BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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男は何も分からぬまま偽りの常識に従って反抗を示す

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左右の足首同士を肩幅程度の長さしか無い鎖で繋ぐ黒革製の枷を嵌められ、手首同士を全く遊びの無い短い鎖で結ぶ黒革の枷を与えられた男が、隷属の証として装着された白い首輪の重みを絶えず感じさせられながら脱出に向けての努力を試みている。
首輪と同じ色をした白に全てを染め上げられた殺風景な部屋の中央で膝立ちとなった男が、背中で左右を繋がれた腕を必死に動かしつつ屈辱に満ちた状況からの逃走を求め続けている。
だが、傍から見たら男のその行動は拘束から逃れようとしているとは一切思えない。自身から自由を奪い惨めな立場を思い知らせる拘束と首輪のみを裸体に纏わされた男の動きは、焦りと憎き敵に対する苛立ちを募らせながら己を危機から解放させようとしている者が行う物とは大きくかけ離れている。

「くそっ……早く、早くイかなくては……奴らが、また……っ!!」

これが、この場における最善の選択肢。正義としての誇りに従って取る最良の行動。そう心の底から信じて不自由な腕を酷使し可能な限りに伸ばした指で自身の尻穴を一生懸命に掻き回している男は、自身の異常に気付くことはおろか欲している尻穴での絶頂に至ることも叶わぬまま、自分を捕らえた敵である悪が部屋へと訪れる時刻を迎えさせられてしまった。

「捜査員さん、お早う。今日も逃げようと無駄に自分でケツ穴ほじってたみたいだねぇ、お疲れ様」
「後ちょっとでイけそうなのに、今日もイけなかったねぇ。チ〇コビンビンに硬くして我慢汁もだらだら垂れ流してるってのに……惜しかったねぇ」

嘲りと侮蔑を込めた笑い混じりの言葉を浴びせながら、二人の悪が希望に縋って尻穴での自慰に耽っていた捜査員を見下す。それに対して、捜査員と呼ばれた男は何も言葉を返さない。自身を飼育する空間に選ばれた部屋の壁や床に埋め込まれた装置と機械仕掛けの首輪が織り成す精神と肉体の支配に囚われた捜査員は、今の自分が悪にとって都合の良い性処理道具に堕ちているという事実にも辿り着けぬまま、植え付けられた偽りの常識に沿って反抗の意思を無様に示すだけだ。

「へへっ、御託は良いからさっさと口とケツ穴を使えってか? 相変わらず反抗的だねぇ」
「まぁ、それくらい強気な方が俺達もいたぶってて愉しいからよ。精々思う存分俺達のチ〇コを上と下でしゃぶりながらイきまくって、正義の誇りとやらを見せてみると良いさ」

震える足に力を込め、望んだ通りに使えぬ腕の助けも借りて裸体を立ち上がらせた捜査員が無言で上半身を床と平行にさせて口を大きく開き、たっぷりと解した尻穴を腸液に汚れた指で拡げる様を眺めながら、悪の男達は二手に分かれて準備万端な上下の穴に自身の男根で狙いを付け、首輪の機構によって口と尻穴を同時に男根で蹂躙されつつでなければ絶頂に達せなくなったまだ破滅と敗北に気付けていない正義に今日の絶頂地獄を協力して叩き込んでいくのだった。
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