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4章
夫婦生活の恋模様?8
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「美世ちゃん?どうかした?」
「・・・」
「美世、まさかまた体調が・・・」
「美世ちゃん!」
「えっあ、何かしら?」
ついわからないこの感じに気を取られ意識がどこかへ行ってしまっていたようだ。二人があの変な顔をした時雨と一緒で心配する時の顔をしている。
「大丈夫?」
「まだ調子が悪いようなら時雨様を呼んで家で休んだ方がよろしいのでは?」
「い、いえ、そうじゃないの。ただ、二人が二人だけで話す姿を見てると変な気持ちになって・・・」
思わず胸に手をやって服を握れば、瑠璃がはっとしたように目を見開く。結愛もどこから出したのか扇子を広げて、口許を隠すと目元が緩んだ気がした。
「美世ちゃん、寂しかったの?」
「え?」
さび・・・しい?
「あまり表情が顔に出ない方だと思ったけれど、そんな寂しそうにされては変な気持ちが何なのかすぐ推察できますわよ」
「私が寂しい・・・?でも、二人もいるのに?」
「うーん、いつも家族か私としか話してこなかったから急に新たな友達が来たことで私がとられたと思ったのかな?」
「で、でも、結愛も私の友達だわ!」
「そうね。嬉しい言葉ですわ・・・でもね、まだ私たちは互いを知らないの。だからこそ、私と瑠璃ばかり話してしまって、貴女をよく知る瑠璃が離れたように感じたのかもしれないわ」
「ごめん、不安にさせちゃったね」
「ふ、不安なんて・・・」
「全く、私のお友達は随分可愛らしい子だこと」
「でしょ?」
私、からかわれていないかしら?でもなんだか心が軽くなった気がした。私は不安で寂しくなっちゃってたのだと理解する。私の気持ちを読み取って教えてくれる二人に寧ろ私の心はぽかぽかした。
これは知ってる。幸せだ。
「私、二人のおかげで幸せだわ」
なんでかはわからないけど、二人のおかげで幸せな気持ちになれたのはわかる。表情を動かせているだろうか、気持ちだけでなく、表情でもそれを伝えたいと私は思った。
「私も美世ちゃんのおかげで幸せだよ」
「私も美世のおかげで幸せね」
「私は何もしてないわ」
「私とずっと友達でいてくれてる」
「私も実はこんな風に気軽に話せる友達は初めてなの。周囲は上辺だらけの友人だったから・・・友達になってくれて感謝しかないわ」
「そんな、感謝するのも、ずっといてくれるのも・・・」
どちらも私のおかげで幸せな気持ちになれたとは思わなかった。寧ろ私の方こそ二人に友達になってもらって感謝すべきだ。ずっと友人でいてくれるのは瑠璃の方でもある。
だから、友人でいてくれる二人のおかげで幸せなのは私の方だ。そうとしか思えない。だって私なんか・・・。
「美世ちゃん」
思考に沈みそうな私を止めるかのように呼ばれた私の名前。瑠璃は穏やかな笑みを浮かべている。それを見て浮かびかけた過去の記憶は消えた。私は何を考えようとしていたのか。無意識すぎてわからなくなった。
「美世ちゃんだから私は一緒にいて幸せに思えるんだよ」
「出会いなどはともかく、今の私は美世と、もちろん瑠璃とも友達になれてよかったと思っているわ。貴女がバカなことを考えて、反省して謝って、私の言う通り、友達になりたいことをお願いすることでなった未来の今よ。貴女だから瑠璃も協力してくれたの。自分に自信を持ちなさい。貴女は堂々としている方が似合うわよ」
「ストーカーとはいえ、ハイスペックそうな時雨さんに惚れられたんだからね!自信持っていいよ!結愛の言う通りに!」
「時雨様も聞いているでしょう?今日は私が送りますから、帰ったらいい加減ヘタれてないで、早く美世ちゃんを惚れさせなさいませ。私たちではできない女の幸せを教えられるのは貴方だけなのですよ。脈がありながら何故ここでヘタれるのか理解に苦しみますわ」
急に時雨の話に戻るどころか、時雨に話しかけるように話す結愛。私はすっかり忘れていた。監視のことを。
相談なんてしたところで筒抜け。なぜ、知っていたはずのことを私は忘れていたのか。時雨を気にしすぎて、冷静になれなかった結果だ。
「美世ちゃん、美世ちゃんは美世ちゃんパパ以外男の人を知らなかったから、時雨さんと接して、男と意識し始めたことで落ち着かなくなるんだと思うよ。今更なんでとは思うだろうけど、女は自分に気のある男を意識するものなんだから、落ち着かないのも当たり前なことだけ伝えておくね」
男として意識・・・?なんだかどこかで聞いたような?まあどちらにしろ、落ち着かない理由はわかった。まだ何故それで落ち着かなくなるのかはわからないけど、それは時雨に教えてもらえということかもしれない。もしくは、自分で考える。
結局その後、有言実行の如く、結愛の呼んだ車で送られ、帰れば、時雨が食卓の椅子に座って複雑そうな表情で、帰ってきた私に、無言のままこちらに顔を向けるのだった。私はこういうときどのように対処すべきかしら?
