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へっぽこ姫の仲良し作戦④四章 聖女編
ハウライトの風邪
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あの人が好きな青い薔薇に囲まれて、小さな可愛らしい白い建物に僕は5歳までそこで育っていた。
特に贅沢もせず、小さな庭で畑を作りながら自給自足生活をしながらも時々はあの人の知り合いの大人達が顔を出してくる。
「おかあーさん!みて!これね、ぼくがね!つくったの!」
「あらまあまあ、素敵!ハウライトが作ったのかしら?」
オレンジ色の髪色でいつも美しくいたいと言っているあの人に手作りのロケットを渡した。いつまでも綺麗になれますようにと願いを込めて…。
「うふふ、貴方は自慢の息子だわ!可愛い可愛い私のハウライト!」
「えへへへ。僕、おーきくなって、たっくさんお金もらって、おかあーさんにキレーなロケット買ってあげるんだ」
今おもえば、ニコッとあの人に微笑むたび、あの人の瞳の奥は何処か戸惑っていたような気がしていた。お昼寝をして、ウトウトと僕は庭先で寝ていた時隣にいるあの人は、僕の頭を軽く優しく撫でて
「……ふふ、ハウライト……もう少し遠い処へ私と逃げようか…」
そうあの人は呟いていたような気がしていた。
美しい人だった。
厳しい人だった。
よく笑う人だった。
青い薔薇が良く似合う人だった。
そして…とても残酷な人だ。
バッと目を覚めたハウライトは汗がびっしょりだった。
「……夢か…」
そうハウライトは窓から見える星空を見つめていた。
「え!?ハウアイト兄たまお風邪引いたの!?」
いつもの朝食時間にハウライト兄様は風邪で寝込んでいるらしい。心配だよ!喉とか痛いのかなー?
「ガーネッ兄たま!あとでエメとおむまい行こう!」
そう朝食を食べ終え、ハウライト兄様のお見舞いへ向かうと、ブラットとユー君とバッタリ会った。
「ブアット!ユー君!」
「エメ!お前もハウライト王子のとこにーってガーネット王子睨まないでください…」
「姫様達もハウライトのお見舞いみたいですね!ハウライトが風邪を引くなんて面白ろ…心配ですからねー。一緒に行きましょう!」
「エメがね!ハウアイト兄たまをかんびょうするの!今日からエメはおいしゃさん!」
「え、なんです!その可愛いお医者様は!羨ましい!」
「…ユーディアライト…うるさい」
「ガーネット王子!だって可愛いお医者様なんですよ!?我が家に欲しいくらい!」
「…断る」
ガーネット兄様は何やらユー君と話しつつ、
コンコンとドアと叩き部屋へ入ると何人かのアンとメイド達がハウライト兄様のおでこに冷たいタオルを置いていた。
アンが私に
「ハウライト王子様はお薬を飲んだので大丈夫ですよ。ただ…少しストレスが原因で熱が下がらないみたいです」
え?ストレス??ハウライト兄様が??
アンは私達にニッコリ微笑みながら
「ハウライト王子様が目を覚ましたら優しくしてあげてくださいね」
「あいっ!エメは今日おいしゃさんだから大丈夫!」
「ふふ、頼もしい小さなお医者様ですね。あ、マシュマロ食べ過ぎちゃ駄目ですよ?それでは失礼します」
アンとメイド達は部屋から出ていき私達はハウライト兄様の様子を見に熱が出て少し苦しそうに寝ているハウライト兄様…
「いたいいたいのとんでけー…」
ポソッと呟きながら私はハウライト兄様の手をギュッと握っていたら、後ろにいたユー君は首を傾げながら
「しかし、完璧王子と言われてるハウライトも風邪を引くのは珍しいですね」
「ハウライト王子は完璧過ぎるのがストレスなんじゃねえか?大体、剣の技術も10歳そこらの実力じゃないし!」
「学園でも常に成績はトップですからねえ。ガーネット王子は二番ですよね!二番!ってガーネット王子!足を踏まないで下さい!痛い!」
ユー君とブラットは話している中、ガーネット兄様だけただジッとハウライト兄様を見ながら
「……貴様も一人で抱えているだろうが…」
何か呟いていたようだけど…なんて言ったのかな?
ガーネット兄様に声をかけようとしたとき
「……ん…」
ハウライト兄様がボーとしながら起きた。まだ夢の中って感じみたい。
「ハウアイト兄たま大丈夫?エメはおいしゃさんなったよー!何かほしーのありますかあ?」
目がウルウルで虚ろ…頰を赤らめながら私をジッと黙って見つめるハウライト兄様…色気ありすぎるよ!!?
これは普通の女の子ならイチコロだね。やっぱりモテモテなんだと実感だよ!
「…みず…」
そう呟いたハウライト兄様にブラットは渋々とコップに水を注ぎ飲ませていた。え、何この絵面。美形同士くっついてるよ、キラキラしてるよ?!
「ハウライト!私に何かして欲しいことありますか!?あ、君に顔に落書きでもしますか!?」
「……ちっ…うるさい。だまって」
ユー君よ…君は一体何しにきたのかな??というかハウライト兄様の爽やかオーラがまったくないね!
