【R18】Fragment

Nuit Blanche

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リアルイケメンに課金したら××でした

リアルイケメンに課金したら××でした 3

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「だから、いい?」

 じっと見つめられて、問いかけられて、思わず頷きそうになって、はたと気付く。

「よ、良くない……!」
「何で?」

 まるで拒否されるなんて思ってなかったみたいに、凄く不思議そうに聞かれるけど、私、おかしくないよね?

「何で、って……君、いつもこういうことしてるの?」
「まさか。お姉さんが初めてだよ」

 初めてと聞いてときめくけど、鎮まれ私の心臓。いや、止まったら困るけど。
 だって、誰にでも言ってるかもしれない。他人の言葉なんてわからないもの。じっと見ても四季君の表情が読めるはずもない。イケメンすぎる。

「じゃあ、俺の秘密をお姉さんに教えてあげる」

 イケメンの秘密……! ガタッとした私の中の私、本当に落ち着いて欲しい。一度深呼吸した方がいいかもしれない。百面相にならないようにどれだけ表情筋に力を入れているか。イケメンに変な顔を見せるわけにはいかない。
 諭吉を放り込むとか明らかに冷静じゃなかったけど、今更手遅れかもしれないけど、クールなお姉さんでいたい。

「俺、淫魔なんだ」
「はっ……?」

 さらっと言われて理解できない。いんま? 何それ、美味しいの?

「サキュバスとかインキュバスとか夢魔とか聞いたことある? 厳密に言うと面倒だけど、その類」
「ゲームじゃあるまいし……」

 あー、その淫魔。オタクなせいで心の中ではうっかり納得しちゃったけど、冗談にもほどがある。大人をからかうなんて……!
 ここは年上として諫めなきゃいけない。そう思ったけど、四季君がふっとどこか寂しそうに笑う。

「残念ながら、この世の中、俺みたいに淫魔はいっぱいいるんだよ。特に芸能界とかさ、ナバイアってアイドルグループ知ってる? あいつら、全員同類って言うか、同じ事務所だし、ほとんど親戚みたいな感じ」

 ナバイアなら聞いたことある……!
 セクシーでヴィジュアルロックみたいな路線の男性アイドルグループ。同じ事務所? もしかして、私が知らなかっただけで四季君って凄い有名人? こんなところにいちゃいけない人?
 またグルグルと考える私を後目に四季君は続ける。

「人間に夢を与えて精気吸って生きながら、自分達にとって一番のご馳走を探してる。番みたいなものかな?」

 番……!
 もしかして、四季君もオタク? 中二病? そう思って見るとそう見えてきて納得しちゃう部分があったりする。

「俺は淫魔の中でもロマンティックな方でね、みんなと共有するとかありえないし、幸いうちのメンバーも人間に近いやつが多いから餌を囲わなくてもいいわけなんだけど」

 なんかもう何も頭に入ってこない。何言ってるの、この子。

「信じてないよね?」

 見透かすような目にギクリとするけど、四季君はまた寂しげに「当然だよね」って笑った。ガチなの? 本当に?
 改めて見ても四季君は人間でしかないし、ナバイアだって……顔面偏差値高すぎ集団くらいにしか……

「じゃあ、俺の目を見て」

 言われるがまま改めて四季君の目を見る。少し明るいブラウンの目、イケメンと見詰め合うってドキドキする。
 だけど、それだけじゃなかった。
 引き込まれそうになるような、頭の中に靄がかかるような、侵食されるような、得体の知れない感覚。
 それが怖いのに見えない手に掴まれてるみたいに動けなくて、声すら発せない。
 私が私じゃなくなる……!
 そう思った瞬間、四季君が手を叩いて、ぱっと靄が晴れた。

「俺はこれで凛奈さんに言うことを聞かせることもできる。でも、そういうことしたくはない。だから、もう一度聞くよ?」

 催眠術? 洗脳? わけがわからないけど、普通の状態じゃなかったのは確か。
 信じがたいけど、目を見ただけでそんなことになるなんて、信じざるを得ないような状態。

「いいよね?」

 強制したくないって言いながら拒否権なんてないような聞き方だった。この期に及んで断られるなんて思ってない。そういう自信が漲ってる。
 そして、私は小さく頷くしかなかった。
 淫魔だなんて、何かイメージと違うけど、天使だと思った子が堕天使だったような悪魔だったような……
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