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うちの子は傷ついていた
3(R18)
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俺に手を引かれるままベッドの上に仰向けになった玄樹。俺も服を脱いでから、玄樹のバスローブの紐をほどいて前を完全に開く。腕以外は体の前面すべてが見えている玄樹に腰を浮かせた状態で跨って、両手首を掴んで肩の横に押さえつける。
しばらくそのままでいたら、ほわほわとかわいかった玄樹の表情が不思議そうに曇った。
「晃ちゃん?」
「ん?」
「どうしたの?」
「好きだなあと思って見てた」
「何が?」
「俺が、玄樹を」
驚いたように恥ずかしそうに視線が揺れる。それでもそのまま見続ける。
揺れていた瞳が俺へと戻ってきた。
「僕も好きだよ。晃ちゃんが大好き」
俺も的なことを言ってくれるかもとは思っていたけど、想像以上の反応にドクンと熱が流れ込む。玄樹の手首を掴んでいる手にも自然と力が入ったし、見つめ合っていたから表情でバレてるだろう。
本格的に始まると思っているような玄樹をまだじっと見つめる。
「……晃ちゃん?」
「ん?」
「どうしたの?」
「今日はちゃんと話そうって言っただろ。どうしてほしい?」
甘えん坊な玄樹が珍しく戸惑っている。言っていいと言われると逆に言いにくいのかな。
人の心は複雑だよな。俺も玄樹を甘やかす、守ると決めているのに、こんな風に困ってる表情や息苦しくていっぱいいっぱいになってる玄樹を見るとたまらなく興奮する。
玄樹の唇がやっと意思のある動きをした。
「ち、チューして」
「どこに?」
やっと言えたとやりきった気持ちになりかけた玄樹が固まる。
「っ、そんなの、決められないよっ」
「決めなくていいよ。してほしいことを思いついたことから全部言っていい。クリスマスみたいに激しいのでも、お正月みたいにゆっくりなのでもなんでも。玄樹が思ってることちゃんと聞きたい」
玄樹は迷ってるっていうより分からないって空気になった。
「小さい時からずっと晃ちゃんに激しくされること想像してた。でもお正月にゆっくりされた時も幸せで、石黒くんには壁ドンされただけで正直ちょっと気持ち悪くて。
きっと僕はどんな風にされたいとか無くて、ただ晃ちゃんにされたいんだと思う」
玄樹の肩に顔を埋めて、予想外の言葉に迸りそうになった体をなんとか落ち着かせる。せっかく落ち着きかけたのに、玄樹のと当たってヌルついてすれ違う刺激にまた熱くなる。
言葉を続ける玄樹も刺激に耐える声になってる。
「僕も知りたい。どうして晃ちゃんはいつも、こうなっても我慢しようとするの?」
少し腰を動かしてわざとぶつけてきた。
いつもはこういうことされると「イタズラするな」って離れるけど、今日はこすり合わせたまま体重を掛けてお互いの腹で挟む。体重の掛け方を変えるごとに玄樹があごを上下左右させて喘ぐ。
「‥‥‥っ、おしえてよ……」
それでもなんとか訴える瞳を見つめ返しながら頭を撫でて、そのまま背中とベッドの間まで滑らせて腕ごと強く抱きしめる。
「離れたくないからだよ。
体に負担が掛かってるのも心配だし、学校の集団生活は融通が利かないから何かの拍子にバレたらどうする。そんなことで騒がれたり引き離されたりしたくない。
玄樹が嫌だと思わない限り、玄樹の幸せが壊れない限り誰にも邪魔されたくない。
学生じゃなくなったら覚悟しとけよ」