とりあえず対面する形で、食卓の椅子に座ることにした。
「・・・」
「美世、まさかまた体調が・・・」
「美世ちゃん!」
「えっあ、何かしら?」
ついわからないこの感じに気を取られ意識がどこかへ行ってしまっていたようだ。二人があの変な顔をした時雨と一緒で心配する時の顔をしている。
「大丈夫?」
「まだ調子が悪いようなら時雨様を呼んで家で休んだ方がよろしいのでは?」
「い、いえ、そうじゃないの。ただ、二人が二人だけで話す姿を見てると変な気持ちになって・・・」
思わず胸に手をやって服を握れば、瑠璃がはっとしたように目を見開く。結愛もどこから出したのか扇子を広げて、口許を隠すと目元が緩んだ気がした。
「美世ちゃん、寂しかったの?」
「え?」
さび・・・しい?
「あまり表情が顔に出ない方だと思ったけれど、そんな寂しそうにされては変な気持ちが何なのかすぐ推察できますわよ」
「私が寂しい・・・?でも、二人もいるのに?」
「うーん、いつも家族か私としか話してこなかったから急に新たな友達が来たことで私がとられたと思ったのかな?」
「で、でも、結愛も私の友達だわ!」
「そうね。嬉しい言葉ですわ・・・でもね、まだ私たちは互いを知らないの。だからこそ、私と瑠璃ばかり話してしまって、貴女をよく知る瑠璃が離れたように感じたのかもしれないわ」
「ごめん、不安にさせちゃったね」
「ふ、不安なんて・・・」
「全く、私のお友達は随分可愛らしい子だこと」
「でしょ?」
私、からかわれていないかしら?でもなんだか心が軽くなった気がした。私は不安で寂しくなっちゃってたのだと理解する。私の気持ちを読み取って教えてくれる二人に寧ろ私の心はぽかぽかした。
これは知ってる。幸せだ。
「私、二人のおかげで幸せだわ」
なんでかはわからないけど、二人のおかげで幸せな気持ちになれたのはわかる。表情を動かせているだろうか、気持ちだけでなく、表情でもそれを伝えたいと私は思った。
「私も美世ちゃんのおかげで幸せだよ」
「私も美世のおかげで幸せね」
「私は何もしてないわ」
「私とずっと友達でいてくれてる」
「私も実はこんな風に気軽に話せる友達は初めてなの。周囲は上辺だらけの友人だったから・・・友達になってくれて感謝しかないわ」
「そんな、感謝するのも、ずっといてくれるのも・・・」
どちらも私のおかげで幸せな気持ちになれたとは思わなかった。寧ろ私の方こそ二人に友達になってもらって感謝すべきだ。ずっと友人でいてくれるのは瑠璃の方でもある。
だから、友人でいてくれる二人のおかげで幸せなのは私の方だ。そうとしか思えない。だって私なんか・・・。
「美世ちゃん」
思考に沈みそうな私を止めるかのように呼ばれた私の名前。瑠璃は穏やかな笑みを浮かべている。それを見て浮かびかけた過去の記憶は消えた。私は何を考えようとしていたのか。無意識すぎてわからなくなった。
「美世ちゃんだから私は一緒にいて幸せに思えるんだよ」
「出会いなどはともかく、今の私は美世と、もちろん瑠璃とも友達になれてよかったと思っているわ。貴女がバカなことを考えて、反省して謝って、私の言う通り、友達になりたいことをお願いすることでなった未来の今よ。貴女だから瑠璃も協力してくれたの。自分に自信を持ちなさい。貴女は堂々としている方が似合うわよ」
「ストーカーとはいえ、ハイスペックそうな時雨さんに惚れられたんだからね!自信持っていいよ!結愛の言う通りに!」
「時雨様も聞いているでしょう?今日は私が送りますから、帰ったらいい加減ヘタれてないで、早く美世ちゃんを惚れさせなさいませ。私たちではできない女の幸せを教えられるのは貴方だけなのですよ。脈がありながら何故ここでヘタれるのか理解に苦しみますわ」
急に時雨の話に戻るどころか、時雨に話しかけるように話す結愛。私はすっかり忘れていた。監視のことを。
相談なんてしたところで筒抜け。なぜ、知っていたはずのことを私は忘れていたのか。時雨を気にしすぎて、冷静になれなかった結果だ。
「美世ちゃん、美世ちゃんは美世ちゃんパパ以外男の人を知らなかったから、時雨さんと接して、男と意識し始めたことで落ち着かなくなるんだと思うよ。今更なんでとは思うだろうけど、女は自分に気のある男を意識するものなんだから、落ち着かないのも当たり前なことだけ伝えておくね」
男として意識・・・?なんだかどこかで聞いたような?まあどちらにしろ、落ち着かない理由はわかった。まだ何故それで落ち着かなくなるのかはわからないけど、それは時雨に教えてもらえということかもしれない。もしくは、自分で考える。
結局その後、有言実行の如く、結愛の呼んだ車で送られ、帰れば、時雨が食卓の椅子に座って複雑そうな表情で、帰ってきた私に、無言のままこちらに顔を向けるのだった。私はこういうときどのように対処すべきかしら?
とりあえず対面する形で、食卓の椅子に座ることにした。
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