BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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幸福な夫婦は失敗を埋める奉仕の果てに生まれる

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オンボロ自転車を携え当ても無い旅を繰り返してきた。そんな青年はこれまでの人生で感じたことの無い程に熱く甘い火照りに全身を包まれながら目を覚まし、視界に映る見覚えの無い部屋と、この数日世話になった男の想像すらしていなかった姿に狼狽した。

「お、兄ちゃん。起きたかい? ごめんな、ちょいと久しぶりに作ったから村長が分量を間違えて効き目を強くし過ぎたみたいでな……気分は悪かったりしないかい?」

宿の客と主人という間柄で接し、その中で幾度も見た豪快かつ穏やかな笑みをこちらに向けながら、男がばつが悪そうに謝罪を口にする。
その言葉で自分が意識を失う前に取っていた行動に思い至った青年は、村に伝わる儀式の手伝いを頼まれた時には全く覚悟していなかった展開に対する問いを、自分の前で分かりやすく発情に至っている男にぶつけた。

「○○さんもあの、薬湯を……?」
「あぁ、飲んだよ。飲んだだけじゃない、俺は身体にも塗ったよ。そこまで硬くなってたら……穴が無くちゃ収まらないと思ってねぇ」

言いながら、硬くぷっくりと膨らんだ左乳首を指で捏ねはち切れんばかりに滾った己の男根を右手で緩く扱いていた男が、床に敷かれていた布団の上へと仰向けに転がる。まだ事態を把握し切れていないまま上半身を起こしたあぐらの体勢を取り息を乱しつつ男根を脈動させている青年の前で足を開き、塗り込んだ薬湯と指による責めで準備万端となった尻穴をはしたなく晒しながら、気さくな宿の主人から淫蕩に出来上がった雄に堕ちた男が、改めての謝罪と共に誘惑を口にする。

「兄ちゃんをそんな状態にしたのは、久しぶりに若い男が来た、久しぶりに祭の儀式がちゃんと出来るって舞い上がって他の準備が問題無く出来るかを確認してなかった俺の責任だ。本当は一晩の間ちょっと捧げ物として悶々としてもらうだけだったのに、しなきゃ収まらなさそうなくらいの状況を作っちまったのは考え無しに兄ちゃんに役目をお願いした俺のせいだ。だから、もし嫌じゃなかったら俺のこの穴を好きなだけ使ってくれ。手加減なんて要らないからさ」

期待と申し訳無さに歪んだ表情でこちらを見つめながら、男が尻穴をヒクヒクと収縮させる。たっぷりと仕込みを終え雌に仕立てた穴を見せ付けながら、男が自分を使ってくれと提案する。
この数日雄々しさを絶えず感じさせていた年上の男が、自分の男根を欲している。程良い筋肉に覆われた裸体を己の意思で淫らに昂ぶらせた上で迷い無く自分に捧げながら、不備に対する許しを請うている。
その状況に堪らない興奮を掻き立て、一切考慮にも入れていなかったはずの同性での交尾を心の底から望みながら、青年は開かれた男の足の間に自身の身体を割り込ませ、男と自らが求めるままに性交へと及び、誤って強力な媚薬と変わらぬ物体として作製された薬湯の効果が抜けても気付かぬ程の獣欲に仲良く溺れつつ、お互いの高まった肉体を二度と離れたくないと願いそれを夫婦として実行に移す程の恋情が築かれるまで貪り合っていくのだった。
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