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悶え狂う裸体の前で男は二つの愉快を味わう
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中で幾ら騒いでも、地上には一切漏れ出ない。なりふり構わずに助けを欲しても、それは救いを与えてくれる誰かには決して届かない。
そんな地下空間に耳障りな縄の音と苦悶に歪んだ意味を成していない唸りを響かせながら、男は縛められた裸体をよじらせつつ地獄からの解放を折られた心で望んでいた。
「んぐぅぅーっ……むうぅ、んもおぉぉ……っ!」
どれだけ力を込めても緩みすらしない。厳重に施された縄の拘束を虚しく鳴らしながら、屈服に至った男が恥と誇りを捨てた態度で慈悲を懇願する。背にした細く丸い柱の後ろで左右の手首同士と二の腕同士を縄に括られ、左右の足首同士と太もも同士を結合する縄を別の縄を用いて同じ柱へと結合され、裸体全体を這う様に加えられた縄によって全身を柱へと縫い付けられた男が、視界を封じ言葉を奪っている黒革製の全頭マスク越しに許しを請い、責めの終了を希求している。
だが、男を捕らえ地下の柱に縛り付けた無慈悲な男達はその悲痛な願いを汲み取ってやろうとはしない。あの目障りだった男が、無様なまでの陥落を迎え自分達へと必死に媚びている。マスクの黒革を通して視線を間抜けに寄せながら、マスクの内側に突き出た男根型の棒に塞がれた口で縋り付くような唸りを発している。その滑稽な事実を自らの興奮を煽り勝利の実感を加速させる材料として扱っている残酷な男達は、残されたわずかな選択肢を総動員させて救済を求めている男を嘲笑いながら、かつて敵だった男を惨めな敗北に導いた非道な責めを嬉々として再開してしまった。
「んむうぅ!? ぶっ、んぎゅぅぅーっ!!」
絶望色の驚愕に染まった絶叫を地下に反響させながら、男が縄の音を一層激しくさせつつ裸体をまた痙攣させ始める。何処にも逃れられぬ身体をめちゃくちゃによじらせマスクの鼻部分に空いている穴からみっともなく乱れきった呼吸の音をプスプスと奏でている男が、周囲に敵達がいるという情報も忘れて鳴き叫びつつ、一方的に注がれる悦楽に流されての絶頂へと追い詰められていく。
「んもっ、ぶむおぉぉっ!! うー! うみゅぅぅ!!」
愉快に身をくねらせ、柱に繋がれた裸体が甘く踊る様を敵達に披露しながら男が快楽の極みへと向かう。マスクに隠された顔を安堵へと無自覚に近付け、悲鳴に含まれる感情を抑えきれぬ幸福で満たしながら、男が射精へと迫っていく。
しかし、冷酷な敵達はそうして絶頂を嬉しがり出した男を愉悦を剥き出しにした笑みを浮かべつつ堪能すると、勝手に絶頂を歓迎している愚かな男に罰を与えるかの如く地下室の床と一体化している箱型の装置を躊躇い無く弄り、目前まで来ていた絶頂の瞬間を淫らな弱点にあてがった器具の停止という形で没収してしまった。
「もごあぁぁぁぁーっ!? んもっ、む! ぶもあぁ……!!」
打ちひしがれた態度で途絶えた快楽を探し求めても、自力ではそれを取り返せない。理性を無くしつつある男が裸体を一生懸命に悶えさせても、丸出しにさせられた男根を睾丸と合わせて隙間無く包み込むように装着された黒い器具の振動は帰って来てはくれない。
絶頂寸前まで男根を高められ、快楽をとめることで絶頂をお預けされる。そんな地獄を延々と味わわされている男が自身を包む黒の内側で苦しげに脈動しつつ射精を迎えたがっている男根を縄の拘束に認められた範囲で無様に跳ね回らせている光景を堪能しながら、男を捕獲し支配者の側に立った敵の男達は張り詰めている男根から射精欲が遠ざかり硬度を失い始めた瞬間を狙って再び器具に振動を行わせ、次の生殺しを前提とした快楽によがり狂う男ととっくに知っていたはずの寸止めに悶え苦しむ男という二つの愉快をまた、無言と黒く歪んだ笑みを保ちつつ味わっていくのだった。
