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4章(真面目版)悪役令嬢の知らない想いと記憶~アムール(ロイエ)編~
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「私はあの子に合わす顔がなくて………っ」
睨み付けるティアに後ずさりながらも最初に息を飲んで話し出したのはレヴェリーの母親。自分を責めるように腕を組んで自分の二の腕を爪を立てるようにして手で強く握る。
その言葉と仕草にティアはより目付きが強張る。それに対してびくりと肩を揺らすのはホープ侯爵夫人だけじゃなく、僕や父たちすらも一歩ティアから反射的に退いた。
「なら、最後まで顔を見せるな!」
もはやティアは丁寧な口調すら忘れて怒りを見せる。そんなティアに負けじと侯爵夫人がティアと向き合い、震える声で口を開けた。
「わ、私はレヴェリーの母親です!何もできなかったからこそ最後くらいは………」
「ふざけるな!何もできなかった?何もしなかっただけでしょ!?この男と同じ逃げただけじゃない!レヴェリー様がお前にそう頼んだの?そう願ったの?勝手な自己満足で何もしなかった血の繋がっただけの人がレヴェリー様の母親面をしないで!」
僕にまで攻撃が来た。ぐさりと心に矢が刺さるが反論などできるはずもない。もう名前すら呼ぶに値しないとばかりにティアがズバズバと言っていく。言われている張本人である侯爵夫人の顔は真っ青だ。
「それくらいに………」
そう侯爵夫人を庇おうと前に出たのはホープ侯爵。結果が見えている気がするが、僕にティアは止められそうにはない。
「女々しいなよなよした男がしゃしゃりでないでくれる?父親面したいなら男受けしそうなその顔から出直しなさい!どうせレヴェリー様と向き合うことすらできなかった第二号でしょ!」
何か言うことすらできなかった侯爵の憐れさ。正直父のことがあるし、その通りだろうからこれまた反論できない。女の勘というやつだろうか?正直侯爵はただのおじさんにしか…………余計なこと考えてる余裕あるのかとばかりにティアに睨まれた。
無意識に恐怖から逃げようとしたのかもしれない。僕はどこまでも情けない。ティアを見ていると余計にそう感じてしまう。
「レヴェリー………ごめんなさい、ごめんね………っ」
崩れ落ちるように座り込む侯爵夫人は今にも涙を流しそうに謝罪を繰り返す。そしてそれを見たティアは侯爵夫人の胸ぐらを躊躇うことなく掴んだ。
「貴女に、私たちにレヴェリー様を想って泣く資格はない。泣きたいと思うなら最初からレヴェリー様を自分の悲劇に巻き込まなければよかったのよ!余命なんて気にならないくらい幸せにしてやればよかったのよ!自分だけが辛い思いをしたと思わないで!レヴェリー様がどれだけ泣くのを我慢してきたと思うの?思わず泣いた日もあったかもしれないけど、貴方たちみたいな安い涙じゃない!レヴェリー様を想って泣くならひとりで泣け!レヴェリー様の前で泣く気なら私が貴女を泣かす!レヴェリー様を想った今更の涙なんて流させてやらないんだから!」
「……………っ」
どこまでもレヴェリーを想う気持ちに誰もティアを止めはしなかったし、咎めもしなかった。しばらくしてティアは冷静になったようで落ち着いた表情で僕ら全員を見て言った。
「私は貴方方に謝りません。私が言えた言葉ではないことも理解しているし、自分に向けた言葉もありますから。それと関係ない私をレヴェリー様が亡くなるそのときまでいさせていただけたことに感謝いたします。結局私も自己満足のためにレヴェリー様の最後を共にいたかっただけかもしれませんが」
そう自分を責めるように最後に言葉を言って、ティアは去る。僕たちはそんなティアに誰ひとり何も言えることはなかった。そしてその後、ティアとはそれから学園で会っても話すことはなかった。まるで出会う前のときのように。
睨み付けるティアに後ずさりながらも最初に息を飲んで話し出したのはレヴェリーの母親。自分を責めるように腕を組んで自分の二の腕を爪を立てるようにして手で強く握る。
その言葉と仕草にティアはより目付きが強張る。それに対してびくりと肩を揺らすのはホープ侯爵夫人だけじゃなく、僕や父たちすらも一歩ティアから反射的に退いた。
「なら、最後まで顔を見せるな!」
もはやティアは丁寧な口調すら忘れて怒りを見せる。そんなティアに負けじと侯爵夫人がティアと向き合い、震える声で口を開けた。
「わ、私はレヴェリーの母親です!何もできなかったからこそ最後くらいは………」
「ふざけるな!何もできなかった?何もしなかっただけでしょ!?この男と同じ逃げただけじゃない!レヴェリー様がお前にそう頼んだの?そう願ったの?勝手な自己満足で何もしなかった血の繋がっただけの人がレヴェリー様の母親面をしないで!」
僕にまで攻撃が来た。ぐさりと心に矢が刺さるが反論などできるはずもない。もう名前すら呼ぶに値しないとばかりにティアがズバズバと言っていく。言われている張本人である侯爵夫人の顔は真っ青だ。
「それくらいに………」
そう侯爵夫人を庇おうと前に出たのはホープ侯爵。結果が見えている気がするが、僕にティアは止められそうにはない。
「女々しいなよなよした男がしゃしゃりでないでくれる?父親面したいなら男受けしそうなその顔から出直しなさい!どうせレヴェリー様と向き合うことすらできなかった第二号でしょ!」
何か言うことすらできなかった侯爵の憐れさ。正直父のことがあるし、その通りだろうからこれまた反論できない。女の勘というやつだろうか?正直侯爵はただのおじさんにしか…………余計なこと考えてる余裕あるのかとばかりにティアに睨まれた。
無意識に恐怖から逃げようとしたのかもしれない。僕はどこまでも情けない。ティアを見ていると余計にそう感じてしまう。
「レヴェリー………ごめんなさい、ごめんね………っ」
崩れ落ちるように座り込む侯爵夫人は今にも涙を流しそうに謝罪を繰り返す。そしてそれを見たティアは侯爵夫人の胸ぐらを躊躇うことなく掴んだ。
「貴女に、私たちにレヴェリー様を想って泣く資格はない。泣きたいと思うなら最初からレヴェリー様を自分の悲劇に巻き込まなければよかったのよ!余命なんて気にならないくらい幸せにしてやればよかったのよ!自分だけが辛い思いをしたと思わないで!レヴェリー様がどれだけ泣くのを我慢してきたと思うの?思わず泣いた日もあったかもしれないけど、貴方たちみたいな安い涙じゃない!レヴェリー様を想って泣くならひとりで泣け!レヴェリー様の前で泣く気なら私が貴女を泣かす!レヴェリー様を想った今更の涙なんて流させてやらないんだから!」
「……………っ」
どこまでもレヴェリーを想う気持ちに誰もティアを止めはしなかったし、咎めもしなかった。しばらくしてティアは冷静になったようで落ち着いた表情で僕ら全員を見て言った。
「私は貴方方に謝りません。私が言えた言葉ではないことも理解しているし、自分に向けた言葉もありますから。それと関係ない私をレヴェリー様が亡くなるそのときまでいさせていただけたことに感謝いたします。結局私も自己満足のためにレヴェリー様の最後を共にいたかっただけかもしれませんが」
そう自分を責めるように最後に言葉を言って、ティアは去る。僕たちはそんなティアに誰ひとり何も言えることはなかった。そしてその後、ティアとはそれから学園で会っても話すことはなかった。まるで出会う前のときのように。
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