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17】仕事納めと先約
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17】仕事納めと先約
「遠野さん、今日でいよいよ仕事納めですね」
「そうだな。やっと休みで嬉しいよ」
「私もです! 溜まってたドラマとか一気見しちゃいます」
「それ、良いな」
(俺は一日一日が忙し過ぎて、全然何も予定を作る暇も無かったな)
後輩たちの顔が、随分と嬉しそうだった。それもそうだ、これから、休みに入る。
先日の繁忙期も、無事に乗り切り。普段の忙しさに戻った。つい最近まで、クリスマスでに賑わっていた周囲は、今度はお正月ムードで賑わっている。明るい雰囲気で良い。あっという間に、仕事納めだ。別段交流が苦手なわけではないが、家に早く帰りたい派なので、忘年会が無いのが、とても嬉しい。
俺も休みは嬉しいもので、パソコン画面の時計を見てはあと何時間とカウントダウンをしていた。定時近くになった頃、終礼の声掛けが入り席を立つ。そこには勿論、圭介も立っていた。
「では、皆。今年も有難う。休みに入るが、体調には気を付けるように。では、良いお年を」
「「「「「よいお年を」」」」」」
締めの言葉に、お互いに声をかける。今日は皆残業は無しだと、営業も事務方も皆一斉に帰り支度を始めていた。
「遠野さん」
「圭介か」
「正解」
「あ、高木! これから飲みに行かないか? 高木が来ると、女性陣も喜ぶんだけど」
「有難うございます。すみません、先約があるので」
「そっか。じゃあ、良いお年を」
「良いお年を~!」
(相変わらず、モテる男は大変だな)
聞き間違えるはずのない声が、俺の名前を呼ぶ。先に帰る人たちが、圭介を飲みに行かないか誘っていたが、先約があると断っていた。
(先約があるなら、別に俺を待たなくて良いのに)
そんな俺も、帰り支度に時間はそう掛からない。
「遠野さん、帰り支度終わった?」
「ああ」
「じゃあ、帰ろうか」
そうして、またいつも通り二人で帰る。
「葵は、休み何か予定有る?」
「無いな」
「即答じゃん」
「逆に、俺に予定があったらどうしたんだ? お前、絶対俺もって拗ねるだろ」
「100%拗ねてるね」
「ほらな。まぁ、忙し過ぎて、気づけば休みになったって感じだから」
葵と呼びだしたから、会社からは離れたんだろう。全く……どうして会社では遠野と呼ぶのか。今でも理由が分からない。
(学生時代は、ずっと葵だったくせに)
これも圭介なりに大人になったということか? と思うが、真相は未だ掴めないまま。
「あ! そうだ。圭介。先約は良いのか? 今からでも大丈夫なのか? 俺のことは待ってなくて良かったんだぞ」
「うん? 俺の先約って、葵だし」
「は?」
(俺が先約? 何だソレ)
「会社の人も、そうだって分かってるよ。え、もしかして葵、気づいて無かった?」
「いや、分からないだろ。だって、俺。圭介と何か約束した覚えないし」
「あはは。葵らしい。そ、俺が勝手に葵を先約にしたの。俺の予定は葵で決まってんの。ちなみに、来年の初詣も一緒に行くつもりだから」
「はぁっ!?」
「駄目?」
また無駄に良い顔で、急に困ったような顔をする。俺は、圭介のこういう表情に弱い。自称兄心というものだろうか。
「駄目……じゃないけど」
「じゃあ、年越しも一緒にしような♪」
来年の年明けも、どうやらこの腐れ縁の幼馴染と始まるらしいことだけは分かった。
******
「遠野さん、今日でいよいよ仕事納めですね」
「そうだな。やっと休みで嬉しいよ」
「私もです! 溜まってたドラマとか一気見しちゃいます」
「それ、良いな」
(俺は一日一日が忙し過ぎて、全然何も予定を作る暇も無かったな)
後輩たちの顔が、随分と嬉しそうだった。それもそうだ、これから、休みに入る。
先日の繁忙期も、無事に乗り切り。普段の忙しさに戻った。つい最近まで、クリスマスでに賑わっていた周囲は、今度はお正月ムードで賑わっている。明るい雰囲気で良い。あっという間に、仕事納めだ。別段交流が苦手なわけではないが、家に早く帰りたい派なので、忘年会が無いのが、とても嬉しい。
俺も休みは嬉しいもので、パソコン画面の時計を見てはあと何時間とカウントダウンをしていた。定時近くになった頃、終礼の声掛けが入り席を立つ。そこには勿論、圭介も立っていた。
「では、皆。今年も有難う。休みに入るが、体調には気を付けるように。では、良いお年を」
「「「「「よいお年を」」」」」」
締めの言葉に、お互いに声をかける。今日は皆残業は無しだと、営業も事務方も皆一斉に帰り支度を始めていた。
「遠野さん」
「圭介か」
「正解」
「あ、高木! これから飲みに行かないか? 高木が来ると、女性陣も喜ぶんだけど」
「有難うございます。すみません、先約があるので」
「そっか。じゃあ、良いお年を」
「良いお年を~!」
(相変わらず、モテる男は大変だな)
聞き間違えるはずのない声が、俺の名前を呼ぶ。先に帰る人たちが、圭介を飲みに行かないか誘っていたが、先約があると断っていた。
(先約があるなら、別に俺を待たなくて良いのに)
そんな俺も、帰り支度に時間はそう掛からない。
「遠野さん、帰り支度終わった?」
「ああ」
「じゃあ、帰ろうか」
そうして、またいつも通り二人で帰る。
「葵は、休み何か予定有る?」
「無いな」
「即答じゃん」
「逆に、俺に予定があったらどうしたんだ? お前、絶対俺もって拗ねるだろ」
「100%拗ねてるね」
「ほらな。まぁ、忙し過ぎて、気づけば休みになったって感じだから」
葵と呼びだしたから、会社からは離れたんだろう。全く……どうして会社では遠野と呼ぶのか。今でも理由が分からない。
(学生時代は、ずっと葵だったくせに)
これも圭介なりに大人になったということか? と思うが、真相は未だ掴めないまま。
「あ! そうだ。圭介。先約は良いのか? 今からでも大丈夫なのか? 俺のことは待ってなくて良かったんだぞ」
「うん? 俺の先約って、葵だし」
「は?」
(俺が先約? 何だソレ)
「会社の人も、そうだって分かってるよ。え、もしかして葵、気づいて無かった?」
「いや、分からないだろ。だって、俺。圭介と何か約束した覚えないし」
「あはは。葵らしい。そ、俺が勝手に葵を先約にしたの。俺の予定は葵で決まってんの。ちなみに、来年の初詣も一緒に行くつもりだから」
「はぁっ!?」
「駄目?」
また無駄に良い顔で、急に困ったような顔をする。俺は、圭介のこういう表情に弱い。自称兄心というものだろうか。
「駄目……じゃないけど」
「じゃあ、年越しも一緒にしような♪」
来年の年明けも、どうやらこの腐れ縁の幼馴染と始まるらしいことだけは分かった。
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