残酷な檻は快楽と脱力を無慈悲に禁止する

五月雨時雨

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残酷な檻は快楽と脱力を無慈悲に禁止する

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背後に立った男が行う全身を用いた圧迫によって、青年の裸体がじわりじわりと前に押し出されていく。
左右の足首同士とすね同士、及び太もも同士を縄できつく括られた足での踏ん張りをやすやすと突き崩され、二の腕を胸部に繋ぎ左右の肘から手首までの部分を背中で遊び無く密着させる縄を着せられた上半身での押し返しも無に帰されながら、青年は口を閉ざす黒色の粘着テープ越しに拒絶と恐怖が入り混じった言葉にならぬ絶叫を放ちつつ背後の男の思惑通りに、屋敷の中庭に設置された醜悪な器具との距離を詰めさせられていく。

「んぅっ! んぐ、むぐぅぅっ!! ふぶっ、んっ、むぎゅぅぅぅぅーっ!!」

もう少しで、地獄の準備の第一段階が完了してしまう。その事実に打ちひしがれながら諦め悪く縄塗れの裸体を暴れさせてもやはり無駄で。ならばと半狂乱になって周囲に助けを望んでみても、人気の無い山中に構えられた屋敷の中庭という位置では救助が訪れる気配すらも無くて。青年はどうしようも無い絶望に苛まれながら、とうとう男が用意した自分の肉体に合わせて作られた金属製の檻に、捕らわれた日から媚薬混じりの餌を朝晩に与えられほぼ常に勃起をさせられている男根をすっぽりと飲み込む柔らかなオナホールが設置されている淫猥な辱めを目的として作製された檻に、裸体の前半分を押し込まれてしまった。

「ふぐっ、ぼ、もぉぉぉ……っ!!」

男の手で位置を調整されずとも前進のみでオナホへと挿入させられてしまった男根に、緩やかな締め付けの刺激が襲い掛かる。
数日前から射精を禁じられ生殺しの拷問に嬲られていた青年が、腰を振り乱して快楽と射精を得たいと願う本能を容赦無く掻き立てるオナホの包み込みで理性を溶かされていく。
しかし、非道な男は青年に自らを崩壊に導く欲望に溺れた腰振りを許さない。目論見通りに青年の男根が檻と一体化しているオナホに覆われている事実を確認した男は、青年の背面に押し付けていた自身の肉体を素早く離すと残り半分の檻を躊躇い無く閉めた上で厳重に施錠し脱出はおろか身をくねらせることすらもままならない状況を生み出してしまった。

「っぐ、んうぅ! うふ、むうぅぅ……!」

縄塗れの裸体を幾ら檻の中で悶えさせても、逃げ場は何処にも無い。前に進むことも後ろに下がることも認められない無様な青年は、オナホの中で脈打つ男根に望む快楽を注ぐことも叶わない。
後ちょっとで射精出来るのに、させて貰えない。ほんのちょっとの刺激が得られれば良いのに、それはどうやっても自力では得られない。
出口を失った欲望に苦しみ、間抜けに鳴き喚く滑稽極まりない青年。そんな状態に青年を追いやり苦しげな身悶えを檻越しに堪能する鬼畜な男は、青年がオナホに意識を取られて全く気付いていなかった背面側の檻に仕掛けられた無慈悲な機構を嬉々として動かし、抗えぬ青年に更なる地獄を味わわせた。

「ほぉら、君の大好きなお尻苛めだよ。ずっぷりと、一番深くまで押し込んであげようね……」
「もっ!? ご、おぶぅぅ!?」

背面側の檻の格子と一体化している無数のイボを纏った張型が、自身を支える金属の棒を回転させた男の左手の動きに従って無防備な青年の尻穴を最奥まで貫いていく。甘い苦悶に喘ぐ青年を無視しながら限界まで押し込まれた張型は、檻と繋がった支えの棒を固定するダイヤルをしっかりと締める右手でその位置を維持させられていく。
男根をいたぶるオナホの感触だけでも辛く苦しかったのに、連日の調教によって性器に貶められた尻穴をみちみちに埋め尽くす張型までもを上乗せで与えられた。檻に前後左右を取り囲まれ、張型を用いて尻穴に上方向の力を加えられた青年は、確かに淫らな責めで嬲られているはずの男根と尻穴に望む快楽を一切もたらせないつま先立ちの体勢を強要されてしまった。
気持ち良い。間違い無く気持ち良いのに全然足りない。気持ち良いのに、もっと気持ち良くなりたくて苦しい。
悦びと苦しみが同時に膨らんでいく矛盾した拷問に心を掻き乱され、気を紛らわせる身じろぎさえも満足には行えなくなった青年の悶絶を至福の表情で鑑賞する残忍な男は、悲痛な呻きを漏らしつつ縋る視線を寄せる愉快な青年を味わいながら檻に閉じ込めた裸体の前に立つと、快楽のとどめを渇望する青年に非情その物な宣言を口にした。

「実に良い格好だ。今日はその素敵な格好のまま、一日中苦しめさせてあげよう。イきたくてもイけないまま一日ずっと追い詰めて……夜になったら気持ち良くなることしか考えられなくなったおチ○チンとお尻を、この玩具のスイッチを入れて失神するまでイかせまくってあげるからね……」
「むごっ、もぉぉ……うぶ、ふむううぅ……っ!!」

男根を内側に収めた半透明なオナホをつついた男の指先に反応して過敏な悲鳴を発しながら、青年は夜になるまで解放の時がやって来ないという事実に戦慄し、脱力さえも不可能にされた裸体をただただ強ばらせていた。
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