1にお嬢様2にお嬢様3にお嬢様で4と5ももちろんお嬢様です!~私の皇子様(本物)は世話焼きで困ります~

荷居人(にいと)

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「よいよい。ルシフェスは事情があって表に出せなんだ。それに教育こそルシフェスの母となりわしの妻であるエレンに頼んでいたが十分な教育環境ではなかったからな。平民と思うのも無理はない。私もルシフェスを絵姿でしか見られず結局エレンを守れなかっただめな父親じゃ……本当にルシフェスだけでも生きていてくれたことが嬉しいと言うのにここまで無事健やかに育ててくれたことに礼を言わず罰を与えるなどもってのほかじゃ………それよりルシフェス」

「は、はい!」

「わしを父と、父と呼んでおくれ!」

「ち、父上……?」

「あー!念願の夢、今叶うとは!これでわしも掃除したかいがあったというもの!ルシフェスはこちらで引き取るがよいな?」

「も、もちろんでございます」

「え?」

陛下の機嫌のよさに誰もがたじろぎつつ、陛下のお言葉に逆らえることなどできはせずその日、ルシフェス様と急な別れとなりました。そんなとばかりにショックを受けるルシフェス様に胸が痛みつつ、私はどうすることもできなかったわけですが……後日ルシフェス様から縁談の申し込みに私と父、使用人たちに、動物たちまでみんなで慌てに慌てることになるのでした。

次誰か拾うときには冷静な方が必要かもしれません。

というわけで断るはずもなくルシフェス様との縁談の日。婚約は一瞬でした。

「エンファント嬢、ルシフェスの婚約者になることを命じる」

王命です。縁談とは名ばかりの強制的な婚約でした。

「は、はい……」

嫌ではないですが、婚約って……ルシフェス様はいいのかしら?なんて思わなくもありません。

「ありがとうございます!父上!」

しかし、満面の笑みで陛下に感謝を述べるルシフェス様を見ればそれは杞憂だったのでしょう。

「うむうむ!」

そんなルシフェスの様子にか、父上と呼ばれたからか、もしくは両方か、満足そうに頷く陛下。ルシフェス様こういう時可愛いですからね、わかります。

というわけでなんだかんだ両者納得の婚約を結べたわけです。そこに恋愛感情はないだろうとそれを理解した上で。いや、行き遅れこそ気にならないとはいえ、これでも恋愛に興味はあるので自分の恋を見つけようとは考えていますが。

だってこの婚約も一時的なものだと思っておりますから。急に離されてルシフェス様は一生懸命考えたのでしょう。エンファント家と関係を持つ方法を。まあ確かに婚約なら一緒にいられます。

これはルシフェスが誰かに恋をし、幸せな結婚をするまで寂しさを埋める家族の役割とも言えるでしょう。詳しいことはわかりませんが、陛下は随分とルシフェス様を愛しておられるようですしそれを理解した上での王命による婚約で、ルシフェスさえ望めばそれは解消されるのが目に見えています。

とはいえ……とはいえね?

「これでお嬢様のお世話をこの先もできますね!」

「いやいやいや、殿下、殿下は私より今や地位は上ですのよ?」

これでは恋愛どころではなく、ただ私の世話がしたいだけの世話焼き皇子でしかないわけです。

さすがにルシフェス様が皇子とわかった今、使用人扱いはさすがの私も気が引けますわよ?
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