BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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脱獄犯は看守を攫う

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「あぁ! くうぅっ!」

走る巨大な車の中、ダブルベッドの置かれた部屋で。
内側にクッションの付いた手枷をされた男が、ベッドの上で快感に喘いでいた。大きく跳ねる身体は先程まで着ていた制服を全て取られ、玉のような汗を流している。

男に快感を与えている男、腹に蛇の刺青を施している男はアナルに埋め込んだペニスを動かしながら尋ねた。

「看守さん、そんなに気持ち良いかい?」
「ぁんっ……ふぁっ!」

体内の前立腺をペニスで抉られ、看守と呼ばれた男はビクン、と仰け反った。
同時に看守のペニスの先から少しだけ精液が漏れ出し、刺青の男は愉しそうに笑った。

「あぁ、イイんだね」
「お前、何で、こんな……っ!」

息も絶え絶えに言う看守に、男は言った。

「一体どれの事? 俺がアンタを犯してる事?」
「脱獄……した事だっ!」

二人が乗っているのは、脱獄した男の部下が運転する車。
男は部下に命じて脱獄し、その混乱に乗じてこの看守を攫った。そして今、完全に追っ手を振り切った場所で男は看守を快感に悶えさせていた。
同じ男に犯される。屈辱のはずの行為で気持ち良くなっている。その現実から逃れたくて、看守は感じながらも質問を続けた。

「何でだ……お前、んぅ、あっ。何で俺を……人質にでも使うつもりか……んぅっ!」
「ンなつもり無いよ。ただ、俺がアンタを好きだから攫っただけ」

悪戯に笑われ、短くキスが行われた。看守は呆然とするが、すぐに怒る。

「ふざけるなっ! そんなふざけた……んぅ、理由で、こんな……っあ! 罪が重くなる事をぉ!」
「真面目だよ、俺は。アンタを抱けたなら何も要らない。この脱獄だって終わったら俺の財産を部下達に譲る約束だし、何より、アンタを抱けたら別に処刑されてもいいさ。お人好しで、可愛い看守さん」
「いい加減に……っ!?」

看守は驚いて息をとめる。手枷を嵌められた手に、拳銃を持たされたから。

「どうしても俺に可愛がられるのが嫌なら、それで撃ち殺してくれていいぜ。部下もアンタに危害は加えないし、アンタは大手柄だ」

男の言葉が終るか終らないかという時、看守が動いた。ベッドの下へと、拳銃を投げ捨てたのだ。

「出来るか! んっ……お前、そんなに、あっ……悪い奴じゃねー、んっ、のに……」

自分を攫って、拘束して、犯している相手にそんな甘い事を言う看守。男は少し呆れながらも、愛しさを込めて頭を撫でた。

「アンタやっぱり、お人好しだ」
「んむ……っ!」

唇を深く奪われ、看守はぴくぴくと震えた。
嫌な行為だったのに、今では少し嬉しくなっている。快感に素直になり始めた看守を見て、男は更に優しく敏感な部分を可愛がり出した。

「んんーっ!」

看守はベッドを軋ませて、ペニスからまた精液を溢れ出させていた。
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