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リアルイケメンに課金したら××でした
リアルイケメンに課金したら××でした 2
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すぐにお湯を沸かして、温まるようにホットレモネードを作った。粉を溶かしただけだったけど、彼は喜んでくれた。
それにしても我が家にイケメンがいるって不思議。
テーブルを挟んで向かい合ってるだけで眼福。
「それで、どうして……」
「そうそう、お姉さんの大事な人を返しにきたんだ」
大事な人って誰だろう? 誰か人質に取られたっけ?
と私がグルグル考えてる内に彼がポケットをゴソゴソしてると思ったら、ヒラッと目の前に広げられたのは一万円札。
そっ、それはまさか私の諭吉様……!?
確かに大事だけど! 人かもしれないけど……!
「いやいや、重すぎたかもしれないけど! 癒やされたお礼だから! コンサート一回分くらい癒されたから! 大体、一度出したものを引っ込めるのは……! お節介なおばちゃんからの仕送りだと思って美味しい物食べて! お願いだから!」
一瞬手が伸びそうになるのを抑えて捲し立てる。
二十代とは言えアラサーの範囲には入っちゃったものの、まだおばちゃんというほどではないと思いたいし、そんなに歳が離れてないかもしれないけど、心境的に。
「お姉さん、面白いね」
クスクスとイケメンに笑われて恥ずかしいようなご褒美なような……
「でも、ごめんね。俺、生活に困ってないんだ」
これは恥ずかしい……!
冷静に考えると育ちは良さそうだし、ヴァイオリンって高いって聞くし、音大生とか? 御曹司?
私みたいな庶民からのはした金なんて必要なんてなかったんだ……
「でも、代わりに欲しい物ができたから来たんだよ」
テーブルに諭吉様を置いて、すっとこっち側に差し出してくる。
「物納……?」
お金だと色々まずい? おねだり?
私は理解できなくて、パニックなのに彼はまたクスッと笑った。イケメンに笑われるってやっぱりご褒美。くせになりそう。私ってMだったっけ?
「お姉さんのこと、奏でてみたくなって」
「え……」
満面の笑みにフリーズした。
いや、聞き間違いだよね? 強めの幻覚? ううん、幻聴? 病院に行った方がいい?
「もっと癒やしてあげられるよ?」
私、誘惑されてる……?
違うよね? 卑猥なこと考えちゃダメなやつだよね?
「お姉さーん?」
目の前で手を振られてまたハッとする。意識が飛ぶくらい疲れてるのかもしれない。
「もしかして、変な健康グッズ買わされる……?」
「ぶはっ……!」
そう言った瞬間、イケメンが吹き出した。何がそんなにツボだったのか大笑い。いや、それもまたご褒美。
お姉さんって呼んでくれるの嬉しいけど、キモいお姉さんでごめん……お姉さん、オタクなんだ……と心の中で謝罪しつつ。
「本当にお姉さんは面白いね。って言うか、俺のこと怪しんでるよね? そうだよね、自己紹介もしてないよね」
一頻り笑った後、目尻に滲んだ涙を指先で拭って彼は言う。
うっかり家に上げちゃったけど、相手は素性不明の男の子。それは間違いない。
いや、知らないお姉さんの家までやってきて、上がり込むのも何なんだろう? やっぱりカモ?
「俺は四季、職業はミュージシャン? ミザリー・ラヴズ・カンパニーっていうロックバンドでヴァイオリン弾いてる」
バンドマン……! 本業はロック?
聞いたことあるような、ないような……もしかしたら、何かの会社だと思ってたけど。
でも、何だか凄く納得した。
「お姉さんは?」
「凛奈……ただのOL」
「凛奈さんね、俺にとっては特別な人だよ」
名前を呼ばれただけでドキッとするのに、もしかして口説かれてる? いや、まさか。そんな展開ないない。
「これからの俺の人生にお姉さんが必要なんだよ」
人生レベルで求められてる?
