【BL】腐れ縁の幼馴染と、キスから始まる恋もある?【幼馴染同士・隠れ執着攻×鈍感受】

彩華

文字の大きさ
25 / 45

24】【番外編:Side・K】大晦日の夜に②

しおりを挟む
24】【番外編:Side・K】大晦日の夜に②

 「んー……」

俺のせいじゃない。
俺はずっと葵のことが好きなのに、初恋で片思いを拗らせている男の前で、無防備になるから。一回キスしたんだから、二回三回も同じだろうと魔が差したんだ。
それでも、一応念のため。葵の隣に座って、顔を近づけてみる。幾分赤みは引いたが、酔っ払いだ。

「葵、起きないとキスしちゃうよ?」

もし起きていたら、冗談だよと逃げられるような言葉遣いで囁いた。

ドキドキドキ。

前回のような、やけくその気持ちじゃない。ちょっとばかり下心を含んだ状況と、もし葵が起きたら? という緊張で、俺の心臓が煩かった。

「……」

(睫毛長いな)

「本当に寝ちゃった?」

こんなに近くで葵の顔を見るのは、いつぶりだろう。閉じた瞼に沿って真っすぐに生えている睫毛が長いことに気付いた。そのまま、反応の無い葵の顔に、静かに自身の顔を更に近づける。たった数センチ。それでも、俺にとっては長い距離が近づいて。

(葵、好きだよ)

頬に「ちゅっ」と唇を当ててみた。

ドキドキドキ。

挨拶のような頬へのキス一つで、また俺の心臓が煩くなる。それから、もっとと欲が出てくる。

「……起きない葵も悪いんだからな?」

理不尽な言い訳だと思う。でも、もっとキスしたかったんだ。

ちゅっ、ちゅっ。ちゅっ……。

肉付きは薄いが、柔らかな頬に二度、三度とキスをする。体温が上がっているのか、なんとなく温かかった。それでも葵が起きる様子は無い。頬から少しずつ唇へ、俺の唇が近づく。そっと顔に手を添えて、唇を重ねた。

柔らかな感触を味わいながら、閉じた口内に流石に舌を侵入させることは出来ない。そうすれば、一発で起きてしまう。頬にキスしたように、ちゅっ、ちゅっと数回唇を当てるだけのキスを数回。そのまま俺は、舌こそ入れないが葵の唇を舌先でなぞった。左右にゆっくりと動かして、口唇をなぞる。下唇の中心は厚みがあって、レロリと念入りになぞった。

ちゅっ、ちゅっ……レロッ……♡ レロォッ……♡

伸ばした舌先から、自身の唾液が伝っていく。葵の顔に垂れることはなかったが、なぞった唇が上からの照明に照らされて反射して見えた。言ってしまえば、艶めいて色っぽい。

(これ以上は、不味い)

フーッ……♡ フーッ……♡

俺も、葵も。
酔っていないのに、身体の熱が上がるのが分かった。その時だ。

「んっ……♡」

鼻孔を抜けるような甘い声に、ドキドキどころじゃない。ドキリとして、一瞬で葵から身体を離した。

*******
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

六年目の恋、もう一度手をつなぐ

高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。 順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。 「もう、おればっかりが好きなんやろか?」 馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。 そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。 嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き…… 「そっちがその気なら、もういい!」 堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……? 倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡

両片思いの幼馴染

kouta
BL
密かに恋をしていた幼馴染から自分が嫌われていることを知って距離を取ろうとする受けと受けの突然の変化に気づいて苛々が止まらない攻めの両片思いから始まる物語。 くっついた後も色々とすれ違いながら最終的にはいつもイチャイチャしています。 めちゃくちゃハッピーエンドです。

僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ/Ⅱ

MITARASI_
BL
I 彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。 「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。 揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。 不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。 すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。 切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。 Ⅱ 高校を卒業し、同じ大学へ進学した陸と颯馬。  別々の学部に進みながらも支え合い、やがて同棲を始めた二人は、通学の疲れや家事の分担といった小さな現実に向き合いながら、少しずつ【これから】を形にしていく。  未来の旅行を計画し、バイトを始め、日常を重ねていく日々。  恋人として選び合った関係は、穏やかに、けれど確かに深まっていく。  そんな中、陸の前に思いがけない再会をする。  過去と現在が交差するその瞬間が、二人の日常に小さな影を落としていく。  不安も、すれ違いも、言葉にできない想いも抱えながら。  それでも陸と颯馬は、互いの手を離さずに進もうとする。  高校編のその先を描く大学生活編。  選び続けることの意味を問いかける、二人の新たな物語。 続編執筆中

何でもできる幼馴染への告白を邪魔してみたら

たけむら
BL
何でもできる幼馴染への告白を邪魔してみたら 何でも出来る美形男子高校生(17)×ちょっと詰めが甘い平凡な男子高校生(17)が、とある生徒からの告白をきっかけに大きく関係が変わる話。 特に秀でたところがない花岡李久は、何でもできる幼馴染、月野秋斗に嫉妬して、日々何とか距離を取ろうと奮闘していた。それにも関わらず、その幼馴染に恋人はいるのか、と李久に聞いてくる人が後を絶たない。魔が差した李久は、ある日嘘をついてしまう。それがどんな結果になるのか、あまり考えもしないで… *別タイトルでpixivに掲載していた作品をこちらでも公開いたしました。

幼馴染み

BL
高校生の真琴は、隣に住む幼馴染の龍之介が好き。かっこよくて品行方正な人気者の龍之介が、かわいいと噂の井野さんから告白されたと聞いて……。 高校生同士の瑞々しくて甘酸っぱい恋模様。

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

普通のβだった俺は

りん
BL
普通の大学生として過ごす白瀬凪が、αの先輩に絡まれる話

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

処理中です...