のはずだ」
「え、でもっ」
「さっさと目的を果たせ!撤退も出来んだろうが!」
「は、はいっ!」
サバラン様が照らした箇所へ懸命に目を凝らして探していく。黒いクガラシが所々生えている。詳しく場所の特徴を調べようにもサバラン様は一切の躊躇なく進んでいく。シエルが小走りになる速さだった。
すぐに息が切れ始め、このままではついていけないと思い、靴を脱いだ。地面がごつごつしていて足裏を刺激するが、ヒールで歩くより遥かにマシだった。
ずるっと滑ってバランスを崩した時、ふと光るものを見つけた。シエルは、拾おうと屈んだ。
「危ないっ!」
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