BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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雄々しき雄は主の前で無様を幸せに披露する

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顎に髭を蓄えた、雄々しく獰猛さを感じさせる顔。一目見て誰もが強者だと判断する程に鍛え上げられた、浅黒く筋肉質な肉体。そして、人ならざる者であることを示す頭部の両脇から生えた一対の角。
それら全てが普段の様子を全く感じさせぬくらいに情けなく、加えて淫らに蕩けている様を絶対の主の立場で満喫しながら、青年は自分だけの男の痴態を愛しげに嘲笑いつつ、支配下に置いた裸体を甘く嬲る魔術の強度を嬉々として引き上げた。

「あひっ、んひっ、はひぃぃんっ!」

顔を至福の色に染め上げた男が、荒く乱れた吐息と共に淫猥な鳴き声を上げつつ全身を心地良さげに痙攣させる。
分厚い胸板の頂点で真っ赤に充血しはしたなく尖りきって自己主張している左右の乳首の根元と、限界まで張り詰め透明な淫蜜を絶え間無く先端から滴らせている太く長い男根の亀頭真下を捉えた丸い魔法陣が、悶える男の動きを追従する形で宙を躍りつつ淡い桃色の輝きを深め無から生成した悦楽を絶えず味わわせていく。
程良く引き締まった尻肉の谷間へと中心に尻穴を据える形で貼り付いた同じ魔法陣が、嬉しそうに腰を振って快感を貪っている男に休憩すら認めぬまま、肛虐の愉悦を次から次へと刻み付けていく。
その一方的な責め苦から逃れる術など、今の男には無い。本来ならば格下であるはずの人間が用いる魔術に全身を掌握されている魔族の男は、迷い無く出力を引き上げられた快楽の魔術を振り払いたくても振り払えない。
肌に直接刻まれた服従の魔術に何もかもを握られた自分はもう、魔族である自分を正面から打ち倒し身体だけでなく心までもを屈服させた青年魔術師を愉しませるだけの存在でしか無い。乳首と男根と尻穴という三箇所の弱点を同時に淫蕩な魔術に苛まれている自分はもはや、頭部の後ろで左右の手を組みみっともなくがに股に開かされた足を間抜けに震わせつつ悶え苦しむ様を主に君臨した青年が求めるままに捧げるだけの生物でしか無い。
力こそが全て。そんな価値観を有する魔族に生まれた上で誤魔化しも利かぬ程の敗北を喫し、調伏されたその身にこれまで知らなかった幸福を二度と忘れられぬくらいに叩き込まれた男は、支配が解けたとしても反抗を考えられぬ程に一切を躾られた惨めで可愛い雄奴隷でしか無いのだ。

「○○、気持ち良いかい? 手も足も出せなくされた身体を延々と焦らされながら今の自分が誰の物なのかを思い知らされるのは幸せかい?」
「ひゃいぃっ、きもひいいれしゅぅっ! ひあわひぇ、れひゅぅっ! イきたいのにイけないのぉっ、ぐるっ、じいのにぃ! 気持ち、よくへぇっ! しあわしぇ、れじゅぅぅっ!!」
「ふふっ、それは良かった。なら、もっと出力を上げてあげよう。もっともっと自分の中で渦巻くイきたいに追い詰められながら悶え苦しむ姿で、ご主人様の僕を愉しませるんだよ?」

返事を待たずに再び紡がれ出した呪文に恐怖や怯えではなく感謝と期待を募らせながら、人々に恐れられる魔族の面影を跡形も無く失った男は汗と淫液に塗れた筋肉質な裸体の火照りを際限無く加速させつつ、もっと非道くしてくださいと請うかのように腰を揺らして最愛の主となった青年の魔術で射精を何時間も塞きとめられ疼きに疼いている男根を上下左右へと滑稽に跳ね回らせていた。
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