反応が無いから少し頭を上げて驚いた。濡れてるとかじゃなく、玄樹が声も出さずに泣いている。
ヘッドボードに置いてあるティッシュを取ってそっと目尻に当ててやると、自分でティッシュを持って両目を覆った。
「どうした?」
「わかんない。なんかほっとしたのと、じゃあなんで石黒くんに譲ろうとしたのっていうのとで」
玄樹が小さく鼻をすすってもう一度繰り返した。
「わかんない」
「譲ろうとまでは思ってなくて単純に不安になってただけだよ。石黒くんはそういう好きっていうよりただ懐いてるって感じだったし。
でもさっき思い知った。誰にも渡したくないし玄樹にもそう思ってほしい。
玄樹にも『僕の晃ちゃん』って言ってほしいよ」
玄樹は更に強くティッシュを目に押し付けた。
きっと今までの俺の気持ちを疑ってたんじゃない。両親のことが前例として玄樹の中に刻み込まれてるんだ。そして多分今やっと、俺は離れていかないと心から信じてくれたんだ。
玄樹が俺を信じてくれた。こんな嬉しいことは無い。こんな時なのにっていうのとこんなにも嬉しいからっていうのがごちゃ混ぜになる。
「玄樹」
もう一度頭を撫でると、玄樹がティッシュをどけて俺を見つめ返す。今は泣いているっていうより暖かく潤んだ瞳。
「玄樹を守りたい、甘やかしたいって思ってる。でも、こんな時にごめん。俺の腕の中でそんな玄樹を見たら」
欲望のままな体をもう一度玄樹に押し付ける。
「続けていい?」
少し目を大きくしてからふわっと笑って俺の首に両腕を巻き付けてきた。
「うん。朝までやめないでふ」
『やめないでふ』?
俺の耳元に口があるから、玄樹が息を飲んで唇をきゅっとしたのが伝わってくる。
「ぼ、僕の晃ちゃん」
頬に手を添えてこっちを向かせる。やめないよって気持ちで見つめ返してキスをしてから少し玄樹に体を乗せて抱き枕にしている姿勢でほぐし始める。
腕枕を少し抜いて前腕だけにして、それを支えに少し起き上がる。右手の指を3本まで増やしたら入れたままでキスをする。玄樹の息が限界にきたタイミングで口を離して、指はそのまま。息を整える動きを指が感じる。
「こ、こうちゃん、‥‥‥、ゆび‥‥‥」
「本当に挿れたら止まれなくなるから、今のうちに可愛い玄樹を鑑賞しとく」
まだ息が整っていない玄樹が息を止めて俺を見上げてきて、指が動かせなくなる。
「すごく締まった。止まらなくていいんだな?」
「言わないでよそんなこと!」
「今日はちゃんと話そうって言っただろ?」
まだ指を抜かずに、玄樹の胸に吐息を吹きかけるように囁く。
「こうなってるのは寒いから?」
硬くなっている場所を舌先でつつくと体がピクンとなった。
「そんなわけないでしょ! 解ってるくせに!」
拗ねたように俺に後頭部を向けた。そんなわけないのか。運動量の違いで受け身な方だけ寒く感じてる場合があるって小耳に挟んだけど、違うのか。
玄樹は体温高いもんなと思いつつ指は抜かずに、むしろ中指だけを少し曲げる。玄樹から文字にできない声が漏れてもそこはスルーする。
「ちゃんと教えて。どうしてほしい?」
まだ拗ねてるような、戸惑ってるような表情。
「どんな風でもいいから」
ゆっくりと両手が俺のに伸びる。
「早くほしい」
ゆっくり抜かなきゃという理性はなんとか働いたけど、向きまでは頭が回らなかった。天井を向いていた掌を自然と俺の方へ回しながら抜いてしまって、玄樹が震えながら俺のを握る手に力を入れる。
お互いわざとじゃないって分かってるしそれどころじゃない気持ちで荒い息のまま繋がる。
