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5】クリスマス会の話をしていれば、また突然現れた
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5】クリスマス会の話をしていれば、また突然現れた
互いに家を出て、一人暮らしを始め。
それでも、俺と圭介の腐れ縁は切れることなく。なんなら、同じマンションに住むまでなっていた。近所どころではないが、相手は圭介だ。もう慣れた。朝は朝で、一緒に会社へ向かい。帰りも割と一緒に帰る。
(学生時代と変わらないじゃないか)
そんな変化のない日々のなか、日常に見える景色に変化が見え始めた季節。
楽し気な音楽と、明るいイルミネーション────そう。季節は冬。クリスマスがやって来る頃。会社でも、ちらほらとクリスマス会する? と若手の皆が、話し合っている声が聞こえた。それから、満を持した様子で俺の方へやって来る。
「遠野さん。今度、クリスマス会をする予定なんですけど、遠野さんもどうですか?」
「俺も誘ってくれるのか? 声をかけてくれて、有難う。でも俺ももう、皆みたいに若くないからな……。クリスマスを一日中楽しむほど体力がないんだよ」
「え~~! そんなことないですよ。ガタイ良いじゃないですか」
「俺のは、ガタイが良く見えるだけだって。骨格だよ。それに、あんまり酒にも強くないんだ。だから、皆で楽しんでくれ
。これ、俺の代わりに会費に使ってくれ」
「遠野さん、太っ腹過ぎる……!」
「可愛い後輩のためだからな」
声をかけて貰えたのは、素直に嬉しかった。だが、言葉通り。30も近づいて来ると、以前のようにオールだとかガンガン楽しむことが出来なくなってくる。体力の衰えとは、こういうことかと静かに感じていた。だがせめてと、会費の足しに財布からいくらか包んで渡した。そのタイミングでた。
「そうそう。俺たちも、もうアラサーなものでね。……って、遠野さん、本当こういうところだよね」
「高木さん……!」
「高木さん、お疲れ様です」
クリスマス会の話をしていれば、颯爽と現れたのは圭介だ。重さを感じたかと思えば、椅子に座った俺の肩に触れてくる。
「圭介。お前、仕事は?」
「やだな。ちゃんと終わってるよ。なんなら、一つ案件決めて来たくらいだし」
ほら、と一旦身体を離し。いそいそと書面を提出した内容を見れば、結構大きな案件だった。
「お前……凄いな」
0の数の多さに、素直に凄いなと思った。流石、営業成績が良い男は違うな。
「でしょ? 遠野さん、俺のことをもっと褒めて良いよ?」
「あ! あの……! 高木さんは、クリスマスの予定とか決まってるんですか?」
俺が駄目なら、圭介だけでもと思ったのだろう。男女ともに、若手が羨望の眼差しで圭介を見つめる。圭介は、いつものようにアイドルような笑顔を浮かべたあと。腰を屈めて俺の座る椅子を抱き締めるような体勢になって言った。
「ごめんね。俺も体力がきつくて。それに、毎年クリスマスは二人で過ごしてるからさ」
「なっ……!」
事実だった。
昔からの習慣と言うのは、なかなか治らないもので。子供の頃から一緒にクリスマスを過ごすことが多かったこともあり、マンションも同じなんだからと、クリスマスも男二人で過ごしている俺たち。
「遠野さんと、高木さんて本当に仲が良いんですね」
「そんなんじゃ……」
そんなんじゃない。そう言い切る前に、無駄に通る声が社内に響いた。
「そ! 俺と遠野さんは、仲が良いんだ」
(け……圭介~~~~~~~~!!)
こうして今年のクリスマスも、俺は圭介と二人で過ごすことになるらしい。
********
互いに家を出て、一人暮らしを始め。
それでも、俺と圭介の腐れ縁は切れることなく。なんなら、同じマンションに住むまでなっていた。近所どころではないが、相手は圭介だ。もう慣れた。朝は朝で、一緒に会社へ向かい。帰りも割と一緒に帰る。
(学生時代と変わらないじゃないか)
そんな変化のない日々のなか、日常に見える景色に変化が見え始めた季節。
楽し気な音楽と、明るいイルミネーション────そう。季節は冬。クリスマスがやって来る頃。会社でも、ちらほらとクリスマス会する? と若手の皆が、話し合っている声が聞こえた。それから、満を持した様子で俺の方へやって来る。
「遠野さん。今度、クリスマス会をする予定なんですけど、遠野さんもどうですか?」
「俺も誘ってくれるのか? 声をかけてくれて、有難う。でも俺ももう、皆みたいに若くないからな……。クリスマスを一日中楽しむほど体力がないんだよ」
「え~~! そんなことないですよ。ガタイ良いじゃないですか」
「俺のは、ガタイが良く見えるだけだって。骨格だよ。それに、あんまり酒にも強くないんだ。だから、皆で楽しんでくれ
。これ、俺の代わりに会費に使ってくれ」
「遠野さん、太っ腹過ぎる……!」
「可愛い後輩のためだからな」
声をかけて貰えたのは、素直に嬉しかった。だが、言葉通り。30も近づいて来ると、以前のようにオールだとかガンガン楽しむことが出来なくなってくる。体力の衰えとは、こういうことかと静かに感じていた。だがせめてと、会費の足しに財布からいくらか包んで渡した。そのタイミングでた。
「そうそう。俺たちも、もうアラサーなものでね。……って、遠野さん、本当こういうところだよね」
「高木さん……!」
「高木さん、お疲れ様です」
クリスマス会の話をしていれば、颯爽と現れたのは圭介だ。重さを感じたかと思えば、椅子に座った俺の肩に触れてくる。
「圭介。お前、仕事は?」
「やだな。ちゃんと終わってるよ。なんなら、一つ案件決めて来たくらいだし」
ほら、と一旦身体を離し。いそいそと書面を提出した内容を見れば、結構大きな案件だった。
「お前……凄いな」
0の数の多さに、素直に凄いなと思った。流石、営業成績が良い男は違うな。
「でしょ? 遠野さん、俺のことをもっと褒めて良いよ?」
「あ! あの……! 高木さんは、クリスマスの予定とか決まってるんですか?」
俺が駄目なら、圭介だけでもと思ったのだろう。男女ともに、若手が羨望の眼差しで圭介を見つめる。圭介は、いつものようにアイドルような笑顔を浮かべたあと。腰を屈めて俺の座る椅子を抱き締めるような体勢になって言った。
「ごめんね。俺も体力がきつくて。それに、毎年クリスマスは二人で過ごしてるからさ」
「なっ……!」
事実だった。
昔からの習慣と言うのは、なかなか治らないもので。子供の頃から一緒にクリスマスを過ごすことが多かったこともあり、マンションも同じなんだからと、クリスマスも男二人で過ごしている俺たち。
「遠野さんと、高木さんて本当に仲が良いんですね」
「そんなんじゃ……」
そんなんじゃない。そう言い切る前に、無駄に通る声が社内に響いた。
「そ! 俺と遠野さんは、仲が良いんだ」
(け……圭介~~~~~~~~!!)
こうして今年のクリスマスも、俺は圭介と二人で過ごすことになるらしい。
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