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救済
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「やっと見つけた」
夏休みも後半に突入し、暑さも本格化してきた。
そのため地面の時空が歪んでいる。
「誰ですか?」
南雲は捜し物をしていた。
早川と見つけた天使の羽の持ち主を捜していた。
「私は南雲小春。貴方の名前も教えてほしい」
威嚇をする捜し物に手のひらを見せるような仕草をしながら、自分に戦う意思は無いということを伝える。
「天野夜空です」
「可愛い名前だね」
数秒の間があったが、天野は名乗ることにした。
南雲は驚いた顔をする。
「ヨル……?」
「私のこと知ってるんですか?」
「うん。私の親友が好きでね。ライブについて行ったことがあるんだ」
「南雲さんの親友の名前ってなんですか?」
「小鳥遊柚羽だよ」
小鳥遊柚羽とは南雲の親友で、花吐き病の患者だった。
「私が初めてライブした時からいた人ですね」
「嬉しそうね。きっと柚羽も喜ぶよ」
南雲はどこか憂いを感じる表情をする。
しかし、その表情も切り替えられ、いつもの南雲に戻る。
「で、私、話したいことあるの」
「なんでしょうか」
南雲は一気に天野との距離を詰める。
それにびっくりした天野は後退りをしてしまう。
「貴方の最近の悩みについて」
「っ?!」
「これ落としたよね」
南雲は天野に白い羽根を見せてやる。
やっぱり天野は綺麗な瞳を見開いて、驚いた顔をする。
「家に帰ってから思ったの。最初はこれから白くなるんだろうって思ってたんだけど、白銀とか薄桃とかもあるかなって。まだ天使病の患者には2人にしか会ったことないから分からないけどね」
南雲はベラベラと1人で話し始めた。
それを黙って聞く天野は息を止めているようにも見えた。
外で部活をしているサッカー部や野球部、水泳部などの声が遠く聞こえるような気がする。
選手の汗が染みたグラウンドは青春の香りがするのだろう。
「で、貴方の羽はどこまで症状が進んでるの?」
天野は南雲のどこか冷たくて好奇心を含んだ瞳が怖いと感じた。
綺麗な瞳には恐怖と焦燥に溺れた女の顔が映っていた。
「言って何になるんですか?」
思わず楯突くような態度をとってしまう。
天野は後悔をする。
「どうにもならないよ。でも、私は知らなきゃいけない気がするんだ」
「なんでそんな……」
「私は消える側の人間だから。託したい人がいるの、奇病のことについて。けど、無理にとは言わないなら大丈夫だよ」
天野は直感的に分かったことがある。
南雲小春はこれまで悲惨な現場に立ち会ってきて、自分の運命を受けいれた上で最善の行動をしている。
そう感じたのだ。
「……私も最初は羽が白いって思ってたんです。でも、最近になって、羽先から銀色になってきているんです」
「なるほどね。ちなみに手紙とかこなかった? 自身の奇病について書かれた手紙」
奇病を患った者には絶対渡る手紙。
その手紙には病状や治療法、結末が書かれている。
南雲が見てきた中では、手紙の内容が外れること無かった。
「見てないです」
「ほんと?」
「はい」
南雲は細い指を顎に添え、悩むポーズをとる。
初めてのことなのだ。
奇病の患者に手紙が届かないのは異例の出来事である。
「うーん。見た感じだと、発症したのは半年以内な気がする」
「何で分かるんですか?!」
「まぁ、色んな人見てきたからね」
南雲はやっと天野から2、3歩下がり、スカートを踊らせる。
振り向くような仕草をして、瞳と口で釘を刺す。
「話してくれてありがとう。これも私が知ってる中だけの話だけど、貴方このままだと死ぬよ」
「え」
「気をつけることね。その背中の羽に支配される前に腹を括っておいた方がいいよ」
南雲はそう言い残し、その場を去っていった。
天野もその場を離れようとするが、1歩目で体勢を崩してしまう。
貧血でもつまづいたわけでもない。
ただショックで座り込んでしまったのだ。
外で部活をしている生徒たちの声はもっと遠く聞こえるような気がする。
