【R18】Fragment

Nuit Blanche

文字の大きさ
68 / 80
リアルイケメンに課金したら××でした

リアルイケメンに課金したら××でした 1

しおりを挟む
「お姉さんの大事な人を返しにきたよ」
仕事帰り、疲れていた凛奈は路上でヴァイオリンを弾いていたイケメンに癒やされ、衝動的に投げ銭をするが、後日家の前に彼が立っていて……(全六話)

[現代 ファンタジー風味 社会人 OL イケメン 年下 淫魔 中出し]


* * * * *


 イケメンに課金した。
 ゲームじゃない。リアルなイケメンに。いかがわしくはない。
 仕事の帰り道、聞こえてきたメロディーに引き寄せられたら彼がいた。
 所謂ストリートミュージシャン? ヴァイオリンを弾く彼を天使だと思った。疲れ果てた私を癒すために派遣された天使。
 それで気付いたら彼のヴァイオリンケースに諭吉様を放り込んでしまっていたというわけ。お金に困ってる風には見えないけど、存分に癒された対価としては高くないはず。投げ銭の相場よりもずっと高いのはわかってるけど。

 後悔なんてしてない。するもんか……!
 今月はまだゲームに課金してない分だから、新しい推しができたと思ったらいいだけ。そうやって何度も自分に言い聞かせた。
 彼が美味しい物でも食べてくれれば良いし、お洒落な服を買ったり髪を整えたりする足しにしてもらえればいい。いつか彼が有名になってテレビにでも出た時には自分が育てたなんて嘯いたりして。それでいいと思ってた。

 しばらくは節約しよう。もやしに豆腐、鶏胸肉……安くてヘルシーな食材の数々を思い浮かべる。大丈夫、死なない。当分生きていける。
 そう思ってたけど……自分の部屋の前に近付いて、足が止まる。誰かいる。ドアの前に寄りかかってる。あれは間違いなく私の部屋の前。
 黒尽くめの男性、スラッと細くて背が高い。黒いマスクをしててちょっと怖いけど、遠目に見て格好いい雰囲気。
 ストーカー? まさか。そんなのいるはずがない。どうしよう、通報する? なんて思ってる内に気付かれてしまったらしい。
 寄りかかるようにしていた彼が背中を離して手を挙げて、私の足は吸い寄せるように動き出していた。

「おかえり、お姉さん」
「き、君……!」

 私を迎えてくれたのは件のヴァイオリン少年に違いなかった。何で? とは思うけど、肩にかけてるのは私の諭吉を吸い込んだヴァイオリンケース。間違いない。今日もどこかで弾いてたのかも。
 綺麗に整えられたサラサラの黒髪、切れ長の瞳、少し骨ばった輪郭……背はそれほど高くはないけど、低くもない。スラッと細くて、シャツの裾を前だけインする着こなしがハマってる。この前は白いてろっとしたシャツだったけど、黒もハマってる。足の細さが際立つスキニーやばい。

「お、お金ないから……!」

 咄嗟に出た言葉はそれだった。私が諭吉なんか入れちゃったから勘違いされちゃったのかもしれない。
 ここから数日、どうやって生きていこうかってところなのに、パトロンとかになれるはずもない。申し訳ないけど、帰っていただくしかない。本当に残念だけれど。

「お金で買おうとか、そういうつもりじゃなかったから……!」

 完全に言い訳。言い訳乙とか必死すぎて草生えるとか脳内で聞こえるけど、言い訳するしかない。
 こんなイケメンがお金で買えるなら……と思わなくもないけど、あくまで自由な妄想の中での話。現実は法律もあるし、とにかくお金はないんだけど……

「だろうね」

 彼は言った。あまりにさらっと。その髪くらいサラサラと。

「俺、そんなに安くないしね」

 でしょうね、と今度は私がさらっと言いそうになって飲み込んだ。
 自分で言う? そう思いつつも、相手は最高級イケメン。
 って言うか、なぜ?

「とりあえず、中入れてくれない? 冷えちゃって」

 そう言われてハッとする。

「ご、ごめんね……!」

 いつからここにいたんだろう?
 何かもっと他に気にするべき大事なことがあるような気がしながら若い子に風邪を引かせちゃいけないと思って私は慌ててドアを開けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

👨一人用声劇台本「寝落ち通話」

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。 続編「遊園地デート」もあり。 ジャンル:恋愛 所要時間:5分以内 男性一人用の声劇台本になります。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...