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第二章
侵食される日常 20
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「思ったよりも早くこの時がきましたね。俺は嬉しいですよ? 体の相性って大事ですし、チンポからでも好きになってもらえたら」
「だから、違うってばぁっ……!」
避妊具に包まれた陰茎を秘唇に擦りつけられて紗菜は身をよじる。嫌なのに、やはり体はほしくてたまらないと言うように中がきゅうきゅうと収縮するのだ。
「わかってますって。紗菜先輩、敏感だから焦らしちゃったら我慢できなくなりますよね。中途半端は体に良くないですし。チンポ、ほしいんですよね?」
「ぅうっ……!」
先端を秘芽に擦りつけられて紗菜はいやいやと首を横に振る。その熱さを、硬さを体の奥が求めていることは認めたくはないのだ。紗菜の心はそんなことを望んではいない。
彼が中途半端に終わらせたから心と体が乖離してしまった。だから、責任をとってもらうだけなのだ。自らの快楽のためではない。
「じゃあ、チンポ入れなくてもいいんですね?」
「ず、ずるい……!」
すっと陰茎が離れて、紗菜は思わず声を上げていた。体の奥が求める熱が離れてしまったことがひどくもどかしい。
まるで彼の手のひらで転がされているようだ。きっと彼にとっては全て思い通りになっているのだろう。
「紗菜先輩だってずるくないですか?」
なぜ、そんなことを言われるのか。
わからないまま紗菜は晃を見た。
ずるいのは彼だ。彼がずるいから紗菜は困っているのだ。
「チンポほしいのは悪いことじゃないですよ? 先輩が一言ほしいって言ってくれればお互いに幸せになれるのに」
触れそうで触れない場所に陰茎がある。あと少し腰を持ち上げれば触れれる距離にあるのに届かない。
ほしくはないのに、それしか体を蝕む疼きを止められないという矛盾が紗菜を苦しめる。
「腰、揺れてますよ? 我慢しなくてもいいのに」
認めたくなくて紗菜はふるふると頭を振った。
この疼きを我慢できていたら、今頃こんな風に困ってはいなかっただろう。それを仕掛けてきたのは晃である。
「ほしいくせに」
「い、意地悪……!」
責任を取ると言ったくせに今日の彼はひどく意地悪だ。これならばいっそ無理矢理犯された方がましだったのかもしれない。そうすれば紗菜は言い訳ができる。それを彼はずるいと言うのかもしれないが。
「俺、好きな子をいじめたいタイプだったんですかね? 紗菜先輩が可愛すぎるからいけないんですけど」
そうしてまた自分が悪いように言われて紗菜は不満を感じながらも何も言うことができなかった。
紗菜が知る限り彼はどうしようもない嘘吐きで、好きだと言うのも本心ではない。けれども、それ以上に彼のことを知らないのだ。
「で、ほしいんですか? ほしくないんですか?」
ぺちぺちと何度か陰茎を触れさせながら、それが最後であるように晃は問いかけてくる。
ほしくないのに、ほしい。一瞬だけ触れる硬さも熱さもどかしくてたまらない。それを言葉にしてしまったら自分の中で大切な何かが壊れてしまいそうで怖かった。
だから、答えられずに紗菜はただ涙を堪えた。今度また涙が溢れてしまえば自分を制御することができなくなりそうだったのだ。
「じゃあ、可哀想だから俺が勝手に紗菜先輩のこと慰めますね? 俺しか紗菜先輩を助けられないですもんね? だから、後で文句言わないでくださいね?」
予防線を張るような言葉は言い訳をしているようでもある。文句はあっても紗菜は言えない。それも彼はわかっているだろう。
「晃君のせいなのに……!」
「ええ、そうですね。ちょっと追い詰めれば求めてくれるかなって思ったんですけど、意地悪しすぎちゃいましたね。紗菜先輩も案外強情なところありますよね。堕とし甲斐があるって言うか……」
晃が約束を守ることで弊害が生じるとは思いもしなかった。全てを計算して仕組んでいたとしても不思議ではないが、やはり紗菜には非難などできなかった。
「責任取るって言いましたし、ちゃんと楽にしてあげますよ」
「きゃっ……!」
