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男は偽りも真実も紡げない新たな淫獄の様を鑑賞される
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独房の壁に設置された己を捉えているカメラに向かって蕩けた笑みを浮かべながら、一人の男が床と一体化している偽の男根を用いた自慰に耽り続けている。扉に外部から鍵を施され脱出を禁じられている立場にある者が見せる物とは到底思えない表情を作り、その表情の両隣にピースサインを構えながら、カメラの前に裸体を晒した男が丸出しにした男根を跳ね回らせつつの上下運動を夢中になって繰り返している。
何も知らぬ第三者から見たら、それは生粋の淫乱が己の意思で自慰を披露しているようにしか見えないだろう。自身の正面にあるカメラを通して痴態が建物中に配置されたモニターに生中継されている事実を知った上で尻穴を休み無く紛い物の男根でほじくり回している男は、これ以上無くふしだらな存在としか認識されないだろう。
しかし、実際は違う。男の心は、快楽を嬉しがり絶え間無く上下に往復している肉体とは裏腹な拒絶の絶叫を発している。
そしてその証拠は今、独房内に流し込まれていた残酷な支配の電波が性質を変化させたことによって誰にも明らかな形で提示され始めた。
「お尻ぎもちいいですぅっ! もっとイきたいぃっ! もっ、もぉやらぁっ! イがぜないでぐれぇっ!! 身体……動かさないで、くれぇぇ……んぁぁぁーっ!!」
直前に紡いでいた快感を肯定する鳴き声を反転させた快感を嫌がる哀願の悲鳴をカメラの向こうにいる非道な敵達に対してなりふり構わずに飛ばしながら、自らの意思に反した行動を勝手に取り続ける裸体が手に入れた悦びに屈して男がまた絶頂に達した。
幾ら我慢しても、その我慢を突き崩す形で自身の肉体に快楽を味わわされる。すでに正常な射精を行えないくらいに頂点へと導かれたというのに、男は独房内に漂う不可視の電波の命令に従って自分の許可無く悦びを追求する身体に嬲られながら、色と量の薄まった精液をひり出させられていく。
「だじゅげでぇぇっ! おぢり、変になるぅっ!! イぐのやら! やりゃぁっ!! もぅやべでぇぇぇーっ!!」
敵に無様な己をさらけ出したくないという意思すらも忘れ去った悲痛な懇願を喉が破れんばかりに放ちながら、男が断続的に襲い来る淫らな至福に抗えず絶頂に至る。先程までの笑みを完全に失った痛々しくも艶やかな泣き顔を中継されながら、男が頭部の横にピースサインで固められた両手と常に酷使を強いられている足を小刻みに震わせつつ、淫獄の終了を願う。
だが、男の思いが汲み取られることは無い。予想通りに溢れ出した愉快な助けてを離れた場所で満喫する敵達は、色を変えた痴態の様を歪んだ高揚を滾らせつつ愉しみ、一分の経過と共に再度色を変化させた痴態に、充足の笑みを零し始めた。
「もっ、もぉっ! イがぜな、むぅぅっ!?」
まだ言葉を繋げようとしていた口が、男の意図しない形で引き結ばれる。どんなに指示を飛ばしても離れなくなった上唇と下唇に絶望し、男は呼吸に使える唯一の器官となった鼻を間抜けに鳴らしながら、息苦しさにも苛まれつつの淫獄に狂わされていく。
「んぐぅぅぅっ! ぶぅぅーっ! むぎゅぅぅぅぅーっ!!」
絶頂の到来を知らせ鑑賞を促す偽りの言葉も口に出来ない。絶頂を拒み鑑賞と快楽の中止を請う真実の言葉も口に出来ない。その状況に打ちひしがれさっきよりも不完全な精液を絶頂に合わせて迸らせる男をそれぞれの場所で堪能しながら、敵の男達は次の一分後にやって来る自分達ですら内容が分からない不規則な責めの内容に対する期待を、組織の構成員全てに娯楽として公開されている惨めな正義の男の唸りを聞き正義の裸体の痙攣を眺めつつ、際限無く湧き上がらせていくのだった。
何も知らぬ第三者から見たら、それは生粋の淫乱が己の意思で自慰を披露しているようにしか見えないだろう。自身の正面にあるカメラを通して痴態が建物中に配置されたモニターに生中継されている事実を知った上で尻穴を休み無く紛い物の男根でほじくり回している男は、これ以上無くふしだらな存在としか認識されないだろう。
しかし、実際は違う。男の心は、快楽を嬉しがり絶え間無く上下に往復している肉体とは裏腹な拒絶の絶叫を発している。
そしてその証拠は今、独房内に流し込まれていた残酷な支配の電波が性質を変化させたことによって誰にも明らかな形で提示され始めた。
「お尻ぎもちいいですぅっ! もっとイきたいぃっ! もっ、もぉやらぁっ! イがぜないでぐれぇっ!! 身体……動かさないで、くれぇぇ……んぁぁぁーっ!!」
直前に紡いでいた快感を肯定する鳴き声を反転させた快感を嫌がる哀願の悲鳴をカメラの向こうにいる非道な敵達に対してなりふり構わずに飛ばしながら、自らの意思に反した行動を勝手に取り続ける裸体が手に入れた悦びに屈して男がまた絶頂に達した。
幾ら我慢しても、その我慢を突き崩す形で自身の肉体に快楽を味わわされる。すでに正常な射精を行えないくらいに頂点へと導かれたというのに、男は独房内に漂う不可視の電波の命令に従って自分の許可無く悦びを追求する身体に嬲られながら、色と量の薄まった精液をひり出させられていく。
「だじゅげでぇぇっ! おぢり、変になるぅっ!! イぐのやら! やりゃぁっ!! もぅやべでぇぇぇーっ!!」
敵に無様な己をさらけ出したくないという意思すらも忘れ去った悲痛な懇願を喉が破れんばかりに放ちながら、男が断続的に襲い来る淫らな至福に抗えず絶頂に至る。先程までの笑みを完全に失った痛々しくも艶やかな泣き顔を中継されながら、男が頭部の横にピースサインで固められた両手と常に酷使を強いられている足を小刻みに震わせつつ、淫獄の終了を願う。
だが、男の思いが汲み取られることは無い。予想通りに溢れ出した愉快な助けてを離れた場所で満喫する敵達は、色を変えた痴態の様を歪んだ高揚を滾らせつつ愉しみ、一分の経過と共に再度色を変化させた痴態に、充足の笑みを零し始めた。
「もっ、もぉっ! イがぜな、むぅぅっ!?」
まだ言葉を繋げようとしていた口が、男の意図しない形で引き結ばれる。どんなに指示を飛ばしても離れなくなった上唇と下唇に絶望し、男は呼吸に使える唯一の器官となった鼻を間抜けに鳴らしながら、息苦しさにも苛まれつつの淫獄に狂わされていく。
「んぐぅぅぅっ! ぶぅぅーっ! むぎゅぅぅぅぅーっ!!」
絶頂の到来を知らせ鑑賞を促す偽りの言葉も口に出来ない。絶頂を拒み鑑賞と快楽の中止を請う真実の言葉も口に出来ない。その状況に打ちひしがれさっきよりも不完全な精液を絶頂に合わせて迸らせる男をそれぞれの場所で堪能しながら、敵の男達は次の一分後にやって来る自分達ですら内容が分からない不規則な責めの内容に対する期待を、組織の構成員全てに娯楽として公開されている惨めな正義の男の唸りを聞き正義の裸体の痙攣を眺めつつ、際限無く湧き上がらせていくのだった。
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