暑さも相まって、その場には小鳥の息すらも聞こえる。
夏休みも後半に突入し、暑さも本格化してきた。
そのため地面の時空が歪んでいる。
「誰ですか?」
南雲は捜し物をしていた。
早川と見つけた天使の羽の持ち主を捜していた。
「私は南雲小春。貴方の名前も教えてほしい」
威嚇をする捜し物に手のひらを見せるような仕草をしながら、自分に戦う意思は無いということを伝える。
「天野夜空です」
「可愛い名前だね」
数秒の間があったが、天野は名乗ることにした。
南雲は驚いた顔をする。
「ヨル……?」
「私のこと知ってるんですか?」
「うん。私の親友が好きでね。ライブについて行ったことがあるんだ」
「南雲さんの親友の名前ってなんですか?」
「小鳥遊柚羽だよ」
小鳥遊柚羽とは南雲の親友で、花吐き病の患者だった。
「私が初めてライブした時からいた人ですね」
「嬉しそうね。きっと柚羽も喜ぶよ」
南雲はどこか憂いを感じる表情をする。
しかし、その表情も切り替えられ、いつもの南雲に戻る。
「で、私、話したいことあるの」
「なんでしょうか」
南雲は一気に天野との距離を詰める。
それにびっくりした天野は後退りをしてしまう。
「貴方の最近の悩みについて」
「っ?!」
「これ落としたよね」
南雲は天野に白い羽根を見せてやる。
やっぱり天野は綺麗な瞳を見開いて、驚いた顔をする。
「家に帰ってから思ったの。最初はこれから白くなるんだろうって思ってたんだけど、白銀とか薄桃とかもあるかなって。まだ天使病の患者には2人にしか会ったことないから分からないけどね」
南雲はベラベラと1人で話し始めた。
それを黙って聞く天野は息を止めているようにも見えた。
外で部活をしているサッカー部や野球部、水泳部などの声が遠く聞こえるような気がする。
選手の汗が染みたグラウンドは青春の香りがするのだろう。
「で、貴方の羽はどこまで症状が進んでるの?」
天野は南雲のどこか冷たくて好奇心を含んだ瞳が怖いと感じた。
綺麗な瞳には恐怖と焦燥に溺れた女の顔が映っていた。
「言って何になるんですか?」
思わず楯突くような態度をとってしまう。
天野は後悔をする。
「どうにもならないよ。でも、私は知らなきゃいけない気がするんだ」
「なんでそんな……」
「私は消える側の人間だから。託したい人がいるの、奇病のことについて。けど、無理にとは言わないなら大丈夫だよ」
天野は直感的に分かったことがある。
南雲小春はこれまで悲惨な現場に立ち会ってきて、自分の運命を受けいれた上で最善の行動をしている。
そう感じたのだ。
「……私も最初は羽が白いって思ってたんです。でも、最近になって、羽先から銀色になってきているんです」
「なるほどね。ちなみに手紙とかこなかった? 自身の奇病について書かれた手紙」
奇病を患った者には絶対渡る手紙。
その手紙には病状や治療法、結末が書かれている。
南雲が見てきた中では、手紙の内容が外れること無かった。
「見てないです」
「ほんと?」
「はい」
南雲は細い指を顎に添え、悩むポーズをとる。
初めてのことなのだ。
奇病の患者に手紙が届かないのは異例の出来事である。
「うーん。見た感じだと、発症したのは半年以内な気がする」
「何で分かるんですか?!」
「まぁ、色んな人見てきたからね」
南雲はやっと天野から2、3歩下がり、スカートを踊らせる。
振り向くような仕草をして、瞳と口で釘を刺す。
「話してくれてありがとう。これも私が知ってる中だけの話だけど、貴方このままだと死ぬよ」
「え」
「気をつけることね。その背中の羽に支配される前に腹を括っておいた方がいいよ」
南雲はそう言い残し、その場を去っていった。
天野もその場を離れようとするが、1歩目で体勢を崩してしまう。
貧血でもつまづいたわけでもない。
ただショックで座り込んでしまったのだ。
外で部活をしている生徒たちの声はもっと遠く聞こえるような気がする。
暑さも相まって、その場には小鳥の息すらも聞こえる。
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