そんな地下空間に耳障りな縄の音と苦悶に歪んだ意味を成していない唸りを響かせながら、男は縛められた裸体をよじらせつつ地獄からの解放を折られた心で望んでいた。
「んぐぅぅーっ……むうぅ、んもおぉぉ……っ!」
どれだけ力を込めても緩みすらしない。厳重に施された縄の拘束を虚しく鳴らしながら、屈服に至った男が恥と誇りを捨てた態度で慈悲を懇願する。背にした細く丸い柱の後ろで左右の手首同士と二の腕同士を縄に括られ、左右の足首同士と太もも同士を結合する縄を別の縄を用いて同じ柱へと結合され、裸体全体を這う様に加えられた縄によって全身を柱へと縫い付けられた男が、視界を封じ言葉を奪っている黒革製の全頭マスク越しに許しを請い、責めの終了を希求している。
だが、男を捕らえ地下の柱に縛り付けた無慈悲な男達はその悲痛な願いを汲み取ってやろうとはしない。あの目障りだった男が、無様なまでの陥落を迎え自分達へと必死に媚びている。マスクの黒革を通して視線を間抜けに寄せながら、マスクの内側に突き出た男根型の棒に塞がれた口で縋り付くような唸りを発している。その滑稽な事実を自らの興奮を煽り勝利の実感を加速させる材料として扱っている残酷な男達は、残されたわずかな選択肢を総動員させて救済を求めている男を嘲笑いながら、かつて敵だった男を惨めな敗北に導いた非道な責めを嬉々として再開してしまった。
「んむうぅ!? ぶっ、んぎゅぅぅーっ!!」
絶望色の驚愕に染まった絶叫を地下に反響させながら、男が縄の音を一層激しくさせつつ裸体をまた痙攣させ始める。何処にも逃れられぬ身体をめちゃくちゃによじらせマスクの鼻部分に空いている穴からみっともなく乱れきった呼吸の音をプスプスと奏でている男が、周囲に敵達がいるという情報も忘れて鳴き叫びつつ、一方的に注がれる悦楽に流されての絶頂へと追い詰められていく。
「んもっ、ぶむおぉぉっ!! うー! うみゅぅぅ!!」
愉快に身をくねらせ、柱に繋がれた裸体が甘く踊る様を敵達に披露しながら男が快楽の極みへと向かう。マスクに隠された顔を安堵へと無自覚に近付け、悲鳴に含まれる感情を抑えきれぬ幸福で満たしながら、男が射精へと迫っていく。
しかし、冷酷な敵達はそうして絶頂を嬉しがり出した男を愉悦を剥き出しにした笑みを浮かべつつ堪能すると、勝手に絶頂を歓迎している愚かな男に罰を与えるかの如く地下室の床と一体化している箱型の装置を躊躇い無く弄り、目前まで来ていた絶頂の瞬間を淫らな弱点にあてがった器具の停止という形で没収してしまった。
「もごあぁぁぁぁーっ!? んもっ、む! ぶもあぁ……!!」
打ちひしがれた態度で途絶えた快楽を探し求めても、自力ではそれを取り返せない。理性を無くしつつある男が裸体を一生懸命に悶えさせても、丸出しにさせられた男根を睾丸と合わせて隙間無く包み込むように装着された黒い器具の振動は帰って来てはくれない。
絶頂寸前まで男根を高められ、快楽をとめることで絶頂をお預けされる。そんな地獄を延々と味わわされている男が自身を包む黒の内側で苦しげに脈動しつつ射精を迎えたがっている男根を縄の拘束に認められた範囲で無様に跳ね回らせている光景を堪能しながら、男を捕獲し支配者の側に立った敵の男達は張り詰めている男根から射精欲が遠ざかり硬度を失い始めた瞬間を狙って再び器具に振動を行わせ、次の生殺しを前提とした快楽によがり狂う男ととっくに知っていたはずの寸止めに悶え苦しむ男という二つの愉快をまた、無言と黒く歪んだ笑みを保ちつつ味わっていくのだった。
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