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僕の恋の始まりと終わり 11月
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結局あの一件以来、結局僕は凌二を避けるようになってしまった。別れたくなくて、離れたくなくて、だから凌二を信じようとしたくせに…
実は『都合のいい相手』と、弄ばれていたらどうしようと不安に苛まされてしまっていたのだ。
本当は会いたい。抱きしめてほしい。キスしたい。セックスしたい。
この壁一枚向こうに彼が居るのに、凄く分厚くて越えられなかった。
そしてネガティブ過ぎる自分の性格にも嫌気が差して、休みの日は引きこもるようになってしまった。
そんな僕に対して、凌二はかなり粘り強かった。スマホにメッセージはもちろんの事で。僕を心配している内容だったり、この間の事を延々と謝ってくれたり。
そして、埒が明かないと思ったのであろう。さっきから僕のスマホにメッセージを送りながら、ずーっと僕の部屋のインターホンを鳴らしている。
ピンポーン
『頼むから顔出して』
ピンポーン
『マジでお願い』
ピンポーン
『ちゃんと気持ち確かめさせて』
ピンポーン
『会いたいんだよ』
ピンポーン
『外めっちゃ寒い』
彼の粘り勝ちというか、風邪引かれたくないし、と託けてインターホンの通話ボタンを押した。
「……」
「開けて」
「……」
「なぁ、奏、開けてくれよ」
そっと玄関へ向かい、僕は震える手で鍵を開けた。
少し間を置いて玄関が開き、凌二が顔を覗かせた。暫くぶりに会う、僕の愛する人。やっぱり愛してる。自分の気持ちが、実は全くぶれていなくてホッとしていた。
「上がってもいい?」と、凌二が聞いてきたので、頷いて応えた。
二人で無言で僕の部屋の居間に座る。何とも言えない沈黙が続いたが、
「まだ許してくれない?信じてくれてない?」と凌二がかなり落ち込んだような声で聞いてきた。
チラリと凌二を見る僕。
「馬鹿正直も良くないって学んだよ。ただ愛しているから、奏に隠しておけなかった。でも、それは俺の都合であって、奏はただただ辛いだけだったよな。ごめんな」
凌二もずっと僕の事考えてくれていたんだな、と思った。僕と同じくらい悩んでくれてたんだな、と。そう思うと気持ちが楽になった。そして、もっと素直にならないといけないんだな、と。
「好きだよ…」と僕は呟いた。
「え?」
肩を落としてしょげていた凌二が顔を上げ、僕を見た。
「愛してるよ」と僕も凌二を見つめて言う。
「俺も…愛してる」
凌二はそう言うと僕をきつく抱き締めてきた。
凌二の腕の中はやっぱり居心地がいい。凄く落ち着くし僕の居場所だって感じられる。だから、僕も抱きしめ返した。
僕たちは暫く無言で抱きしめ合いながら、互いの気持ちを確かめ合った。もう、下を向くのは止めよう。もっと自分の気持ちに素直になろう。
僕は凌二を愛してる。凌二も僕を愛してくれている
「奏…」
暫くすると凌二がキスしながら僕に尋ねて来た。
「奏は次、俺と何がしたい?」
凌二としたい事…
「来月は12月だね」と僕は言う。
「ん?そうだけど」
「あのさ…」
「うん」
「クリスマスを、凌二と二人きりで過ごしたい」
それは、僕の『好きな人としてみたい事』の一つでもある。クリスマスは毎年当たり前だが一人だった。別に寂しいとかは無かったけれど、楽しそうに幸せそうに過ごしているカップルを見ると、やっぱり羨ましかった。『いつか僕も愛する人と』と思ったりしていた。
「良いに決まってるだろ」と凌二は優しく言いながらキスしてくる。
「ありがと」
「でも、それだけじゃ、つまんないよ」
「え?」
「ツリー買ってこようぜ。一緒に飾り付けしよう。クリスマスの日まで、も二人で楽しもうよ」
思いがけない凌二からの提案。嬉しすぎて僕は顔が真っ赤になってしまった。
「ケーキ予約する?」と僕も提案する。
「勿論、奮発して有名洋菓子店の予約するか」
早速スマホで検索する凌二。
僕も『クリスマス』をスマホで検索して、
「ねぇ、これどうかな?」と凌二に見せる。
「ん?えっ」
凌二は少し拍子抜けした顔をした。
「ダメかな?」と照れながら聞く僕。
「ダメじゃないよ」と優しく微笑んで言う凌二。
僕が凌二に見せたのは、ペアのクリスマスカラーのルームウェアだった。可愛いものが好きな僕。ずっと着てみたいと思っていたのだ。出来れば愛する人とお揃いで。
嬉しくて凌二に寄りかかる僕。
「大好きだよ、凌二」
自分から『好き』が溢れて仕方がなかった。そんな僕を優しく包み込んでくれる凌二。
「俺もそんな奏が大好きだよ」
あんなに壊れ掛けていた僕の心が何だったのかなと思う程、幸せでいっぱいになった。もう何も怖くなかった。何も疑わなかった。ちゃんと確かめ合えてよかった。
