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しおりを挟む地下にいると、太陽の動きが分からずどのくらいの時間が経ったのか全く分からない。長いようにも短いようにも感じられる時間が過ぎた頃、シエルはようやく見つけた。装丁されていない紙の束に目的の内容はあった。読みにくい字をどうにか解読していく。
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「黒い花が咲いた」とマリーナ様。つぎの買い出しのとうばんの時に私も見つけた。何年ぶりかに魔物が現れていちばは、こんらんしていた。
黒い花が咲いたら魔物がでるという噂を、店の主人から聞いた。ブラウニ国のなんとかという街では黒い花がたくさん咲いてて魔物が出たらしい。しんぱいである。
マリーナ様がとつがれてから、よくないことばかりらしく、お城はあわただしい。黒い花にも水をやっていたら、文字をおしえるから日記を書くよう言われた。
黒い花に水をあげても育たないかもしない。ふしぎだ。
文字を教えてくれる小さな先生が、ワシのけがを治そうとまほうを使ってくれた。黒い花が小さくなったように見えた。気のせいだろうか。
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他も似たようなことが書かれていた。習いたての字で記載してる使用人は詳しいことを知らされていなかったのだろう。でも、2つのことが分かった。1つは、黒い花が咲いた所では魔物が出たということ。もう1つは、黒い花は、魔法の、いや、治癒魔法の影響を受ける可能性が高いということ。
使用人達の日記からは予想以上の収穫があった。護衛の騎士や魔法使いの日記も無いか捲っていく。と、気になる記述を見つけた。
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先生が言うには、先生達が記録を残せば見つかるかもしれないという。だから、私達に日記として残させるという。誰に見つかるというのだろうか。
先生がやっと教えてくれた。黒い花は国の危険を示しているという。予言にあるらしい。ふん、そんな古くさいもの信用するなんて!そんな物を調べる暇があるなら、なんでブラウ二国を助けてあげないんだ!
珍しく先生が変装までして僕の家に来た。両親に用があったんだって。先生は、「誰かがこの国を乗っ取ろうとしている。遊び歩かないよくに」と言った。それが誰かは教えてくれなかったけど、なんで日記を書くように言ったのか分かったような気がする。「黒い花について調べちゃいけない」と約束させられた。不満を言ったら「君の安全のためさ」だって。「ブラウニ国をどうして助けないの?」って聞いたら、困った顔をしてたっけ。
その日、僕は先生と他の弟子達とお城に泊まったんだ。夜に目が覚めて、落ち着かなくて散歩してたら、先生と他にも何人かの大人達が話していた。聞き耳立てちゃダメだって思ったけど、聞いちゃった。
ブラウニ国の何とかって地域の貴族とハニーニ国が繋がってるとか、なんとか。大半はよく分からなかったけど、びっくりしたのが、「黒い花は、黒魔術を使用したことで咲く」って話。
あの時、よく声をあげなかったと思う。黒魔術なんて聞いたことなかったし、精霊が悪霊になるなんて信じられなかった。悪霊なんてそんな有り得ない話を大人が真剣にしてるなんて笑っちゃうよ。
あんな話を聞いちゃったら、気になって仕方なくて、黒い花を採って調べることにした。ジョーのヤツが触ったら呪われるって脅すから、手袋して採取したんだ。でも、結局見つかって調べられなかった。それに黒い花は、紫の月の日に全部無くなっちゃった。まるで全部悪い夢だったみたいに消えたんだ。なんでだろう?って考えてたけど、皆はどうでもいいみたいだ。先生は何故か大怪我してたし、聞いても答えてくれなかった。ブラウニ国に大量に魔物が出現したことと関係あるのかな?いつか大きくなったら調べてみよう。
今日で日記は最後だ!やったね。他の人たちの分まで書かされるのは面倒だったし、これでやっとたくさん遊べる!ボードゲームでジョーと対戦するんだ。それじゃあ、さよなら。
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シエルは何度か読み直した。おおよその内容を掴むと、すぐにサバラン王子を呼んだ。日記を丸暗記しようとするようにじっくり読み込んでいくにつれ、顔色が変わっていった。
紫色に月が見えるのは、だいたい3ヶ月に1度。あと数日しかない。
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