いや、全然、話が見えない。モテ期が到来したわけでもあるまいし、やっぱり新手の詐欺かもしれない?
それにしても我が家にイケメンがいるって不思議。
テーブルを挟んで向かい合ってるだけで眼福。
「それで、どうして……」
「そうそう、お姉さんの大事な人を返しにきたんだ」
大事な人って誰だろう? 誰か人質に取られたっけ?
と私がグルグル考えてる内に彼がポケットをゴソゴソしてると思ったら、ヒラッと目の前に広げられたのは一万円札。
そっ、それはまさか私の諭吉様……!?
確かに大事だけど! 人かもしれないけど……!
「いやいや、重すぎたかもしれないけど! 癒やされたお礼だから! コンサート一回分くらい癒されたから! 大体、一度出したものを引っ込めるのは……! お節介なおばちゃんからの仕送りだと思って美味しい物食べて! お願いだから!」
一瞬手が伸びそうになるのを抑えて捲し立てる。
二十代とは言えアラサーの範囲には入っちゃったものの、まだおばちゃんというほどではないと思いたいし、そんなに歳が離れてないかもしれないけど、心境的に。
「お姉さん、面白いね」
クスクスとイケメンに笑われて恥ずかしいようなご褒美なような……
「でも、ごめんね。俺、生活に困ってないんだ」
これは恥ずかしい……!
冷静に考えると育ちは良さそうだし、ヴァイオリンって高いって聞くし、音大生とか? 御曹司?
私みたいな庶民からのはした金なんて必要なんてなかったんだ……
「でも、代わりに欲しい物ができたから来たんだよ」
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「物納……?」
お金だと色々まずい? おねだり?
私は理解できなくて、パニックなのに彼はまたクスッと笑った。イケメンに笑われるってやっぱりご褒美。くせになりそう。私ってMだったっけ?
「お姉さんのこと、奏でてみたくなって」
「え……」
満面の笑みにフリーズした。
いや、聞き間違いだよね? 強めの幻覚? ううん、幻聴? 病院に行った方がいい?
「もっと癒やしてあげられるよ?」
私、誘惑されてる……?
違うよね? 卑猥なこと考えちゃダメなやつだよね?
「お姉さーん?」
目の前で手を振られてまたハッとする。意識が飛ぶくらい疲れてるのかもしれない。
「もしかして、変な健康グッズ買わされる……?」
「ぶはっ……!」
そう言った瞬間、イケメンが吹き出した。何がそんなにツボだったのか大笑い。いや、それもまたご褒美。
お姉さんって呼んでくれるの嬉しいけど、キモいお姉さんでごめん……お姉さん、オタクなんだ……と心の中で謝罪しつつ。
「本当にお姉さんは面白いね。って言うか、俺のこと怪しんでるよね? そうだよね、自己紹介もしてないよね」
一頻り笑った後、目尻に滲んだ涙を指先で拭って彼は言う。
うっかり家に上げちゃったけど、相手は素性不明の男の子。それは間違いない。
いや、知らないお姉さんの家までやってきて、上がり込むのも何なんだろう? やっぱりカモ?
「俺は四季、職業はミュージシャン? ミザリー・ラヴズ・カンパニーっていうロックバンドでヴァイオリン弾いてる」
バンドマン……! 本業はロック?
聞いたことあるような、ないような……もしかしたら、何かの会社だと思ってたけど。
でも、何だか凄く納得した。
「お姉さんは?」
「凛奈……ただのOL」
「凛奈さんね、俺にとっては特別な人だよ」
名前を呼ばれただけでドキッとするのに、もしかして口説かれてる? いや、まさか。そんな展開ないない。
「これからの俺の人生にお姉さんが必要なんだよ」
人生レベルで求められてる?
いや、全然、話が見えない。モテ期が到来したわけでもあるまいし、やっぱり新手の詐欺かもしれない?
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