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1章ー幼少期ー
11~エリーナ視点~
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私は毎日同じような悪夢を見る。箱のような何かに映った私がひとりの女性にいじわるをして、この度にキリアス様が庇って………最後にはキリアス様に婚約破棄をされて、キリアス様は隣に女性に婚約を申し込む夢。たかが夢、なのにどうしてもそれが私の未来のように思えてならない。
何かの予言のようで怖くて怖くて私は毎日泣きながら朝を迎えて、泣きながら夜に眠る生活を繰り返している。水分不足にならないよう飲み物は人一倍飲みながら。泣きすぎて喉の痛みが悪化しないように喉に優しい飲み物もかかさない。
そんな周りの優しさに甘えながらも鮮明になっていく夢に涙は止まることを知らない。
箱のようなものに映るキリアス様は物語のヒーローで、私がいじめ、最後にはキリアス様に婚約を申し込まれる女性は物語でいうヒロイン。私はその二人を邪魔する悪役のような存在。
見れば見るほどリアルで、ついにヒロインの名前がリリアーヌ・ミューズと知る。私は起きてすぐ調べた。この名前が見つからなければ結局は夢だと。男爵家の娘という情報は以前に夢で知っていたため男爵家にまずミューズ家があるかどうかから調べることになる。
結果は存在した。あの日ほど涙が止まらない日はないくらいに絶望して、翌日はキリアス様と初対面の日でもあった。キリアス様を見た瞬間、夢と違い幼くはあるが、特徴は似すぎるくらいに似ていて未来への絶望は深まるばかり。
キリアス様が私に泣かれてショックを受けているのに気づいたものの止まらなくて、こんな私嫌われても仕方ないと自分でも思うのにキリアス様は夢の大きなキリアス様と違ってとても優しかった。
私の夢を信じてくれて、そのために何かしようとしてくれているのがわかって感謝以外に言葉が出ない。なのに私はヒロインをヒロインとしたまま、見た目も本来の名前も告げられなかった。私を信じてくれるキリアス様を私も信じたいのに、その気持ちが未来への不安な気持ちに押し負けたのだろう。
でもキリアス様はそれを全く気にした様子なく、何を思ったらそうなるのかヒロインを魔女なのだと信じて疑わない様子で決めつけていた。魔女なんてそれこそ夢物語。メイドの子どもが将来自分は絵本にあるかっこいい魔法使いになるんだと言っていたようで、それを話ながら笑っていた。
平民の子供は夢と現実の区別がまだよくわからず、そうしたないものねだりの夢をよく持つのだとか。さっきの話のように魔法がないのに魔法使いになるだとか、光輝く喋る聖剣なんてないのにそれを探しにいくんだとか、いない魔王を倒して勇者になるなんてこともあるらしい。
貴族は教育が早いため大抵そんな夢物語は夢だと理解し、ちゃんとした未来を考えている。だからこそキリアス様が魔女なんてものを信じていることに驚きを隠せなかった。それだけにキリアス様はとても純粋な方なのだと思う。王族の教育となると他の貴族とは育て方が違うのかもしれない。
だからこそ翌日どんな話をされるのかと思っていれば、私はその日の内に軽度の脱水症状で寝込み、約束はなしとなった。少し残念に思いながらも悪夢を見たくなくて眠れずにいる。本当ならキリアス様と会っていた時間を悪夢に塗り替えたくなかった。
そんな気持ちが届いたのだろうか?
「エリーナ、だいじょうぶですか?」
幼い男の子の声の方に振り向くとそこにはキリアス様がいた。悪夢ではなく、現実に存在するキリアス様が。昨日の今日なのにその姿を酷く安心感を覚えるのは何故だろう?溢れ出る涙は今日ばかりは温かかった。
何かの予言のようで怖くて怖くて私は毎日泣きながら朝を迎えて、泣きながら夜に眠る生活を繰り返している。水分不足にならないよう飲み物は人一倍飲みながら。泣きすぎて喉の痛みが悪化しないように喉に優しい飲み物もかかさない。
そんな周りの優しさに甘えながらも鮮明になっていく夢に涙は止まることを知らない。
箱のようなものに映るキリアス様は物語のヒーローで、私がいじめ、最後にはキリアス様に婚約を申し込まれる女性は物語でいうヒロイン。私はその二人を邪魔する悪役のような存在。
見れば見るほどリアルで、ついにヒロインの名前がリリアーヌ・ミューズと知る。私は起きてすぐ調べた。この名前が見つからなければ結局は夢だと。男爵家の娘という情報は以前に夢で知っていたため男爵家にまずミューズ家があるかどうかから調べることになる。
結果は存在した。あの日ほど涙が止まらない日はないくらいに絶望して、翌日はキリアス様と初対面の日でもあった。キリアス様を見た瞬間、夢と違い幼くはあるが、特徴は似すぎるくらいに似ていて未来への絶望は深まるばかり。
キリアス様が私に泣かれてショックを受けているのに気づいたものの止まらなくて、こんな私嫌われても仕方ないと自分でも思うのにキリアス様は夢の大きなキリアス様と違ってとても優しかった。
私の夢を信じてくれて、そのために何かしようとしてくれているのがわかって感謝以外に言葉が出ない。なのに私はヒロインをヒロインとしたまま、見た目も本来の名前も告げられなかった。私を信じてくれるキリアス様を私も信じたいのに、その気持ちが未来への不安な気持ちに押し負けたのだろう。
でもキリアス様はそれを全く気にした様子なく、何を思ったらそうなるのかヒロインを魔女なのだと信じて疑わない様子で決めつけていた。魔女なんてそれこそ夢物語。メイドの子どもが将来自分は絵本にあるかっこいい魔法使いになるんだと言っていたようで、それを話ながら笑っていた。
平民の子供は夢と現実の区別がまだよくわからず、そうしたないものねだりの夢をよく持つのだとか。さっきの話のように魔法がないのに魔法使いになるだとか、光輝く喋る聖剣なんてないのにそれを探しにいくんだとか、いない魔王を倒して勇者になるなんてこともあるらしい。
貴族は教育が早いため大抵そんな夢物語は夢だと理解し、ちゃんとした未来を考えている。だからこそキリアス様が魔女なんてものを信じていることに驚きを隠せなかった。それだけにキリアス様はとても純粋な方なのだと思う。王族の教育となると他の貴族とは育て方が違うのかもしれない。
だからこそ翌日どんな話をされるのかと思っていれば、私はその日の内に軽度の脱水症状で寝込み、約束はなしとなった。少し残念に思いながらも悪夢を見たくなくて眠れずにいる。本当ならキリアス様と会っていた時間を悪夢に塗り替えたくなかった。
そんな気持ちが届いたのだろうか?
「エリーナ、だいじょうぶですか?」
幼い男の子の声の方に振り向くとそこにはキリアス様がいた。悪夢ではなく、現実に存在するキリアス様が。昨日の今日なのにその姿を酷く安心感を覚えるのは何故だろう?溢れ出る涙は今日ばかりは温かかった。
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