BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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幼き主は自分だけの犬を愉しみつつ親指に力を込める

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もはや、気高き捜査員として活躍していた頃の面影は何処にも無い。それどころか、人間であることを証明する情報もほとんど残ってはいない。
左右の目と鼻の穴を除く全てを黒革の内側へと隙間無く閉じ込める犬を模した拘束の衣服を纏わされた今の男は、犬のマスクの内側に配置された棒に歯を立てて無様な唸りを上げつつ苦しみ抜くだけの存在だ。
首や胸部、腹部や腰の部分に取り付けられている金具と自身を仰向けに転がした台の上部に用意された同じ金具を短く結ぶ南京錠達によって身悶えを制限され、黒革の圧迫によって窮屈に折り畳んだ状態を維持させられている手足の外側にある金具と台上部の金具を長い鎖と南京錠で結合された今の捜査員はもう、斜め上に自ら伸ばしているかのような形に保たされた手足を間抜けに振り乱しつつ悶絶させられるだけの滑稽な犬でしか無い。
そんな最高に愉快でいたぶり甲斐のある犬を眺めながら、その飼い主に君臨した少年は自分の願いを受け入れ己が統べる組織の力を行使して捕獲した捜査員を惨めなペットとして誕生日に贈ってくれた父への感謝を尊敬と共に改めて募らせつつ、悪から生まれ悪の英才教育を受けた者に相応しい残忍な笑みを深めありとあらゆる選択肢を没収された捜査員を更なる地獄へと導くリモコンを迷い無く操作してしまった。

「もごぉぉっ!?」

さも当然のようにリモコンを弄った少年に、捜査員が恐怖と絶望に満ちた悲鳴を上げる。自分を攫った悪への怒りを忘れ、自分を好き勝手に嬲って愉しむ父譲りの邪悪さを示す少年への反抗を跡形も無く削り落とされた捜査員が、涙に濡れた瞳から屈服に染まった哀願の意思をなりふり構わずに寄せる。
だが、少年はそんな見応えのある正義の情けない懇願を悠然と味わうのみで先程リモコンに送った指示を撤回する動きを取ろうとはしない。自分を悦ばせるペットに堕ちた捜査員の助けてくださいを無言で却下しつつ満喫する少年は、犬の衣服に包まれた年上の雄々しき男が必死に許しを請う様に興奮を際限無く滾らせるばかりで慈悲を欠片も見せようとはしない。
そうしてただただ自身の心を冷え切らせ打ちひしがせるだけの願いを無意味に主張しながら、捜査員はリモコンからの命令を数秒越しに受け取った残酷な淫具達に、自分を犬に変えた上で縛めをもたらす黒革の衣服に仕込まれた淫具達の新たな攻撃に、望まぬ至福を覚えさせられ始めてしまった。

「おごぉぉぉーっ!? ぼぉっ! あおぉぉぉぉーっ!!」

総帥の息子である○○様がすぐにいたぶって遊べるように。そんな狂った気遣いの元に見た目と感度を大きく肥大化させられた乳首を包囲している薄い装置が、その振動を一層苛烈な物に引き上げて捜査員にこれまで以上の淫獄を叩き込んでいく。
○○様の手を煩わせないよう、どんな時でも常に蹂躙を受け入れ雌の愉悦を感じられるように。雄の尊厳を破壊する躾を容赦無く丹念に加えられた尻穴を奥深くまで貫いている男根型の淫具が、自身と一体化している犬の尾を模した黒い飾りをより激しく踊らせつつ醜悪なイボを無数に携えた自身をより荒々しく暴れさせて陥落済みの腸壁に異常で抗いがたい快楽を刻み付けていく。
左右の乳首と尻穴。過敏な性感帯に育てられた三箇所を責め立てる刺激を同時に加速させられた捜査員は、悦びを拒絶する忍耐の意思すらも間に合わない速度で膨らむ絶頂に戦慄しながらイくことしか出来ない。
意地悪な表情を浮かべながら右手のリモコンを自分に見せ付ける少年に飼育されるペットに貶められた捜査員は、絶頂したら罰として新たな悦びを与えると言葉を挟まずに宣告している男根の装置の駆動を司るダイヤルに添えられた右の親指に怯えを抱きつつ、我慢すらも叶わない勢いでせり上がる射精の渇望に敗北させられるしか無いのだ。

「おぉっ! あぉぉ! もごぉぉぉーっ!!」

顔を左右に振り乱して救いをねだり、身動きを制限された黒革入りの裸体を痙攣させながら為す術無く射精に向かう。
かつて捜査員として悪と戦っていた男が披露する最高の痴態を独占しながら、その飼い主となった少年は身悶えの悲痛さを強めた自分だけの犬に口角を吊り上げ射精の到来が確定となった絶頂寸前の犬を堪能しつつ、黒革の中で何度も何度も精液を迸らせている男根により間隔の狭まった射精を強いる振動の追加をすぐさま与えられるよう、リモコンのダイヤルに触れさせた右親指に力を嬉々として込めていた。
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