BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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無様な犬達は真逆の地獄の中で壊れゆく

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窮屈に折り畳まされた手足を振り乱しながら暴れても、奪われた自由は取り戻せない。首と腹部に施された黒革製のベルトによって背にした壁へと正座のような姿勢で縫い付けられた身体をなりふり構わずにもがかせても、男根の根元と亀頭の真下に巻き付けられた黒いベルトに内蔵されているローターの微弱な振動を振り払うことは出来ない。
どんな手を尽くしても、ありとあらゆる行動を試みても、生まれる変化はばふばふという音が可愛らしく間抜けに奏でられるという変化のみ。拘束の為に作製された悪趣味な白い犬の着ぐるみに左右の目と性器を除く全てを閉じ込められた男は、脱出を求めての足掻きに合わせてふわふわな素材が立てる音に屈辱と絶望を加速させられながら、男根を苛む生殺しの苦悶に為す術無く心と身体を追い詰められるしか無いのだ。

「んうぅ、むっ、ぐぶうぅ……っ!」

頭部を覆う白い犬のマスクに開けられた穴から見えている左右の目を痛々しく見開きながら、涙を零しつつ男が地獄から逃れたい一心で諦め悪く試行錯誤を繰り返す。着ぐるみに包まれた己の身体と壁を繋ぐベルトを振り払えたとしても、四肢を伸ばすことを禁じられた姿では外部から施錠された扉を開けることすら出来はしない。それをはっきりと理解した上で現実から目を逸らすように身悶えを繰り返しながら、男がマスクの内側で穴の空いた黒いギャグボールを噛まされている口からもどかしげな鳴き声を放つ。
そうして足りない快楽だけを男根に延々と注がれる責め苦が、犬に変えられた男をどれだけいたぶった頃だろう。無駄な努力を行うことすら叶わぬ程の疲弊に達した男の正面に位置する扉の鍵が外され、その向こうから無慈悲な仕打ちを作り上げた敵の男達が現れた。
それも新たな犬を、黒い犬の着ぐるみに封じ込められた男を引き連れた状態でだ。

「ほら、捜査員さん。会いたがってた先輩のところに着いたぜ? 嬉しいか?」
「んもおぉ……っ!? うぅ、ふうぅ……っ!!」
「うんうん、嬉しいな。たくさん散歩した甲斐があったな。今から先輩の隣に同じ格好で繋いで、離れたくても離れられないようにしてやるからな?」
「もっ、ごふうぅ……っ!!」

身体の大部分が見えていなくても、目と唸り声で分かる。そんな存在である可愛がっていた後輩が長く強いられたであろう肘と膝で自らを支えた不自然な歩行由来の憔悴に陥っている様子を目にしながら、先輩捜査員である白犬の男は胸に怒りを滾らせた。
本当ならば、大事な後輩を好き勝手に弄んだことへの抗議を唸りに乗せて叫びたい。その反抗の行動すらも下手に逆らえば後輩の方に理不尽な加虐が注がれるという恐れによって禁じられている男が、自分達を拉致した憎き悪達を悔しげに睨み付けつつ、自身の左隣で壁へと縫い付けられていく後輩を詰めた黒犬に打ちひしがれていく。
だが、非道な男達の悪意はここで終わらない。一匹で放置されながら生殺しに苦しみ続けた白犬と休憩すら認めぬ散歩と称した地獄を味わわされながら無防備な男根を決して辿り着けぬ射精欲に苛まれ続けた黒犬を壁へと並んで飾った悪に身を置く男達は、まだ強気に自分達を睨み付けている先輩捜査員の白犬を笑い飛ばしつつ、疲弊しきった後輩捜査員である黒犬の方に残酷な追撃を嬉々として叩き込み始めた。

「んみゅぅぅぅーっ!? ぶ、ぐむぅぅぅーっ!?」
「たくさん良い子に散歩したご褒美だ。思う存分イき狂わせてやるよ」
「散歩させてもらっている間、塞がれた口でイかせて下さいっておねだりしてたもんな。やっとおねだり通りに、それもずっとイかせてもらえるな。良かったな、後輩ワンちゃん?」
「もっ、ごほおぉ! ぶぅ、むぶぁぁぁぁーっ!!」

後輩の頭をマスク越しに撫でつつ男根に嵌めたベルトのローターの振動を最大の物へと引き上げた悪の男達が、生殺しの地獄を反転させた連続絶頂の地獄をさも慈悲であるかのように言いつつ宣告する。
それに対し、左隣で伸ばせぬ手足をバタつかせながら早くも絶頂に達し間髪入れずに次の絶頂へと押し上げられていく後輩を横目で見つつ、先輩である白犬が怒気を維持出来なくなった目で焦りと懇願を乗せた眼差しを悪達に飛ばす。
しかし、悪達はその恥を捨てた願いを聞き入れない。むしろついさっきまで立場を弁えない怒りを抱いていた白犬の反応を満喫しながら、悪達は今度は白犬の頭部をマスクの上から嘲るように撫で回しつつ絶望を確定させる言葉を浴びせた。

「先輩ワンちゃんはまだお預けだ。頑張って歩いた後輩ワンちゃんが満足するまでイったら、こっちの玩具も強くしてイきまくらせてあげるからな?」
「もごおぉ!! うぅぅぅーっ!!」
「そんなにお願いしても駄目だぞ。あんまり聞き分けが悪いと、今日はこのまま後輩の方だけ玩具を強くしたまま置き去りにしちまうからな?」
「うふ、もごおぉ……っ!」
「むぎゅぅぅぅぅーっ!!」

後輩ではなく自分の方を嬲ってくれ。そう要求することすらも脅しによって禁じられた先輩の白犬と、その真横で甘く甲高い絶叫を上げながら射精を断続的に行い体毛としてあしらわれた黒い素材を白く淫らに汚していく後輩の黒犬。そんな二匹が全く別の絶望と苦悶を注がれつつ壊れていく過程を堪能しながら、悪達は淫獣への堕落が決定した元正義の犬達が情けなく滑稽に苦しみ抜く様を悠然とした勝者の態度で見下ろし続けていた。
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