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ツツジ
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朝倉は1段飛ばしで階段を駆け上がる。
何故なら授業に遅れそうだからである。原因は朝倉自身にあるのだが。
授業と授業の間にある10分間の休憩時間に少し寝ようとしてしまったからだ。しかも移動教室がある時に。
そんな朝倉を田中は起こそうとしたのだが、起きなかった朝倉を置いていってしまった。
「それにしたって薄情じゃねぇか……っ?!」
田中を責めても何も出ない。非があるのは朝倉側なのだから。
授業開始のチャイムが鳴る30秒前に教室を出て、理科室まで走る。因みに授業は物理である。
「間に合うか?!」
階段を駆け上がる勢いで間違ってもう1つ上の階へ上がろうとしてしまう。
「やべ……っ!」
階段の踊り場が見える段まで上ってしまい、下ろうとした時のことだった。
女子生徒同士のキス現場を見てしまった。しかも、片方は最近知り合った女子生徒だった。
ちょうど授業開始のチャイムが鳴る。
「え……? あ、いや、そんな場合じゃねぇ!」
朝倉は女子同士の接吻の現場よりも、物理の授業に間に合うことを先決した。
理科室へ猛ダッシュをした。
「セーフ……か」
ギリギリチャイムが鳴り終わる前に理科室に入った。
「いやアウトだろ」
「痛っ!」
「早く席に着け」
「うぃーっす」
物理の先生は丸めたプリントで朝倉の頭を軽く叩く。
クラスメイトにくすくすと笑われるが、その中で腹を抱えて笑っているのが田中だった。
「笑ってんな。起こしてくれって頼んだろ」
「俺は何回も起こしたんだぞ。起きなかったのは朝倉だろ」
朝倉と田中はやや言い合うが、すぐに物理の先生に制される。それにつまらなそうに返事をし、2人は席に座る。
「はぁ……」
思わず朝倉は溜め息をつく。
教科書やノートを開き、板書を黙々と取っていく。
しばらくすると、朝倉はクラスメイトの女子に肩を叩かれる。
「どうしたー?」
「朝倉、あんたこれどこで付けて来たの?」
その女子が笑いながら朝倉の髪に触れる。
「何すんだよ。俺へのお触りは高いぞ~?」
「何言ってんの。付いてるの取ってあげてるでしょ」
「付いてるの?」
「ほら。この花だよ」
その花を見た瞬間、階段の踊り場でのキス現場を思い出した。そしてやはりその花は花吐き病によるものだと今更気がついた。
「ちょっと、どうしたの?」
ただその花を見つめている朝倉の顔の前にその女子は手をかざしてくる。やっと我に返り、お礼を言う。
朝倉は女子同士のキス現場で片方の女子に見覚えがあった。
「南雲さんだよな……?」
「え。これ南雲さんに付けられたの? ふぅ~」
花を取ってくれた女子はニタニタ笑いながら背中を叩く。
「ち、ちげーよ!」
「そこ、お前らうるさいぞ」
物理の先生に声をかけられてしまう。
朝倉はその女子をうざったく睨むが、まだ彼女はにやけ顔のままでいる。
「くそ……」
朝倉に付いていた花の香りは南雲のものでは無かった。
初めて嗅ぐ匂いである。
だからもう片方の女子生徒の花だろう。
一瞬でも目が合ったとは思えない。しかし、彼女にはもう目を付けられてしまったということなのだろうか。
朝倉にも分かる。首を突っ込むべきではないと。
だから無かったことにしようと考えていた。
「ぷぷぷ~」
変に笑うその女子に朝倉はむしゃくしゃしながら物理の授業が終わった。
「田中~、行こうぜ~」
「おうよ。購買行かね?」
「あ~、自販なら行くわ。お茶買いてぇ」
朝倉は財布を持ち、大きな欠伸をしながら教室を出た。
隣には田中と佐藤もいる。
「暑さの中の眠気って1番やばくない?」
「どうせ夜中まで起きてゲームしてるんでしょ?」
朝倉は再び大きい欠伸をして、目を擦る。
このように述べる朝倉に対して、佐藤は正論を叩きつけた。
「田中と一緒にするなよ。俺はゲームは1時までって目標にして毎日姫を助けにダンジョンに挑戦してんだよ」
「いや朝倉も田中も同じようなもんでしょーよ」
「佐藤も同じくせに。なあ、朝倉?」
「レベルは俺ら同等ってわけだな」
朝倉は上手いこと話をまとめたと思った。
それに不服だったのか、佐藤は朝倉の二の腕を抓る。
「痛ぇっ!」
田中は睨み合う2人の背中を押して、ようやく購買に着く。
田中はメロンパン1つとコロッケパン2つを買った。その間に朝倉はお茶を買いに行った。
「佐藤、メロンパン食うだろ?」
「へ……? いいわけ?」
「食え食え。おーい、朝倉もパン食うだろー?」
「おーう!」
朝倉は自動販売機からお茶を取り出し、田中と佐藤の元へ走っていく。
まだ2時間目しか終わっていないが、田中の奢りのパンを3人でゲームについて話しながら食べた。
