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道なりに進んで行くと、周囲を背の高い木々が覆い木影が増えてきた。
足元を川と呼ぶには浅すぎる水が横切っている。靴底だけで十分に防げる水量なので、構わず水を踏みしめて先を急ぐ。
次第に辺りの気配が異なり始め、さすがのリッド殿下も違和感に動揺しているようだ。
五大元素が拮抗し空気中に霧散している。
ゲームの画面越しでは分からなかったが、肌が粟立つような今すぐにここから離れた方がいいような、そんな気配が充満しているのだ。
ぱしゃりと、水が跳ねる音がした。
眼前に光の粒をまき散らした小さな池が現れ人影が動く。
シェリナとラーセ殿下だ。
「あれ? あいつら、何やってんだ?」
リッド殿下は驚きの声を発し、そして私を一瞥する。
彼らも私たちに気付いたようだ。
先に動いたのはラーセ殿下だ。私たちは池の周りを見渡しながら彼と合流した。
「何故、お二人がここに?」
ラーセ殿下は手と素足を水に濡らした姿だ。珍しい姿に胸が高鳴ったが、そんな状況ではないので、私は顔の筋肉に力を入れて表情を引き締めた。
「この先にある野原を目指しているんだ。セチア嬢の属性石が中々見つからなくてな。お前たちこそ何をしているんだ? シェリナ嬢の属性石探し、難航しているのか?」
リッド殿下もシェリナの属性石に関しては承知済だ。彼は池の中をさらうシェリナを見つめている。
「シェリナ嬢、大丈夫か? 寒くないか?」
「はい! 大丈夫です! お気遣いありがとうございます!」
シェリナは柔らかい笑みを返し、額に張り付いた前髪を手の甲で払った。
池の周囲は木々に囲まれ、池の中心には荒く削られた大きな岩が鎮座している。そして大地には背の低い草花が生い茂っている。
確かに全ての元素を備えている景色だ。
火、以外は。
ラーセ殿下の攻略ルートでは、光と闇を併せ持つ属性石を探している最中に火の神獣に襲われる。
周囲に視線を巡らせ、それらしい姿を捜してみるが、特に誰もいない。
ゲーム中でも突然姿を現した存在だった。何処から現れるか見当もつかない。
シェリナは水の中で必死に属性石を探している。きっと大地や木々の合間など、目視で探せる場所は捜し尽くしたのだろう。
ひんやりとした風が頬を撫でていく。
水属性の者はこうやって水に濡れながら原石を探す。秋に近いこの時期、池の水は冷たいはずだ。
シェリナの水に浸かる素足は白く綺麗で、ヒロインの容姿も並々ならぬこだわりを持って創造されたことが伝わる。
胸奥をざらりとした嫌な感情が撫で、私は慌ててシェリナから目を逸らした。
「あら……?」
いつの間にか私の隣にラーセ殿下が立っている。
「殿下は寒くありませんか?」
何故かラーセ殿下はむっとした表情をこちらに向けた。
ご機嫌斜めのご様子だ。
「平気だ」
「そうですか」
どうしてだろう。
大好きな若草色の瞳を見返すことが出来ない。私はシェリナに視線を戻し彼女の周囲を眺める。
私のようなモブには稀有な力もなければ、素敵な物語も用意されていない。この場に現れる不可視の存在など、そもそも知ることは出来ないのかもしれない。
私はリッド殿下の袖を引いた。
「そろそろ先を急ぎませんか?」
「あ、そうだな。ラーセ、シェリナ嬢。無理はするなよ」
ラーセ殿下は小さく礼をして、シェリナはヒロインそのものといった無邪気な動きで池の中から手を振っている。
私は目的地への小道を見やった。
「……っ!」
不意に突き刺すような視線を感じ振り返る。
シェリナの後方に赤い光が爆ぜた。
「あぶない!」
何が起きるのか知っていたのに。