少しの間だけ本能のままに動かせてもらってから玄樹の腋より少し下を両手で挟むと、玄樹も自分の手を使って膝を立てながら起き上がる。
玄樹が俺の腿に乗っている以外は同じような姿勢で、俺は玄樹の背中を支えて玄樹は俺の肩に掴まっている。
「晃ちゃんこの姿勢好きだよね。見下ろしてても僕かわいいと思ってもらえてるっ?」
いじらしいことを言うから体が勝手に突き上げてしまって、玄樹の言葉の最後が跳ねた。これも両親に「もう大丈夫だね」って離れられた影響だろう。歳の割にどことなく子供っぽいのは無意識に作ってたんだ。
色っぽい誘惑も子供っぽい甘えも、俺が離れていかないようにって不安もあったともっと早く気付いてあげたかった。大きな突き上げではなかったけど、姿勢を変える時の刺激も落ち着いてないのにごめん。色んな気持ちで背中をさすりながら答える。
「好きだよ。抱きしめたいのと深く繋がりたいのと両方叶うから」
落ち着くように肩甲骨より低い位置をさすっている右手を肩まで上げる。
「辛い目に合わせたくないとは思ってるけど、息が整うのを待ってあげるくらいしかできないよ。
落ち着いたならもっと深く繋がって揺らしてもいいか?」
期待と緊張の混ざった顔で頷いた。
腰を抱いている左腕と肩を掴んだ右手でゆっくり強く沈ませる。
「かわいいよ玄樹。伸びた喉も反らせた胸も。
胸がただ反るんじゃなくて少し近づいてから反るのは倒れないように? それとも俺がこうできるように?」
言葉で先に言ったから予告的な舐め方を省いていきなり全部を口に入れる。腰が浮いた玄樹を引き戻しながら舌で転がすとまた腰が浮いて俺ももう一度引き戻す。
そのままチラッと上を見ると玄樹が首を振りながら俺の肩を強く掴んで背中を丸めた。
「いきかけたのを堪えたのか。がまんしなくていいよ。玄樹がどうなっても『もう嫌だ』って言うまでやめないから。
今のは何がきっかけ? 何が気持ち良かった?
動けなくなったらそれをして起こしてあげるから教えて?」
玄樹がさっきの逃げる感じじゃなく俺を止める感じで首を振った。
「晃ちゃん、それ話し合いっていうより言葉責め」
俺の首に抱きつき直して問い詰めるみたいな近付き方をした。
「余裕で転がされてるみたいでこれはちょっとイヤ!」
拗ねるみたいな表情で言い終わると同時にぎゅっと抱きついて、押し付けられた唇が俺の唇を挟むような揉むような微妙な動かし方をする。前から思ってたけどただ舌を絡めたいんじゃなくて俺に舌を入れて欲しいんだよな。言ったらまた怒られるよな。
ほんと純粋に玄樹の好みを聞きたかっただけなのに、俺はまた傷つけてしまっていたらしい。
しばらくそのままでいたら、ほわほわとかわいかった玄樹の表情が不思議そうに曇った。
「晃ちゃん?」
「ん?」
「どうしたの?」
「好きだなあと思って見てた」
「何が?」
「俺が、玄樹を」
驚いたように恥ずかしそうに視線が揺れる。それでもそのまま見続ける。
揺れていた瞳が俺へと戻ってきた。
「僕も好きだよ。晃ちゃんが大好き」
俺も的なことを言ってくれるかもとは思っていたけど、想像以上の反応にドクンと熱が流れ込む。玄樹の手首を掴んでいる手にも自然と力が入ったし、見つめ合っていたから表情でバレてるだろう。
本格的に始まると思っているような玄樹をまだじっと見つめる。
「……晃ちゃん?」
「ん?」
「どうしたの?」
「今日はちゃんと話そうって言っただろ。どうしてほしい?」
甘えん坊な玄樹が珍しく戸惑っている。言っていいと言われると逆に言いにくいのかな。