急に体を起こされたかと思えば上半身を背もたれに預ける四つん這いのような体勢にされて紗菜は慌てた。しかし、振り返る前に逃がさないと言わんばかりに強く腰が掴まれ、陰茎が蜜口に押し当てられたと気付いた瞬間には一気に押し込まれていた。
「だから、違うってばぁっ……!」
避妊具に包まれた陰茎を秘唇に擦りつけられて紗菜は身をよじる。嫌なのに、やはり体はほしくてたまらないと言うように中がきゅうきゅうと収縮するのだ。
「わかってますって。紗菜先輩、敏感だから焦らしちゃったら我慢できなくなりますよね。中途半端は体に良くないですし。チンポ、ほしいんですよね?」
「ぅうっ……!」
先端を秘芽に擦りつけられて紗菜はいやいやと首を横に振る。その熱さを、硬さを体の奥が求めていることは認めたくはないのだ。紗菜の心はそんなことを望んではいない。
彼が中途半端に終わらせたから心と体が乖離してしまった。だから、責任をとってもらうだけなのだ。自らの快楽のためではない。
「じゃあ、チンポ入れなくてもいいんですね?」
「ず、ずるい……!」
すっと陰茎が離れて、紗菜は思わず声を上げていた。体の奥が求める熱が離れてしまったことがひどくもどかしい。
まるで彼の手のひらで転がされているようだ。きっと彼にとっては全て思い通りになっているのだろう。
「紗菜先輩だってずるくないですか?」
なぜ、そんなことを言われるのか。
わからないまま紗菜は晃を見た。
ずるいのは彼だ。彼がずるいから紗菜は困っているのだ。
「チンポほしいのは悪いことじゃないですよ? 先輩が一言ほしいって言ってくれればお互いに幸せになれるのに」
触れそうで触れない場所に陰茎がある。あと少し腰を持ち上げれば触れれる距離にあるのに届かない。
ほしくはないのに、それしか体を蝕む疼きを止められないという矛盾が紗菜を苦しめる。
「腰、揺れてますよ? 我慢しなくてもいいのに」
認めたくなくて紗菜はふるふると頭を振った。
この疼きを我慢できていたら、今頃こんな風に困ってはいなかっただろう。それを仕掛けてきたのは晃である。
「ほしいくせに」
「い、意地悪……!」
責任を取ると言ったくせに今日の彼はひどく意地悪だ。これならばいっそ無理矢理犯された方がましだったのかもしれない。そうすれば紗菜は言い訳ができる。それを彼はずるいと言うのかもしれないが。
「俺、好きな子をいじめたいタイプだったんですかね? 紗菜先輩が可愛すぎるからいけないんですけど」
そうしてまた自分が悪いように言われて紗菜は不満を感じながらも何も言うことができなかった。
紗菜が知る限り彼はどうしようもない嘘吐きで、好きだと言うのも本心ではない。けれども、それ以上に彼のことを知らないのだ。
「で、ほしいんですか? ほしくないんですか?」
ぺちぺちと何度か陰茎を触れさせながら、それが最後であるように晃は問いかけてくる。
ほしくないのに、ほしい。一瞬だけ触れる硬さも熱さもどかしくてたまらない。それを言葉にしてしまったら自分の中で大切な何かが壊れてしまいそうで怖かった。
だから、答えられずに紗菜はただ涙を堪えた。今度また涙が溢れてしまえば自分を制御することができなくなりそうだったのだ。
「じゃあ、可哀想だから俺が勝手に紗菜先輩のこと慰めますね? 俺しか紗菜先輩を助けられないですもんね? だから、後で文句言わないでくださいね?」
予防線を張るような言葉は言い訳をしているようでもある。文句はあっても紗菜は言えない。それも彼はわかっているだろう。
「晃君のせいなのに……!」
「ええ、そうですね。ちょっと追い詰めれば求めてくれるかなって思ったんですけど、意地悪しすぎちゃいましたね。紗菜先輩も案外強情なところありますよね。堕とし甲斐があるって言うか……」
晃が約束を守ることで弊害が生じるとは思いもしなかった。全てを計算して仕組んでいたとしても不思議ではないが、やはり紗菜には非難などできなかった。
「責任取るって言いましたし、ちゃんと楽にしてあげますよ」
「きゃっ……!」
急に体を起こされたかと思えば上半身を背もたれに預ける四つん這いのような体勢にされて紗菜は慌てた。しかし、振り返る前に逃がさないと言わんばかりに強く腰が掴まれ、陰茎が蜜口に押し当てられたと気付いた瞬間には一気に押し込まれていた。
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