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そしてそんなこんなであの日から使用人として働くことになったルシフェス様は色々失敗しながらも一生懸命で気がつけば私の従者として立派になりました。
男の子の成長って早いわよね。
「お嬢様、今日のお茶は……」
本来同い年とも言える男の子を従者にするのはあまりよろしくないかもしれないけど残念美人、変人と言われる私にろくな縁談など来るはずもなく既に15歳である私に婚約者はいるわけもありません。
とはいえ、行き遅れようが気にしないのが私で、縁談を断る度にルシフェスが嬉しそうにするのだからまあいいかと余計なってしまうわけで……。ルシフェスも中々見られない美形だからついつい絆されてしまうのです。
そんな生活の中で皇子ルシフェス様と知ることになったのは国王が参加する社交界にルシフェスを伴って出た日のことでした。
「ルシフェス……ルシフェスなのか!?」
それは貴族の位順に陛下に挨拶をしていた時。挨拶する前に私たちの順番が来て陛下がこちらを向いた瞬間、突然陛下が立ち上がりルシフェスにおろおろと近づいてくるではありませんか。
「え、は、はい……」
当然陛下に近づかれたルシフェスはたじろぎます。何せルシフェスはあの出会った日の前の記憶をなくしているので当然と言えば当然でした。名前こそ覚えていましたけど。
「陛下、発言をしても?」
「あ、ああ」
そんなルシフェスを見かねてか、父が陛下に発言の許可を求めます。陛下は動揺を隠せないとばかりに返事をしました。
「実はルシフェス様は記憶がございません。陛下のお知り合いだったでしょうか?」
「だ、旦那様!私を様付けなど……っ」
まさか父に様付けされるとは思わずとっさに同様したのはルシフェスでした。とはいえ、この時の父の判断は間違いではなかったでしょう。陛下が知る人物なら地位の高い人物の息子の可能性だってあったのですから。まあ、皇子様だったわけですが。
「なんと、記憶が……っ!しかし……記憶があってもわしのことは知らぬだろうなぁ。ルシフェスはわしの子じゃ」
しかし、そんなルシフェスの言葉を遮り陛下による爆弾発言が容赦なく投下されました。
「え?」
「まあっ」
「なんと……」
ルシフェスも目が点になり、私は扇子で思わず開いた口を隠し、父もまさかとばかりに目を見開きます。周囲もその発言にざわつくのも無理はありません。
「ルシフェス、生きておって本当によかった……!エンファント伯爵、ルシフェスを連れてきてくれたこと感謝するぞ!」
「も、もったいなきお言葉です。しかし、まさか殿下とは思わず使用人として扱ったことどのように償えば……」
「へ、陛下!発言失礼します!わ、私はエンファント家の使用人であったことを嬉しく思うことはあれど不満に感じたことはありません!ですから、何卒罰などは……!」
陛下に感謝はされても皇子たる身分を使用人として扱うなど不敬罪にとられてもおかしくないことでした。父はあっという間に真っ青になり、私も父と一緒に頭を下げます。
しかし、ありがたいことにルシフェス様は抗議してくださいました。使用人として扱いはしたものの家族は家族と大切に扱ってきたことが幸を成したのかもしれません。
男の子の成長って早いわよね。
「お嬢様、今日のお茶は……」
本来同い年とも言える男の子を従者にするのはあまりよろしくないかもしれないけど残念美人、変人と言われる私にろくな縁談など来るはずもなく既に15歳である私に婚約者はいるわけもありません。
とはいえ、行き遅れようが気にしないのが私で、縁談を断る度にルシフェスが嬉しそうにするのだからまあいいかと余計なってしまうわけで……。ルシフェスも中々見られない美形だからついつい絆されてしまうのです。
そんな生活の中で皇子ルシフェス様と知ることになったのは国王が参加する社交界にルシフェスを伴って出た日のことでした。
「ルシフェス……ルシフェスなのか!?」
それは貴族の位順に陛下に挨拶をしていた時。挨拶する前に私たちの順番が来て陛下がこちらを向いた瞬間、突然陛下が立ち上がりルシフェスにおろおろと近づいてくるではありませんか。
「え、は、はい……」
当然陛下に近づかれたルシフェスはたじろぎます。何せルシフェスはあの出会った日の前の記憶をなくしているので当然と言えば当然でした。名前こそ覚えていましたけど。
「陛下、発言をしても?」
「あ、ああ」
そんなルシフェスを見かねてか、父が陛下に発言の許可を求めます。陛下は動揺を隠せないとばかりに返事をしました。
「実はルシフェス様は記憶がございません。陛下のお知り合いだったでしょうか?」
「だ、旦那様!私を様付けなど……っ」
まさか父に様付けされるとは思わずとっさに同様したのはルシフェスでした。とはいえ、この時の父の判断は間違いではなかったでしょう。陛下が知る人物なら地位の高い人物の息子の可能性だってあったのですから。まあ、皇子様だったわけですが。
「なんと、記憶が……っ!しかし……記憶があってもわしのことは知らぬだろうなぁ。ルシフェスはわしの子じゃ」
しかし、そんなルシフェスの言葉を遮り陛下による爆弾発言が容赦なく投下されました。
「え?」
「まあっ」
「なんと……」
ルシフェスも目が点になり、私は扇子で思わず開いた口を隠し、父もまさかとばかりに目を見開きます。周囲もその発言にざわつくのも無理はありません。
「ルシフェス、生きておって本当によかった……!エンファント伯爵、ルシフェスを連れてきてくれたこと感謝するぞ!」
「も、もったいなきお言葉です。しかし、まさか殿下とは思わず使用人として扱ったことどのように償えば……」
「へ、陛下!発言失礼します!わ、私はエンファント家の使用人であったことを嬉しく思うことはあれど不満に感じたことはありません!ですから、何卒罰などは……!」
陛下に感謝はされても皇子たる身分を使用人として扱うなど不敬罪にとられてもおかしくないことでした。父はあっという間に真っ青になり、私も父と一緒に頭を下げます。
しかし、ありがたいことにルシフェス様は抗議してくださいました。使用人として扱いはしたものの家族は家族と大切に扱ってきたことが幸を成したのかもしれません。
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