人の心は複雑だよな。俺も玄樹を甘やかす、守ると決めているのに、こんな風に困ってる表情や息苦しくていっぱいいっぱいになってる玄樹を見るとたまらなく興奮する。
玄樹の唇がやっと意思のある動きをした。
「ち、チューして」
「どこに?」
やっと言えたとやりきった気持ちになりかけた玄樹が固まる。
「っ、そんなの、決められないよっ」
「決めなくていいよ。してほしいことを思いついたことから全部言っていい。クリスマスみたいに激しいのでも、お正月みたいにゆっくりなのでもなんでも。玄樹が思ってることちゃんと聞きたい」
玄樹は迷ってるっていうより分からないって空気になった。
「小さい時からずっと晃ちゃんに激しくされること想像してた。でもお正月にゆっくりされた時も幸せで、石黒くんには壁ドンされただけで正直ちょっと気持ち悪くて。
きっと僕はどんな風にされたいとか無くて、ただ晃ちゃんにされたいんだと思う」
玄樹の肩に顔を埋めて、予想外の言葉に迸りそうになった体をなんとか落ち着かせる。せっかく落ち着きかけたのに、玄樹のと当たってヌルついてすれ違う刺激にまた熱くなる。
言葉を続ける玄樹も刺激に耐える声になってる。
「僕も知りたい。どうして晃ちゃんはいつも、こうなっても我慢しようとするの?」
少し腰を動かしてわざとぶつけてきた。
いつもはこういうことされると「イタズラするな」って離れるけど、今日はこすり合わせたまま体重を掛けてお互いの腹で挟む。体重の掛け方を変えるごとに玄樹があごを上下左右させて喘ぐ。
「‥‥‥っ、おしえてよ……」
それでもなんとか訴える瞳を見つめ返しながら頭を撫でて、そのまま背中とベッドの間まで滑らせて腕ごと強く抱きしめる。
「離れたくないからだよ。
体に負担が掛かってるのも心配だし、学校の集団生活は融通が利かないから何かの拍子にバレたらどうする。そんなことで騒がれたり引き離されたりしたくない。
玄樹が嫌だと思わない限り、玄樹の幸せが壊れない限り誰にも邪魔されたくない。
学生じゃなくなったら覚悟しとけよ」
反応が無いから少し頭を上げて驚いた。濡れてるとかじゃなく、玄樹が声も出さずに泣いている。
ヘッドボードに置いてあるティッシュを取ってそっと目尻に当ててやると、自分でティッシュを持って両目を覆った。
「どうした?」
「わかんない。なんかほっとしたのと、じゃあなんで石黒くんに譲ろうとしたのっていうのとで」
玄樹が小さく鼻をすすってもう一度繰り返した。
「わかんない」
「譲ろうとまでは思ってなくて単純に不安になってただけだよ。石黒くんはそういう好きっていうよりただ懐いてるって感じだったし。
でもさっき思い知った。誰にも渡したくないし玄樹にもそう思ってほしい。
玄樹にも『僕の晃ちゃん』って言ってほしいよ」
玄樹は更に強くティッシュを目に押し付けた。
きっと今までの俺の気持ちを疑ってたんじゃない。両親のことが前例として玄樹の中に刻み込まれてるんだ。そして多分今やっと、俺は離れていかないと心から信じてくれたんだ。
玄樹が俺を信じてくれた。こんな嬉しいことは無い。こんな時なのにっていうのとこんなにも嬉しいからっていうのがごちゃ混ぜになる。
「玄樹」
もう一度頭を撫でると、玄樹がティッシュをどけて俺を見つめ返す。今は泣いているっていうより暖かく潤んだ瞳。
「玄樹を守りたい、甘やかしたいって思ってる。でも、こんな時にごめん。俺の腕の中でそんな玄樹を見たら」
欲望のままな体をもう一度玄樹に押し付ける。
「続けていい?」
少し目を大きくしてからふわっと笑って俺の首に両腕を巻き付けてきた。
「うん。朝までやめないでふ」
『やめないでふ』?
