BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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嬲られた正義は名ばかりの休息へと無慈悲に縫い付けられる

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視界を閉ざす黒革で作られた目隠し越しに、反抗の視線を飛ばす気力も無い。口を喉まで貫く男根を模した枷越しに、怒気を携えた唸りを放つ余裕も無い。
裸体に剥かれ、左右の肘から先を背中で重ねさせた腕をすっぽりと包んで締め上げる黒革製のアームバインダーを装着され、無理矢理に折り畳ませた左右の足を腕と同様に囲んで圧迫する黒革の器具を与えられた男はもう、拘束と戦う意思を紡ぐことさえ叶わない。
守りたくても守れない器官にされた乳首を好き勝手にいたぶられ、無防備にさらけ出された男根を容赦無く淫らに刺激され、淫薬の力を借りて強制的に弛緩させた尻穴を憎き敵達の男根で犯し抜かれた男はもはや、虚勢を張ることすらも出来はしない。
見ることとしゃべることを禁じる縛めの上から嬉々として浴びせかけられた白く粘つく精液に不快を抱く余力さえも削ぎ落とされた今の男は、精液に汚れた髪を代わる代わるに掴んで抗えぬ肉体に不安定な移動を強要する敵の男達の思い通りに運ばれるだけの存在でしか無いのだ。

「捜査員さん、もうすぐ捜査員さんの為に用意した部屋に着くぜ」
「そこに着いたら、思う存分休んで良いからな」
「おっ、もごっ……」

ただただ無言で自分を連行していた敵の男達が、不意に目的地への到着が迫っていることを笑い混じりに知らせる。それに対し、無慈悲な快楽の責め苦に心と身体を打ちのめされた捜査員の男は思わず安堵を募らせた。
そこに着けば辱めを受けなくて済む。今日はもう休ませて貰える。正義の矜持を雄としての尊厳と共に雌の至福で破壊された捜査員の男は、流し込まれた精液をだらしなく零している尻穴と自らと敵達の精液で淫蕩に輝いている萎えた男根を震わせながら、間抜けな喜びの感情を唸りに乗せて反射的に示す。
そんな滑稽な正義の姿を堪能しながら、捜査員を生け捕りにして弄んだ悪の男達は残忍に口角を吊り上げた。何も知らずに、何も分からずに嬉しがっている。その愉快極まりない捜査員を目的地である部屋へと進ませた悪達は、逆らえぬ裸体を扉から見て正面に位置する壁へと移動させ、その場所から離れられないようにさせる駄目押しの拘束を重ね始めた。

「んぅ!? もぼぉっ!?」

突然に訪れた更なる悪意の感触に捜査員が驚愕の唸りを発しても、悪達は当然手をとめない。口を満たす枷の底部分にある丸い金具を壁側にある丸い金具へと南京錠で結合し、足を伸ばせなくさせている拘束の表面にある金具達も同じように壁の金具へと南京錠で繋ぎ、胴体部分を背中で自由を奪った腕ごと黒革のベルト達を用いて壁に縫い付けた悪達は、精液を垂れ流している尻穴に押し込んだ極太のバイブという栓の底にある丸い金具と床に取り付けられた金属の板に差し込んだ太く短い金属の棒へと接続して、捜査員をさっきまで強いられていた惨めな歩行すらも不可能な状況へと追いやってしまった。
だが、悪達による非道はまだ終わらない。壁に繋がれた肉体をよじらせ、そのもがきに合わせて尻穴を抉るバイブが生み出した快感に男根を再び硬く膨らませている捜査員の無意味な試行錯誤をしばし満喫した悪達は、捜査員の肉体に想定通りの拘束がちゃんと施されている事実を共有しつつ、捕らえた正義に休息とは名ばかりの甘い拷問を、延々と犯し抜かれ絶頂を続けざまに迎えさせられるさっきまでの凌辱の方がまだ有情だったと思えるような地獄を、捜査員を繋いだ壁にある操作盤を弄ることで作り上げてしまった。

「むぉっ!? ふ、ふぶ、あおぉ……っ!」

壁と一体化している装置が、自身に密着する形となった乳首と男根に小刻みな振動を注ぎ出す。尻穴を最奥まで征服した偽の男根が、約十秒に一回というかすかな振動を開始して腸内にわずかな悦楽を味わわせ始める。
無論、それらの加虐では絶頂になど達せはしない。敵である悪達の辱めで過敏となった恥部はほんの小さな刺激すらも大きな快楽として受け取ってはいるが、到底射精には至れない。
絶頂には辿り着けない。もどかしい至福に苛まれながらでは、眠りに堕ちることすらも許されない。出口を奪われた悦びの牢獄に喘ぎながら自分を余計に嬲るだけの動きを身体に行わせ乳首と男根と尻穴に追加の快楽を虚しく送る捜査員の様子に目を細め頷いた敵の男達は、完全な堕落が予約された正義に背を向けつつ、別れの言葉を口々に発した。

「じゃあお休み、捜査員さん」
「明日は今日よりもきつく躾けてやるからな。それまでしっかりと休んでおくんだぞ-?」
「うぶ、ぼごおぉ! ぶぁ、ふぶ、あみゅぅぅぅ……っ!!」

行かないで下さい。枷に遮られ不明瞭となっていても内容が分かる屈服の唸りを無視しながら、悪の男達は捜査員を淫獄に突き落とした部屋を施錠し、扉越しに廊下へと響く絶望色の絶叫を耳にしつつ、為す術無く淫猥に壊されるだけの存在となった正義を残してその場を去っていくのだった。
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