【R18】Fragment

Nuit Blanche

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赤ずきん猟師は森の奥で囚われる

赤ずきん猟師は森の奥で囚われる 2

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「くっ……ん、ぅうんっ!」

 シャノンというらしい男にベッドへと運ばれ、羽交い締めにされたカルラは未知の刺激に震えながら自分の物とは思えない声を堪えようと必死だった。見舞いの品として持ってきたワインを無理矢理飲まされたせいでふわふわした心地だが、まだ分別はつくつもりだった。
 服は全て剥ぎ取られ、フランによって燃やされてしまった。そのフランは今、カルラの足の間に顔を埋めている。カルラが誰にも許したことのない秘部を指で掻き乱しながら敏感な秘芽を舐めているのだ。

「は、ぁあっ!」
「我慢しなくていいのに。もっと声を聞かせて?」
「なぜ、こんな……ぁんっ!」

 村人同士で早くに結婚することもあったが、カルラに好意を示す者など誰もいなかった。全てフランがし向けたことだと思っていたし、それを悲観する気もなかった。経験がないことを恥じたりもしなかった。
 しかし、初めての口づけもフランに奪われ、まるで競うようにシャノンにも口づけられ、体をまさぐられ、絶頂させられる内にカルラの思考は奪われていった。
 その理由がわからずにいる。なぜ、共謀しているのか。

「両親の望むように生きてきたけど、今日で終わり。全部、君のためだったから」
「私の……?」

 見つめてくるフランの眼差しは真剣に見える。だからこそ、カルラは戸惑う。彼が、女でありながら猟師となるカルラを悪友達と蔑んでいたはずの彼がなぜ、そんなことを言うのか。自分のためだなどと――

「君と仲良くしちゃいけないって、ずっと両親に言い聞かされてきた。でも、僕は君に恋してしまった。君が大きくなった時、狼への生贄にされると知って僕がどれだけ辛かったと思う? それも僕のせいだなんて……!」

 感情を吐露するフランは泣き出しそうにも見えた。こんな彼を見るのはカルラにとって初めてのことだった。
 けれども、簡単に信じることはできない。彼の何を信じれば良いのか。彼が自分のために全てを欺いてきたとは思えない。今も欺かれているのかもしれない。

「だから、俺と取引をした」

 耳元で響いた声にカルラはぶるりと震えていた。シャノンは無口なようだったが、その声は妙に体の奥に響く。フランとはまるで違う低く深い声をしている。

「ねぇ、狼さん。本当に僕が先でいいの?」

 フランの視線がシャノンに向けられる。二人の関係は対等ではないのか。伺いを立てるような様からフランが彼に対して畏れを抱いているようにも見受けられる。

「言っただろ。俺では傷つけてしまう。お前が好きにしていい」

 シャノンの言葉は許しであり、信頼のようにカルラは感じた。自分の知らないところでの二人の繋がりは決して浅くないのだろうと思わされる。
 だが、フランは安堵よりも不安を滲ませている。

「……本当は今の今まで狼さんのこと信じてなかった。ううん、今も。僕を殺すんじゃないかって怖い」

 らしくない。不安を口にするフランに内心ではそう思いながらもカルラは口にしなかった。
 今まで知らなかったフランを見せられている。だからこそ、不安になるのか。あるいは、彼の不安が伝染しているのか。
 どちらにしても、不用意に彼の機嫌を損ねるような言動をすべきでないことはもう理解している。抵抗は試みたが、無駄だった。いくら鍛えているとは言ってもシャノンには敵わない。そして、フランもカルラが思っていたほどひ弱ではなかった。

「取引、しただろ。俺は約束を守らない奴らとは違う。お前に誠意を見せてきたというのに」

 シャノンは心外だと言わんばかりだ。二人の関係は昨日今日に始まったわけではあるまい。二人の取引が何かはわからないが、自分にとって不都合しかないのは明らかだとカルラは察していた。何しろ男二人の間で貞操の危機に瀕しているのだ。

「僕一人くらい簡単に殺せるでしょ? カルラが手に入れば僕なんか用済みでしょ?」
「お前がいたから手に入れられた」
「僕がいてもいい? 一緒にカルラを愛してもいいの?」

 不安に揺れるフランの目はカルラを通り越してシャノンを見ている。金に物を言わせる両親も、取り巻きもいなければ、本当は臆病なのかも知れない。
 だからと言って彼がしようとしていることを許せるわけではないのに、カルラを拘束するシャノンの腕は緩む気配を見せない。背に感じる体は壁のように硬い。

「自分から声をかけてきたくせに」
「だって、君はいたずらに人を襲わないって思ったから……」
「ああ、そうだ。俺は生贄には反対だった。狼族にとっても長い年月の中でその意味が変わってしまった。それでも、長に逆らおうなどとは思わなかったが、お前の言葉が俺に決心させた――俺が長となり、狼族を統率することを。だから、感謝している。俺を恐れる必要はない」

 狼族にも狼族の事情があるのだろうが、きっとそれをこの場で語る気などないのだ。
 二人が勝手に交わした密約のせいでここにいると言うのに、カルラはまるで部外者だった。
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