俺の耳元に口があるから、玄樹が息を飲んで唇をきゅっとしたのが伝わってくる。
「ぼ、僕の晃ちゃん」
頬に手を添えてこっちを向かせる。やめないよって気持ちで見つめ返してキスをしてから少し玄樹に体を乗せて抱き枕にしている姿勢でほぐし始める。
腕枕を少し抜いて前腕だけにして、それを支えに少し起き上がる。右手の指を3本まで増やしたら入れたままでキスをする。玄樹の息が限界にきたタイミングで口を離して、指はそのまま。息を整える動きを指が感じる。
「こ、こうちゃん、‥‥‥、ゆび‥‥‥」
「本当に挿れたら止まれなくなるから、今のうちに可愛い玄樹を鑑賞しとく」
まだ息が整っていない玄樹が息を止めて俺を見上げてきて、指が動かせなくなる。
「すごく締まった。止まらなくていいんだな?」
「言わないでよそんなこと!」
「今日はちゃんと話そうって言っただろ?」
まだ指を抜かずに、玄樹の胸に吐息を吹きかけるように囁く。
「こうなってるのは寒いから?」
硬くなっている場所を舌先でつつくと体がピクンとなった。
「そんなわけないでしょ! 解ってるくせに!」
拗ねたように俺に後頭部を向けた。そんなわけないのか。運動量の違いで受け身な方だけ寒く感じてる場合があるって小耳に挟んだけど、違うのか。
玄樹は体温高いもんなと思いつつ指は抜かずに、むしろ中指だけを少し曲げる。玄樹から文字にできない声が漏れてもそこはスルーする。
「ちゃんと教えて。どうしてほしい?」
まだ拗ねてるような、戸惑ってるような表情。
「どんな風でもいいから」
ゆっくりと両手が俺のに伸びる。
「早くほしい」
ゆっくり抜かなきゃという理性はなんとか働いたけど、向きまでは頭が回らなかった。天井を向いていた掌を自然と俺の方へ回しながら抜いてしまって、玄樹が震えながら俺のを握る手に力を入れる。
お互いわざとじゃないって分かってるしそれどころじゃない気持ちで荒い息のまま繋がる。
少しの間だけ本能のままに動かせてもらってから玄樹の腋より少し下を両手で挟むと、玄樹も自分の手を使って膝を立てながら起き上がる。
玄樹が俺の腿に乗っている以外は同じような姿勢で、俺は玄樹の背中を支えて玄樹は俺の肩に掴まっている。
「晃ちゃんこの姿勢好きだよね。見下ろしてても僕かわいいと思ってもらえてるっ?」
いじらしいことを言うから体が勝手に突き上げてしまって、玄樹の言葉の最後が跳ねた。これも両親に「もう大丈夫だね」って離れられた影響だろう。歳の割にどことなく子供っぽいのは無意識に作ってたんだ。
色っぽい誘惑も子供っぽい甘えも、俺が離れていかないようにって不安もあったともっと早く気付いてあげたかった。大きな突き上げではなかったけど、姿勢を変える時の刺激も落ち着いてないのにごめん。色んな気持ちで背中をさすりながら答える。
「好きだよ。抱きしめたいのと深く繋がりたいのと両方叶うから」
落ち着くように肩甲骨より低い位置をさすっている右手を肩まで上げる。
「辛い目に合わせたくないとは思ってるけど、息が整うのを待ってあげるくらいしかできないよ。
落ち着いたならもっと深く繋がって揺らしてもいいか?」
期待と緊張の混ざった顔で頷いた。
腰を抱いている左腕と肩を掴んだ右手でゆっくり強く沈ませる。
「かわいいよ玄樹。伸びた喉も反らせた胸も。
胸がただ反るんじゃなくて少し近づいてから反るのは倒れないように? それとも俺がこうできるように?」
言葉で先に言ったから予告的な舐め方を省いていきなり全部を口に入れる。腰が浮いた玄樹を引き戻しながら舌で転がすとまた腰が浮いて俺ももう一度引き戻す。
そのままチラッと上を見ると玄樹が首を振りながら俺の肩を強く掴んで背中を丸めた。
「いきかけたのを堪えたのか。がまんしなくていいよ。玄樹がどうなっても『もう嫌だ』って言うまでやめないから。
今のは何がきっかけ? 何が気持ち良かった?
動けなくなったらそれをして起こしてあげるから教えて?」
玄樹がさっきの逃げる感じじゃなく俺を止める感じで首を振った。
「晃ちゃん、それ話し合いっていうより言葉責め」
俺の首に抱きつき直して問い詰めるみたいな近付き方をした。
「余裕で転がされてるみたいでこれはちょっとイヤ!」
拗ねるみたいな表情で言い終わると同時にぎゅっと抱きついて、押し付けられた唇が俺の唇を挟むような揉むような微妙な動かし方をする。前から思ってたけどただ舌を絡めたいんじゃなくて俺に舌を入れて欲しいんだよな。言ったらまた怒られるよな。
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