【R18】お世話した覚えのない後輩に迫られました

Nuit Blanche

文字の大きさ
41 / 42
第二章

侵食される日常 24

しおりを挟む
「ねぇ、紗菜ちゃんって呼んでもいいですか?」

 不意に晃に問われて紗菜は首を横に振る。
 年上のプライドがあるからではない。何となくぞわぞわするのだ。それを許してしまったら何かが壊れてしまうような気がしていた。

「二人っきりの時だけ……いや、エッチの時だけでもいいですから」

 懇願なのだろうか。それでも紗菜が拒否すれば晃は「残念です」と笑う。本当はさほど残念にも思っていないだろう。からかっているだけにすぎないのだ。そう紗菜がほっとしたのも束の間のことだった。

「でも、勝手にエッチしてるわけですし、勝手に呼んじゃいますね」
「え……あぁっ!」

 ズンと最奥を突き上げられて紗菜はギュッと晃にしがみつくしかなかった。そうしていなければどうにかなってしまいそうだった。

「紗菜ちゃん」
「ゃっ……だめぇっ」

 耳に吹き込まれる声に紗菜はいやいやと首を横に振る。
 すること自体は変わらないというのに、妙に耐え難いのはなぜなのか。まるで愛し合っている者同士の行為のように感じてしまうからだろうか。

「可愛いですよ、紗菜ちゃん。何か悪いことしてる感がハンパなくて興奮します」
「おっきくしちゃ、やぁっ!」

 晃の陰茎は既に紗菜の中を奥深くまでみっちりと埋めている。それなのに増した圧迫感に紗菜は震えた。

「あっ、わかりました? 紗菜ちゃんが可愛すぎるからおっきくなっちゃうんですよ?」
「ふかっ……ふかいの、やぁっ……」

 なぜ、晃は嬉しそうなのか。
 わからない内に、しがみつく腕に力が籠もる。逃れようとしても自身の重みによって突き刺さってくるのだ。

「大丈夫ですよ」

 何も大丈夫ではない。優しく頭を撫でられて紗菜は潤んだ目で晃を見上げた。そして唇が落ちてくるのをただ見ていた。

「んっ……ふ、ぁあ……ゃ、ぁふっ……」

 体を繋げながら唇までも繋げようとするかのように入り込んでくる舌を紗菜は受け止めることしかできない。
 まるで宥めるように頭を撫でられて本当に愛し合っているかのようだ。恋人ではない。彼にとっては誰にでもできることでしかないのだ。
 それなのに、口内を掻き回されるほどに紗菜の体は彼を受け入れようとしているかのようだった。

「やっぱりこの方がいいですね」
「ぁ……」

 呼吸も力も奪われるようでなすがままだった紗菜の体はそのままソファーに寝かされ、再び晃を見上げることになる。
 その目には確かな情欲が宿り、ゾクリとしたものが背筋を駆け抜けていく。

「今度はたっぷり紗菜ちゃんの中で出しますからね」
「ぁっ……」

 先程とは違い、晃の陰茎は紗菜の奥まで入り込んでいる。見せつけられた物が今度は中で吐き出される。そう考えてしまっただけで紗菜の体はブルリと震え、圧倒的な存在を感じる。
 それが晃にも伝わってしまうことを思い出したのは彼が浮かべた笑みを見てしまってからだった。

「今、中、締まりましたね。想像しちゃいました?」
「ちがっ……」

 見透かされたことが恥ずかしくて紗菜は咄嗟に否定するが、晃は聞いていないようだった。

「生でしたらきっと滅茶苦茶気持ちいいんでしょうね。紗菜ちゃんの中から俺の白いのが出てきたら……あぁ、想像しただけでたまらないです」
「ぃやぁ……」
「ははっ、大丈夫ですよ。学生の内はちゃんと避妊しますから」

 学生でなくなったら――考えて紗菜は恐ろしくなった。
 それまで彼との関係が続いているはずがない。それまでに彼は必ず飽きるはずなのだ。そうでなければ困る。

「想像すると興奮するなぁってだけです。誰かに俺の子供産んでほしいとか、今までそういうこと考えたことなかったんですけど、やっぱり紗菜ちゃんは俺にとって特別な女の子なんだと思います」
「きゃうぅっ……!」

 ゆっくりと抜き差しされながら秘芽に触れられれば、強烈な快感が体の中を駆け上る。

「紗菜ちゃんにとって俺は特別じゃないんですか? 俺じゃダメですか?」
「あぁっ……だめっ、そんな、しちゃっ、ぁあんっ!」

 問いかけているようで晃は答えを求めていなかったのかもしれない。少なくとも自分にとって不都合な答えは。
 それを物語るかのように、そこから先は言葉もなかった。


「あっあぁっ! ゃっ、もぉ……っ!」

 晃の腰の動きが速まり、グチュグチュと響く音も紗菜の声も大きくなっていた。
 苦痛よりも嫌悪感より快楽が勝ることが紗菜にとっての恐怖だった。
 けれども、晃は止まらない。容赦なく紗菜を追い込んでくるのだ。

「イっちゃいそうですか? いいですよ、一緒にイきましょう?」

 嫌だと思ってもあらがうことはできない。崖の縁に追い詰められて、ジリジリと足場が危うくなっているようだ。否定したくとも絶頂の気配は確かにそこにあり、トドメのような一突きであっさりと弾けた。

「あっ、ぁあぁんっ!」

 ぎゅっと抱き締められた体がビクビクと跳ねる。そして、晃の陰茎がドクドクと脈打つのを感じた気がした。
 避妊具は着けているものの、安心できないような気持ちになるのはなぜなのか。
 わからないまま、紗菜はただぼんやりと晃を見上げることしかできなかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子
恋愛
辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

処理中です...