どうして動いてしまったのだろう。
どん、とシェリナの体を突き飛ばし私は赤い光芒を左腕に浴びる。ばしゃりと水が大きく跳ねて、私とシェリナは池の中に倒れた。
「セチア様!」
シェリナは綺麗な顔を歪め私に縋りついた。そして池の周囲を旋回する赤い光を見つめ呟く。
「これが、火の神獣……?」
ただの赤い光の筋にしか見えない存在は、池の外周を旋回している。
私は強烈な痛みを発する腕を水の中に浸した。
爛れたブラウスの隙間から肌の状態が見え、思わず顔を背ける。痛みに喉から引き攣った呻きがもれてしまう。
「セチア様! 治療します!」
シェリナは私の腕に触れた。乳白色の光が溢れ、腕に温かい感覚が流れ込んでくる。
「どうして……私を庇ったのですか」
シェリナの声が震えている。
悲鳴のような苦しげな声音だ。
「体が勝手に動いていたの。私、瞬発力が高いのかしら」
誤魔化したつもりはなかった。
けれど、シェリナは渋面を浮かべてしまう。
池に座り込む私たちの間に赤い光芒が割り込んだ。
ぎょっとして、私とシェリナが上体をのけぞらせると、ぽんと小さな光が瞬く。
シェリナの眼前にリスのような赤い生き物が浮いている。
光が旋回していたせいで、近づくことが出来ずにいた二人の王子は慌てて池の中に駆けこんできた。
「二人とも無事か!」
リッド殿下は私とシェリナを交互に見やり、ぷかぷか浮かぶ奇妙な生き物から視線を外さない。
「これはなんだ」
彼の発言にリス? は不機嫌な声を発する。
「これ、とはなんじゃ! 相手を知りたければそちらから名乗るのが礼儀じゃろう!」
「はあ? 突然攻撃を仕掛けてくるような無礼な奴に、名乗る名などあるわけがないだろ!」
「お前たちがいつまでも人の眠りを邪魔するからじゃ!」
「どういう理屈だよ!」
リッド殿下は、赤いリスが喋っていることについては、気にならないご様子だ。
不意にラーセ殿下が私の背に触れた。
「大丈夫か?」
顔を覗き込まれて、私の心臓は忙しなく動き始める。
ラーセ殿下の眼差しは心配の色を宿していて、そんな表情をさせているのが自分である事実に心が締め付けられる。
「大丈夫ですわ。シェリナ様が治療してくださいました」
袖は焼け爛れてボロボロだが、腕には小さな傷も残っていない。
「痛みはないか?」
「はい」
ラーセ殿下は、得体の知れない赤いリスへの興味は湧かないご様子だ。
彼はそちらを全く見ずに、私だけを瞳に映している。
赤いリスはリッド殿下の前から姿を消し、シェリナの眼前に移動した。彼女はぎょっとした表情を浮かべ、赤いリスを見つめ返す。
「癒しの能力を持つということは、相反する属性持ちだな? なるほど。この時期になると人間の子らは石を探しに、この山にやってきていたな」
「あの、あなた様のお名前を伺ってもよろしいですか?」
シェリナは手を胸の前で組み、祈るような姿で恭しく問う。
「我はヘイズ。五神獣が一柱、属するは火」
「火の神獣……」
「我はたまに産まれる子の為、長き時を使い、ここで石を作っておる。火を司る我にしか出来ぬからな。ほれ、そなたの物だ」
シェリナの手の平に、ぽとりと小さな原石が落ちた。
「今まで生きづらかったろう」
火の神獣ヘイズは、くりくりした黒い瞳でシェリナを見つめる。労わりの言葉には僅かな同情も見えた。
「魔法石に精製し、常に身に着けておけ。さすれば、そなたの体内に宿る異なる属性の傾きも保たれよう」
「どうして、それを……」
シェリナは続く言葉が出ないようだ。眉根を下げ、泣き出しそうな瞳をヘイズに向けている。
「我はここにおる。助言ぐらいは出来ようぞ」
ヘイズの豊かな尾がぽふんとシェリナの頭を撫で、赤い火花が散った。
