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「お前が悪いんだよ、バカ王子」
「事の発端は貴方ですからね」
「エリス様を泣かせた罪は重いです」
「とりあえずストレス発散させていただきます!殿下」
「最後!おまっ!最後トンチン!仮にも貴様は私の護衛……ぐへらほぁっ」
「ふえぇ………?」
泣いていたらミニ殿下がみんなにボコボコにされていて訳がわからない。何故か意気消沈していたトンチン様も加わっていて、やっぱりわけがわからない。トンチン様、貴方ミニ殿下の側近であり、護衛のひとりでしたよね?護るどころか暴行に加わっていいの?
「うーん……うるさいです。わあ、殿下ぼろぼろだぁ……せっかくだし足が痺れる魔術を……」
なんて思考していれば、ふと呑気な声が聞こえて目を向けるとようやく起きたキョーモ様が何やらしている様子が……
「ぎゃあぁっ!足が、しびれれ……っいたっ動かすなっ!いた、あししししぃぃ!」
……確実に何かしたのだろう。ミニ殿下がまるで海から陸にあげられた魚のようにびたんびたんとのたうち回りながら殴られ、蹴られ……とひどい有り様に。なんでこうなってるんだろう?
よくわからない状況に涙は止まっていて、誰も助けない様子に私はこのまま見ていていいのかすらわからない。
「エリス様が泣き止んでいる!」
ふとルーン様がかっと目を見開いて私を見るものだからびくりとして止まった涙が再び溢れそうになる。
「ま、また泣きかけてます。こ、このまま殿下にお仕置きしなければ再び……」
お兄様がルーン様の言葉に反応してちらりと私を見れば、何故か焦ったように言いのけ、ミニ殿下を蹴るスピードがあがった。
「もういっそ瓶で殴り付けるのはどうでしょう!?」
「そ、それは死ぬから!死ぬから!」
そしてひらめいたとばかりに言うルルー様にミニ殿下は必死に止めようとするが、足がうまく動かせないのか殴られるがまま、蹴られるがままで言葉以外に出るものはなく逃げる様子もない。
「任せろ!瓶と何か鈍器になるものを持ってくる!」
「き、貴様は、いい加減仕事をしろ!私を守れ……うぐぅっ」
何故かミニ殿下を葬る方向でヤル気満々なトンチンに怒るミニ殿下だが、トンチン様は何を考えているのか本当に探しにいってしまった。おバカではあってもミニ殿下への忠誠だけは一番あった気がするのにそれをなくしてしまうなんて意気消沈した理由もそうだが、何があったというのか。
「そそそれぐらいにしてあげてくださぁあぁぁい!」
そんなことを考えていればそんなミニ殿下を助ける声が。それは気絶していたドノクチ様である。綺麗な土下座で全力お願いとばかりに叫んでいた。土下座しながらガクガクブルブル震えるドノクチ様の勇気は称えてあげたい。
私には到底真似できないもの。
「事の発端は貴方ですからね」
「エリス様を泣かせた罪は重いです」
「とりあえずストレス発散させていただきます!殿下」
「最後!おまっ!最後トンチン!仮にも貴様は私の護衛……ぐへらほぁっ」
「ふえぇ………?」
泣いていたらミニ殿下がみんなにボコボコにされていて訳がわからない。何故か意気消沈していたトンチン様も加わっていて、やっぱりわけがわからない。トンチン様、貴方ミニ殿下の側近であり、護衛のひとりでしたよね?護るどころか暴行に加わっていいの?
「うーん……うるさいです。わあ、殿下ぼろぼろだぁ……せっかくだし足が痺れる魔術を……」
なんて思考していれば、ふと呑気な声が聞こえて目を向けるとようやく起きたキョーモ様が何やらしている様子が……
「ぎゃあぁっ!足が、しびれれ……っいたっ動かすなっ!いた、あししししぃぃ!」
……確実に何かしたのだろう。ミニ殿下がまるで海から陸にあげられた魚のようにびたんびたんとのたうち回りながら殴られ、蹴られ……とひどい有り様に。なんでこうなってるんだろう?
よくわからない状況に涙は止まっていて、誰も助けない様子に私はこのまま見ていていいのかすらわからない。
「エリス様が泣き止んでいる!」
ふとルーン様がかっと目を見開いて私を見るものだからびくりとして止まった涙が再び溢れそうになる。
「ま、また泣きかけてます。こ、このまま殿下にお仕置きしなければ再び……」
お兄様がルーン様の言葉に反応してちらりと私を見れば、何故か焦ったように言いのけ、ミニ殿下を蹴るスピードがあがった。
「もういっそ瓶で殴り付けるのはどうでしょう!?」
「そ、それは死ぬから!死ぬから!」
そしてひらめいたとばかりに言うルルー様にミニ殿下は必死に止めようとするが、足がうまく動かせないのか殴られるがまま、蹴られるがままで言葉以外に出るものはなく逃げる様子もない。
「任せろ!瓶と何か鈍器になるものを持ってくる!」
「き、貴様は、いい加減仕事をしろ!私を守れ……うぐぅっ」
何故かミニ殿下を葬る方向でヤル気満々なトンチンに怒るミニ殿下だが、トンチン様は何を考えているのか本当に探しにいってしまった。おバカではあってもミニ殿下への忠誠だけは一番あった気がするのにそれをなくしてしまうなんて意気消沈した理由もそうだが、何があったというのか。
「そそそれぐらいにしてあげてくださぁあぁぁい!」
そんなことを考えていればそんなミニ殿下を助ける声が。それは気絶していたドノクチ様である。綺麗な土下座で全力お願いとばかりに叫んでいた。土下座しながらガクガクブルブル震えるドノクチ様の勇気は称えてあげたい。
私には到底真似できないもの。
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