【R18】Fragment

Nuit Blanche

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遠ざけて近付いて

遠ざけて近付いて 3

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「大人しくしてりゃ気持ちよくしてやるって。ほら、二本目入るぞ」
「く、ぅっ……んぅんっ!」

 予告されたところで小春が理解するのは既に二本目の指の進入を許した後だった。痛みや違和感はなくならないが、大倫の舌と指の動きに翻弄され、塗り替えられていくのだ。グチュグチュと響く水音が大きくなっていくのがその証拠だったのかもしれない。

「本当は俺にこうされたくて来たんじゃねぇのか?」
「んんーっ!」

 声を抑えることに必死で小春は首を横に振ることさえできなくなっていた。こんなはずではなかった。彼に対して期待はあったが、決してこういうことではない。

「俺が授業に出るまで付きまとうんだろ? この体で俺を満足させられたら考えてやってもいいぜ?」

 侮蔑とも取れる言葉にも小春は耐える。一歩も引かないと決めたのは小春自身だった。せめて自分は彼の居場所になれたらと思っていたのだ。

「もうイキそうなんじゃねぇの?」

 問われても小春にはその意味がわからない。ただ何かが出てしまいそうな感覚だけは必死に抑え込もうとしていた。

「いいぜ? その方が突っ込み易くなるだろ」
「んっんっ……ん! んっ! んぅぅぅぅっ!」

 未知の快楽に恐れを抱く小春に大倫は容赦なかった。わからないまま押し上げられるような感覚に飲まれた小春の意識は白く染まり、痙攣する体が自分の物でなくなったように感じていた。

「やっ……!」

 自分の身に何が起きたかわからずに呆然としていた小春は足を持ち上げられて、はっとする。
 小春の視界に飛び込んできたのは見たことのない物体だった。

「これがお前の中に入るんだ」

 大倫の身体の一部であるとわかっても、小春は信じられない気持ちで呆然と目を離すことができない。ひたひたと秘部に押し当てられる熱は臍まで届きそうなほどであった。

「これだけ濡らしてりゃ入るだろ」
「ぃや……むりぃっ!」

 ぬめりを絡めるようにぐりぐりと入り口に先端を擦り付けられた小春は涙を零しながら何度も首を横に振った。

「くそっ……」

 最早、一刻も早く小春の中に入ることしか考えられなかった大倫にとってそれは拒絶以外の何物でもない。彼女に伝えられていない想いさえ否定されたかのようだった。

「お前が悪いんだろ……!」

 弄ばれたような気持ちをぶつけるかのように大倫は上から突き立てるように陰茎を押し込んでいった。

「ひぅうっ……!」

 引き攣った悲鳴が耳につく。それでも大倫は止まらなかった。否、止まれるはずがなかった。小春の小さな身体を抑えつける征服感、他の誰も知らない場所を開いていく喜びは格別だった。苦痛に歪む顔さえ興奮を掻き立てるものでしかない。

「ぃっ……うぅぅ……」

 身体を裂かれる痛みが小春の意識を赤く染め上げる。性行為がこれほど痛いとは想像していなかった。愛されていないという事実を示しているのかもしれない。

「かはっ……!」

 最奥まで貫いて大倫が止まり、小春は苦しげに息を吐く。戦慄く唇が、身体の全てが自分のコントロールから外れてしまったようだ。大倫はなぜ、こんなにも酷い痛みを与えてくるのか。どうしてこんなにも嫌われてしまったのか。

「ははっ……入ったじゃねぇかよ」

 自身の陰茎を飲み込んだ秘筒の狭さに漏らす大倫の吐息も苦しげだが、気にかける余裕が小春にあるはずもなかった。

「ひぐぅっ……! ぃたっ、ゃあっ!」

 ずるずると陰茎が襞を引っ掻きながら抜けていき、また奥まで押し込まれる。肌がぶつかる音が響けば何度も杭を打ち下ろされるようで小春は頭を振る。ずり上がるのを阻むように肩を掴まれては逃げ場もなかった。

「んっ……んぐぅっ! んんっ! ……ふ、ぁんっ!」

 終わりがわからぬピストンに耐える内に小春は苦痛だけでない物を感じつつあった。それが快楽であると気付いていたからこそ小春は振り払いたかった。痛みは辛い。けれども、快楽もまた小春には辛いものである。

「俺ので感じてんのかよ」

 小春の変化は繋がっている大倫にはすぐにわかった。締め出そうとするようだった小春の中が絡みつくように解れ、歪んでいた表情も少し和らいできている。快楽を引きずり出すように動きを変えれば反応は顕著だった。

「ぃやっ、んぁっ、ぃやぁっ!」

 痛みが塗り替えられていくように快楽が大きくなっていく。小春は本当に自分が淫乱な女に成り下がってしまうような気がしていた。この愛のない行為に感じて大倫に軽蔑されたくなかったのだ。
 しかし、一度火がついた快感は大きくなり、痛みを凌駕し、頭の奥まで痺れさせるようだ。
 またあの感覚が、今度はもっと大きくなって襲いかかってくる。それが恐ろしいのに、小春に抗う術はなかった。

「ふ、ぁ……んっ、んっ! んんぅぅぅぅっ!」

 弾けて、白く染まる。自分の奥で迸る何かを感じながら、小春は快楽の奔流に飲まれ、痙攣するだけだった。
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