元黒聖女シャーロットはもう祈らない

くま

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ミーアさんの謝罪と情報

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――週末。
フィナンシェ家の屋敷に、来客がきた。縦ロールで緑色の髪をした令嬢…ミーアさんだった。

「……失礼、いたしますわ」

「いらっしゃい、ミーアさん」

彼女は落ち着かない様子で応接室に入り、周囲を一度見渡してから、話をはじめる。すこしだけ声が、震えているわ‥

「それで学園で、、そのオフィーリア様から……
“シャーロットに、飲ませてほしい”と」

室内の空気が、ぴたりと止まる。
私は、ユリウスがあの時拾ってくれた小さな瓶を見つめると、ミーアさんは、唇を噛みしめ、次の瞬間立ち上がり、深く、深く頭を下げた。

「も、申し訳ありませんわ!!」

勢いよく、縦ロール髪が揺れる。
 
「顔を上げて、あのね、教えてくれて、ありがとう」

その言葉に、ミーアは息を詰めたように目を見開き、
そして、ほっとしたように肩の力を抜いていた。

「……それでは、わ、私はこれで」

その様子を見ながら、私は――ふと、ある噂を思い出す。

ミーアさんの家系は……確か、元々は中立、よね。
教会に深入りしない貴族、けれど、祖母だけは、熱心に礼拝へ通っていた――。


「……ねえ、ミーアさんって、オフィーリアと小さな頃から友人?」

彼女は嫌な顔をしながら否定する。

「まさか、友人というよりも、お婆様がよく教会へ行ってたから私はただつきあってただけだわ」

「オフィーリアって……一人っ子、よね?」

一瞬の沈黙に、ミーアさんは、視線を伏せ、考えていた。私の方をチラッと見てゆっくりと口を開いた。

「……そう、ですわね。表向きは」

その言葉に、ユリウスがわずかに反応する。

「表向き、とは?」

「……祖母から、昔聞いた話ですわ。オフィーリア様は、本来――双子だったそうです」

私は、息を呑んだ。

「……ただ、片方は……すぐに死産だった、と。教会は双子は、タブーです。忌子として、嫌われますもの。古いしきたりなのかわかりませんけどっ。とにかく、私もう帰りますわ!」

「ミーアさん、ありがとう。あの、また買い物へ行きましょう。今度は私が買い物をしたいの」

「……別によろしくてよ。貴女、ドレスとかセンスありませんもの!」

「うん、また」

私は、深く頭を下げた。

そう告げると、彼女はようやく微笑み、帰っていった。






「――待て、縦ロール!」

低い声が、背中にかかった。振り返ると、そこにはソラがミーアを追いかけてきた。

「正直に話してくれたこと、感謝してる」

一瞬、何を言われたのかわからなかったのか、ミーアは
耳まで真っ赤に染め、視線を泳がせた。

「そ、そんな……当然のことを……」

「いや、簡単じゃないだろ」

ソラは、真っ直ぐに言った。

「教会のオフィーリア絡みだ。黙って従うほうが、よほど楽だったはずだろ」

「別にあの女が怖いとかじゃないわ。そ、そそそれよりも!これ!あげるわ!」

「また自慢の高価なもんとか、つまらないのいらないぞ」

ミーアは恐る恐るソラに、小さな袋を渡すと、ソラはやれやれと袋の中身を見ると、貴重な薬草と、小さな手帳だった。

「…これ、何んだ?」

「た、誕生日プレゼントよ!」


と、二人のやり取りをそっと見守る私とユリウスだった。




――ミーアさんが帰った後。机の上に残された、小瓶を見つめながら、ソラが呟く。

「……薬、だよな」

「ええ」

私は、ゆっくりと息を吐いた。

「ええ。昨夜の話の通り教会へ足を運ぶわ、内部から、真実を暴くために」

ずっと、、自分から足を運ぶのを躊躇していた。だけど、
私は改めて教会へ再び行くことを決意する。




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