離れかけた二人の気持ちが、再び絡み合って離れられなくなった11月のある夜だった。
実は『都合のいい相手』と、弄ばれていたらどうしようと不安に苛まされてしまっていたのだ。
本当は会いたい。抱きしめてほしい。キスしたい。セックスしたい。
この壁一枚向こうに彼が居るのに、凄く分厚くて越えられなかった。
そしてネガティブ過ぎる自分の性格にも嫌気が差して、休みの日は引きこもるようになってしまった。
そんな僕に対して、凌二はかなり粘り強かった。スマホにメッセージはもちろんの事で。僕を心配している内容だったり、この間の事を延々と謝ってくれたり。
そして、埒が明かないと思ったのであろう。さっきから僕のスマホにメッセージを送りながら、ずーっと僕の部屋のインターホンを鳴らしている。
ピンポーン
『頼むから顔出して』
ピンポーン
『マジでお願い』
ピンポーン
『ちゃんと気持ち確かめさせて』
ピンポーン
『会いたいんだよ』
ピンポーン
『外めっちゃ寒い』
彼の粘り勝ちというか、風邪引かれたくないし、と託けてインターホンの通話ボタンを押した。
「……」
「開けて」
「……」
「なぁ、奏、開けてくれよ」
そっと玄関へ向かい、僕は震える手で鍵を開けた。
少し間を置いて玄関が開き、凌二が顔を覗かせた。暫くぶりに会う、僕の愛する人。やっぱり愛してる。自分の気持ちが、実は全くぶれていなくてホッとしていた。
「上がってもいい?」と、凌二が聞いてきたので、頷いて応えた。
二人で無言で僕の部屋の居間に座る。何とも言えない沈黙が続いたが、
「まだ許してくれない?信じてくれてない?」と凌二がかなり落ち込んだような声で聞いてきた。
チラリと凌二を見る僕。
「馬鹿正直も良くないって学んだよ。ただ愛しているから、奏に隠しておけなかった。でも、それは俺の都合であって、奏はただただ辛いだけだったよな。ごめんな」
凌二もずっと僕の事考えてくれていたんだな、と思った。僕と同じくらい悩んでくれてたんだな、と。そう思うと気持ちが楽になった。そして、もっと素直にならないといけないんだな、と。
「好きだよ…」と僕は呟いた。
「え?」
肩を落としてしょげていた凌二が顔を上げ、僕を見た。
「愛してるよ」と僕も凌二を見つめて言う。
「俺も…愛してる」
凌二はそう言うと僕をきつく抱き締めてきた。
凌二の腕の中はやっぱり居心地がいい。凄く落ち着くし僕の居場所だって感じられる。だから、僕も抱きしめ返した。
僕たちは暫く無言で抱きしめ合いながら、互いの気持ちを確かめ合った。もう、下を向くのは止めよう。もっと自分の気持ちに素直になろう。
僕は凌二を愛してる。凌二も僕を愛してくれている
「奏…」
暫くすると凌二がキスしながら僕に尋ねて来た。
「奏は次、俺と何がしたい?」
凌二としたい事…
「来月は12月だね」と僕は言う。
「ん?そうだけど」
「あのさ…」
「うん」
「クリスマスを、凌二と二人きりで過ごしたい」
それは、僕の『好きな人としてみたい事』の一つでもある。クリスマスは毎年当たり前だが一人だった。別に寂しいとかは無かったけれど、楽しそうに幸せそうに過ごしているカップルを見ると、やっぱり羨ましかった。『いつか僕も愛する人と』と思ったりしていた。
「良いに決まってるだろ」と凌二は優しく言いながらキスしてくる。
「ありがと」
「でも、それだけじゃ、つまんないよ」
「え?」
「ツリー買ってこようぜ。一緒に飾り付けしよう。クリスマスの日まで、も二人で楽しもうよ」
思いがけない凌二からの提案。嬉しすぎて僕は顔が真っ赤になってしまった。
「ケーキ予約する?」と僕も提案する。
「勿論、奮発して有名洋菓子店の予約するか」
早速スマホで検索する凌二。
僕も『クリスマス』をスマホで検索して、
「ねぇ、これどうかな?」と凌二に見せる。
「ん?えっ」
凌二は少し拍子抜けした顔をした。
「ダメかな?」と照れながら聞く僕。
「ダメじゃないよ」と優しく微笑んで言う凌二。
僕が凌二に見せたのは、ペアのクリスマスカラーのルームウェアだった。可愛いものが好きな僕。ずっと着てみたいと思っていたのだ。出来れば愛する人とお揃いで。
嬉しくて凌二に寄りかかる僕。
「大好きだよ、凌二」
自分から『好き』が溢れて仕方がなかった。そんな僕を優しく包み込んでくれる凌二。
「俺もそんな奏が大好きだよ」
あんなに壊れ掛けていた僕の心が何だったのかなと思う程、幸せでいっぱいになった。もう何も怖くなかった。何も疑わなかった。ちゃんと確かめ合えてよかった。
離れかけた二人の気持ちが、再び絡み合って離れられなくなった11月のある夜だった。
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