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七空間目
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しおりを挟む「…………」
お湯に浸かったまま、背後で抱き締められている俺と。俺の内腿や腹の肉を揉んだり触ったりして、抱き締めている神田さん。
「(もういっそ、殺してくれ)」
うなじに、チュッチュッされる感覚と音を聞きながら、俺は切に願った。
「………」
何が悲しくて、先程までセックスした(付き合ってもいない)男と、イチャコラしながら風呂に入らねばならんのだ。これではまるで、俺と神田さんが恋人同士のようじゃないか。
「……はぁ」
俺の尻たぶの間で徐々に硬さを増してきている神田さんの熱を感じながら、俺は深い溜息を吐いた。だけど最中に自分から強請った記憶もあるため、強く抵抗できない。どうせなら、記憶も跡形もなく忘れてしまえればいいのに。
「(つーか、この人、絶倫過ぎるだろ!)」
人間の性欲じゃねえよ、これっ。さっき俺の体内で、どれだけの欲を撒き散らしたと思っているんだ。
絶対ライオンとか、兎なみの性欲だろ。
「……あのぉ…」
「………何だよ?」
やっと終わったと思っていた、激しすぎる性行為。だが再び、俺に触れる手や、唇が、全て度を越してきている。
俺の内腿を掴む手付きは、いやらしいし。脚を広げて、緩く腰を振って押し付けてきているし。何より、うなじに吸い付いてくる際に感じる、吐息が熱っぽくて荒い。
「お、俺、疲れたから、ベッドで眠りたいなあ、って」
「………」
「眠ったら……ダメ、ですか?」
男らしく逞しい胸板。
羨ましくも、嫉ましくも感じながら、その広く硬い胸板に甘えるように、わざと後頭部をグリグリと押し付けて、神田さんの方を振り返れば。
「…っ、分かったよ」
「ほ、本当ですか?」
「ああ。無理して悪かったな。後は処理しておくから、寝てろ」
「はい」
神田さんは、意外とあっけなく俺を解放してくれた。
「(結構、甘いんだよなあ)」
従順な態度を取って神田さんの好みの態度を取れば、案外扱いやすい人なのかも。
そんなことを思いながら、俺はソッと目を閉じたのだった。
次の日。
目が覚めると、俺の分の朝食と昼食と夕食がテーブルに置かれていた。
「(いったい、俺は何時間眠っていたんだ)」
というよりも、いつ神田さんから解放されたんだろう。昨日は前回のことがあったからか、誰も助けに来てくれなかったし。これって此処の職員の人達には、俺達のただならぬ関係(セフレ?)が知られているということか?
「………何それ、死にたい」
ハァと深い溜息を吐きながら、薄い掛け布団をどかして身体を起こす。
そうすれば。
「……ん、起きたか?」
切った爪先に息を吹き掛けている神田さんに声を掛けられた。
「水飲むか?」
「は、はい…」
「ほらよ」
「…ありがとう、ございます」
冷たいミネラルウォーター。昨日何時間も泣き叫んでいたせいで声が掠れて痛んでいたので、この気遣いは正直有難かった。……とはいえ、その原因を作ったのは、紛れもなくこの人なんだけどね。
「…………」
「…………」
「…………」
…だけど。
昨日は自分からも、おもいっきり強請った記憶があるため、強く責めることは出来ない。できることならば、この腐りきった記憶が消えていれば良かったのに…。現実は、厳しい。
つーか、なんだよ。
「みさくら語で神田さんをドン引きさせよう!おー!」なんて作戦を立てた、あの時の俺馬鹿じゃないの。変態の神田さんが、あれで引くわけがないんだよな。あの時の神田さん、めちゃくちゃハッスルしてたじゃん。
俺は、策に溺れたというわけか。
「あ、あの」
「…なんだ?」
「いえ、何でそんな丹念に爪を切っているのかなぁって思って」
さっきからずっと気になっていた。芸能人たるもの、歯だけではなくて、爪も大事ということか?だけど今まで一緒に過ごした中で、こんなに丹念に爪の手入れをしている神田さんを見たことはない。
「…俺は爪なんて、伸びた時に適当に切ってるだけですよ」
「ふーん。切ってやろうか?」
「え、っ?……怖いから、遠慮します」
「あ゛?」
「い、いえっ、じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかなー」
怒られるより先に媚びる様にそう言えば、神田さんは満足そうに鼻で笑った。
「最初から素直に言えばいいんだよ」
「……(解せぬ)」
「そのまま座ってろ」
「…はい」
未だに布団の上に居る俺。神田さんは一応俺の身体を気遣っているようで、俺を一歩も動かすことなく、爪を切る準備をしてくれた。
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