赤い不可視の存在は姿を消し、池の中で呆然とする四人の姿だけがその場に残った。
足元を川と呼ぶには浅すぎる水が横切っている。靴底だけで十分に防げる水量なので、構わず水を踏みしめて先を急ぐ。
次第に辺りの気配が異なり始め、さすがのリッド殿下も違和感に動揺しているようだ。
五大元素が拮抗し空気中に霧散している。
ゲームの画面越しでは分からなかったが、肌が粟立つような今すぐにここから離れた方がいいような、そんな気配が充満しているのだ。
ぱしゃりと、水が跳ねる音がした。
眼前に光の粒をまき散らした小さな池が現れ人影が動く。
シェリナとラーセ殿下だ。
「あれ? あいつら、何やってんだ?」
リッド殿下は驚きの声を発し、そして私を一瞥する。
彼らも私たちに気付いたようだ。
先に動いたのはラーセ殿下だ。私たちは池の周りを見渡しながら彼と合流した。
「何故、お二人がここに?」
ラーセ殿下は手と素足を水に濡らした姿だ。珍しい姿に胸が高鳴ったが、そんな状況ではないので、私は顔の筋肉に力を入れて表情を引き締めた。
「この先にある野原を目指しているんだ。セチア嬢の属性石が中々見つからなくてな。お前たちこそ何をしているんだ? シェリナ嬢の属性石探し、難航しているのか?」
リッド殿下もシェリナの属性石に関しては承知済だ。彼は池の中をさらうシェリナを見つめている。
「シェリナ嬢、大丈夫か? 寒くないか?」
「はい! 大丈夫です! お気遣いありがとうございます!」
シェリナは柔らかい笑みを返し、額に張り付いた前髪を手の甲で払った。
池の周囲は木々に囲まれ、池の中心には荒く削られた大きな岩が鎮座している。そして大地には背の低い草花が生い茂っている。
確かに全ての元素を備えている景色だ。
火、以外は。
ラーセ殿下の攻略ルートでは、光と闇を併せ持つ属性石を探している最中に火の神獣に襲われる。
周囲に視線を巡らせ、それらしい姿を捜してみるが、特に誰もいない。
ゲーム中でも突然姿を現した存在だった。何処から現れるか見当もつかない。
シェリナは水の中で必死に属性石を探している。きっと大地や木々の合間など、目視で探せる場所は捜し尽くしたのだろう。
ひんやりとした風が頬を撫でていく。
水属性の者はこうやって水に濡れながら原石を探す。秋に近いこの時期、池の水は冷たいはずだ。
シェリナの水に浸かる素足は白く綺麗で、ヒロインの容姿も並々ならぬこだわりを持って創造されたことが伝わる。
胸奥をざらりとした嫌な感情が撫で、私は慌ててシェリナから目を逸らした。
「あら……?」
いつの間にか私の隣にラーセ殿下が立っている。
「殿下は寒くありませんか?」
何故かラーセ殿下はむっとした表情をこちらに向けた。
ご機嫌斜めのご様子だ。
「平気だ」
「そうですか」
どうしてだろう。
大好きな若草色の瞳を見返すことが出来ない。私はシェリナに視線を戻し彼女の周囲を眺める。
私のようなモブには稀有な力もなければ、素敵な物語も用意されていない。この場に現れる不可視の存在など、そもそも知ることは出来ないのかもしれない。
私はリッド殿下の袖を引いた。
「そろそろ先を急ぎませんか?」
「あ、そうだな。ラーセ、シェリナ嬢。無理はするなよ」
ラーセ殿下は小さく礼をして、シェリナはヒロインそのものといった無邪気な動きで池の中から手を振っている。
私は目的地への小道を見やった。
「……っ!」
不意に突き刺すような視線を感じ振り返る。
シェリナの後方に赤い光が爆ぜた。
「あぶない!」
何が起きるのか知っていたのに。
どうして動いてしまったのだろう。
どん、とシェリナの体を突き飛ばし私は赤い光芒を左腕に浴びる。ばしゃりと水が大きく跳ねて、私とシェリナは池の中に倒れた。