・早川梨香(ハヤカワリカ)
・15歳(高校1年生)
・花吐き病→ツツジ(シロ)
何故なら授業に遅れそうだからである。原因は朝倉自身にあるのだが。
授業と授業の間にある10分間の休憩時間に少し寝ようとしてしまったからだ。しかも移動教室がある時に。
そんな朝倉を田中は起こそうとしたのだが、起きなかった朝倉を置いていってしまった。
「それにしたって薄情じゃねぇか……っ?!」
田中を責めても何も出ない。非があるのは朝倉側なのだから。
授業開始のチャイムが鳴る30秒前に教室を出て、理科室まで走る。因みに授業は物理である。
「間に合うか?!」
階段を駆け上がる勢いで間違ってもう1つ上の階へ上がろうとしてしまう。
「やべ……っ!」
階段の踊り場が見える段まで上ってしまい、下ろうとした時のことだった。
女子生徒同士のキス現場を見てしまった。しかも、片方は最近知り合った女子生徒だった。
ちょうど授業開始のチャイムが鳴る。
「え……? あ、いや、そんな場合じゃねぇ!」
朝倉は女子同士の接吻の現場よりも、物理の授業に間に合うことを先決した。
理科室へ猛ダッシュをした。
「セーフ……か」
ギリギリチャイムが鳴り終わる前に理科室に入った。
「いやアウトだろ」
「痛っ!」
「早く席に着け」
「うぃーっす」
物理の先生は丸めたプリントで朝倉の頭を軽く叩く。
クラスメイトにくすくすと笑われるが、その中で腹を抱えて笑っているのが田中だった。
「笑ってんな。起こしてくれって頼んだろ」
「俺は何回も起こしたんだぞ。起きなかったのは朝倉だろ」
朝倉と田中はやや言い合うが、すぐに物理の先生に制される。それにつまらなそうに返事をし、2人は席に座る。
「はぁ……」
思わず朝倉は溜め息をつく。
教科書やノートを開き、板書を黙々と取っていく。
しばらくすると、朝倉はクラスメイトの女子に肩を叩かれる。
「どうしたー?」
「朝倉、あんたこれどこで付けて来たの?」
その女子が笑いながら朝倉の髪に触れる。
「何すんだよ。俺へのお触りは高いぞ~?」
「何言ってんの。付いてるの取ってあげてるでしょ」
「付いてるの?」
「ほら。この花だよ」
その花を見た瞬間、階段の踊り場でのキス現場を思い出した。そしてやはりその花は花吐き病によるものだと今更気がついた。
「ちょっと、どうしたの?」
ただその花を見つめている朝倉の顔の前にその女子は手をかざしてくる。やっと我に返り、お礼を言う。
朝倉は女子同士のキス現場で片方の女子に見覚えがあった。
「南雲さんだよな……?」
「え。これ南雲さんに付けられたの? ふぅ~」
花を取ってくれた女子はニタニタ笑いながら背中を叩く。
「ち、ちげーよ!」
「そこ、お前らうるさいぞ」
物理の先生に声をかけられてしまう。
朝倉はその女子をうざったく睨むが、まだ彼女はにやけ顔のままでいる。
「くそ……」
朝倉に付いていた花の香りは南雲のものでは無かった。
初めて嗅ぐ匂いである。
だからもう片方の女子生徒の花だろう。
一瞬でも目が合ったとは思えない。しかし、彼女にはもう目を付けられてしまったということなのだろうか。
朝倉にも分かる。首を突っ込むべきではないと。
だから無かったことにしようと考えていた。
「ぷぷぷ~」
変に笑うその女子に朝倉はむしゃくしゃしながら物理の授業が終わった。
「田中~、行こうぜ~」
「おうよ。購買行かね?」
「あ~、自販なら行くわ。お茶買いてぇ」
朝倉は財布を持ち、大きな欠伸をしながら教室を出た。
隣には田中と佐藤もいる。
「暑さの中の眠気って1番やばくない?」
「どうせ夜中まで起きてゲームしてるんでしょ?」
朝倉は再び大きい欠伸をして、目を擦る。
このように述べる朝倉に対して、佐藤は正論を叩きつけた。
「田中と一緒にするなよ。俺はゲームは1時までって目標にして毎日姫を助けにダンジョンに挑戦してんだよ」
「いや朝倉も田中も同じようなもんでしょーよ」
「佐藤も同じくせに。なあ、朝倉?」
「レベルは俺ら同等ってわけだな」
朝倉は上手いこと話をまとめたと思った。
それに不服だったのか、佐藤は朝倉の二の腕を抓る。
「痛ぇっ!」
田中は睨み合う2人の背中を押して、ようやく購買に着く。
田中はメロンパン1つとコロッケパン2つを買った。その間に朝倉はお茶を買いに行った。
「佐藤、メロンパン食うだろ?」
「へ……? いいわけ?」
「食え食え。おーい、朝倉もパン食うだろー?」
「おーう!」
朝倉は自動販売機からお茶を取り出し、田中と佐藤の元へ走っていく。
まだ2時間目しか終わっていないが、田中の奢りのパンを3人でゲームについて話しながら食べた。
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