「セチア様!」
シェリナは綺麗な顔を歪め私に縋りついた。そして池の周囲を旋回する赤い光を見つめ呟く。
「これが、火の神獣……?」
ただの赤い光の筋にしか見えない存在は、池の外周を旋回している。
私は強烈な痛みを発する腕を水の中に浸した。
爛れたブラウスの隙間から肌の状態が見え、思わず顔を背ける。痛みに喉から引き攣った呻きがもれてしまう。
「セチア様! 治療します!」
シェリナは私の腕に触れた。乳白色の光が溢れ、腕に温かい感覚が流れ込んでくる。
「どうして……私を庇ったのですか」
シェリナの声が震えている。
悲鳴のような苦しげな声音だ。
「体が勝手に動いていたの。私、瞬発力が高いのかしら」
誤魔化したつもりはなかった。
けれど、シェリナは渋面を浮かべてしまう。
池に座り込む私たちの間に赤い光芒が割り込んだ。
ぎょっとして、私とシェリナが上体をのけぞらせると、ぽんと小さな光が瞬く。
シェリナの眼前にリスのような赤い生き物が浮いている。
光が旋回していたせいで、近づくことが出来ずにいた二人の王子は慌てて池の中に駆けこんできた。
「二人とも無事か!」
リッド殿下は私とシェリナを交互に見やり、ぷかぷか浮かぶ奇妙な生き物から視線を外さない。
「これはなんだ」
彼の発言にリス? は不機嫌な声を発する。
「これ、とはなんじゃ! 相手を知りたければそちらから名乗るのが礼儀じゃろう!」
「はあ? 突然攻撃を仕掛けてくるような無礼な奴に、名乗る名などあるわけがないだろ!」
「お前たちがいつまでも人の眠りを邪魔するからじゃ!」
「どういう理屈だよ!」
リッド殿下は、赤いリスが喋っていることについては、気にならないご様子だ。
不意にラーセ殿下が私の背に触れた。
「大丈夫か?」
顔を覗き込まれて、私の心臓は忙しなく動き始める。
ラーセ殿下の眼差しは心配の色を宿していて、そんな表情をさせているのが自分である事実に心が締め付けられる。
「大丈夫ですわ。シェリナ様が治療してくださいました」
袖は焼け爛れてボロボロだが、腕には小さな傷も残っていない。
「痛みはないか?」
「はい」
ラーセ殿下は、得体の知れない赤いリスへの興味は湧かないご様子だ。
彼はそちらを全く見ずに、私だけを瞳に映している。
赤いリスはリッド殿下の前から姿を消し、シェリナの眼前に移動した。彼女はぎょっとした表情を浮かべ、赤いリスを見つめ返す。
「癒しの能力を持つということは、相反する属性持ちだな? なるほど。この時期になると人間の子らは石を探しに、この山にやってきていたな」
「あの、あなた様のお名前を伺ってもよろしいですか?」
シェリナは手を胸の前で組み、祈るような姿で恭しく問う。
「我はヘイズ。五神獣が一柱、属するは火」
「火の神獣……」
「我はたまに産まれる子の為、長き時を使い、ここで石を作っておる。火を司る我にしか出来ぬからな。ほれ、そなたの物だ」
シェリナの手の平に、ぽとりと小さな原石が落ちた。
「今まで生きづらかったろう」
火の神獣ヘイズは、くりくりした黒い瞳でシェリナを見つめる。労わりの言葉には僅かな同情も見えた。
「魔法石に精製し、常に身に着けておけ。さすれば、そなたの体内に宿る異なる属性の傾きも保たれよう」
「どうして、それを……」
シェリナは続く言葉が出ないようだ。眉根を下げ、泣き出しそうな瞳をヘイズに向けている。
「我はここにおる。助言ぐらいは出来ようぞ」
ヘイズの豊かな尾がぽふんとシェリナの頭を撫で、赤い火花が散った。
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