「水…」
「あーハイハイ!ハウライト王子これですね」
「冷たいやつがいい」
「タオル…ぬるい…」
「では私が代わりのタオルを!」
「もっと冷たいやつ。毛布も欲しい…」
ブラットとユー君はハウライト兄様に振り回されてゼェゼェと疲れながら
「「我儘王子…」」とぐったりしていた。
ゼェゼェと苦しむハウライト兄様はボーとしながら、そばにいたガーネット兄様の袖を掴みながらウルウルした目で
「……いちご…」
「…だからなんだ?」
「…食べたい」
「粥にしろ」
「…やだ…いちご…」
え、何この二人のやりとり!ハウライト兄様がガーネット兄様にねだってるー!!ユー君はお腹抑えて笑ってるし、ブラットも笑うのを必死に堪えてる。うん、ガーネット兄様に甘えてねだるハウライト兄様、可愛いー…でなくて珍しいよね!凄いよ!これは!仲良しだよ!
ガーネット兄様は少し考えてから、ため息をし
「……少しだけだぞ」
コクンと可愛いらしく素直に頷くハウライト兄様にガーネット兄様はいちごをもってきてくれた。モグモグといちごを食べるハウライト兄様は幸せそうに食べてる!ハムスターみたいで可愛いー!うん、今度は私がいちご沢山あげよう!
「エメも!エメもハウアイト兄たまにいちごをあーんする!あと、マシュマロ沢山お口に入れてみる!なおるよ!」
パクッと美味しそうにいちごを食べて満足した後スヤスヤ寝ていた。そんなハウライト兄様をユー君はふっと笑いながら
「ププッ、赤ちゃんみたいですね!さて、ハウライトが起きてこの事が記憶がないのは可哀そうな事を考えてお見舞いの品を置いて置きましょう!」
ニヤリとハウライト兄様の枕元に魔術の力がこもっている小さな一枚の絵姿を置いた。
「ユー君…これは…」
ユー君は自慢げに
「これは、記憶ですよ。今日あった出来事をハウライトに教えてくれます!」
そんなユー君の隣にいるブラットはまた何かからかっていると呆れていた。スヤスヤと寝ているハウライト兄様を部屋に残して私達は部屋から出ていった。早く治りますように!!とドアの前で南無南無と手合わせていたら三人に不思議そうに見つめられた。
「へへ、えーとこれあ、早く治りますようにって!おまじないよ!」
「…そうか」
ガーネット兄様は私の頭を撫でてくれて一緒にパパのところへ向かった。
早くなおるといいね!!
真夜中に熱が下がり、ベッドから起きていたハウライトは一人で冷や汗を垂らしていた。枕元にあるユーディアライトが置いていった一枚の絵姿を見ると、今日あった出来事が見えていた。そう…今日あった出来事だ。
ガーネット王子に可愛いらしくねだる自分にプルプル震えながら
「……え、ちょ……何やってんの…僕」
そうひどく青ざめていた事はユーディアライトだけはコッソリと知っていたようだった。
ガーネット兄様に甘えてるハウライト兄様がなんだか可愛いかった日だなあー。結局仲良くなったって事だよね!?いい感じ!うん!家族仲良くは素敵だね!
デザートのマシュマロプリンも美味しいし素敵!!
特に贅沢もせず、小さな庭で畑を作りながら自給自足生活をしながらも時々はあの人の知り合いの大人達が顔を出してくる。
「おかあーさん!みて!これね、ぼくがね!つくったの!」
「あらまあまあ、素敵!ハウライトが作ったのかしら?」
オレンジ色の髪色でいつも美しくいたいと言っているあの人に手作りのロケットを渡した。いつまでも綺麗になれますようにと願いを込めて…。
「うふふ、貴方は自慢の息子だわ!可愛い可愛い私のハウライト!」
「えへへへ。僕、おーきくなって、たっくさんお金もらって、おかあーさんにキレーなロケット買ってあげるんだ」
今おもえば、ニコッとあの人に微笑むたび、あの人の瞳の奥は何処か戸惑っていたような気がしていた。お昼寝をして、ウトウトと僕は庭先で寝ていた時隣にいるあの人は、僕の頭を軽く優しく撫でて
「……ふふ、ハウライト……もう少し遠い処へ私と逃げようか…」
そうあの人は呟いていたような気がしていた。
美しい人だった。
厳しい人だった。
よく笑う人だった。
青い薔薇が良く似合う人だった。
そして…とても残酷な人だ。
バッと目を覚めたハウライトは汗がびっしょりだった。
「……夢か…」
そうハウライトは窓から見える星空を見つめていた。
「え!?ハウアイト兄たまお風邪引いたの!?」
いつもの朝食時間にハウライト兄様は風邪で寝込んでいるらしい。心配だよ!喉とか痛いのかなー?
「ガーネッ兄たま!あとでエメとおむまい行こう!」
そう朝食を食べ終え、ハウライト兄様のお見舞いへ向かうと、ブラットとユー君とバッタリ会った。
「ブアット!ユー君!」
「エメ!お前もハウライト王子のとこにーってガーネット王子睨まないでください…」
「姫様達もハウライトのお見舞いみたいですね!ハウライトが風邪を引くなんて面白ろ…心配ですからねー。一緒に行きましょう!」
「エメがね!ハウアイト兄たまをかんびょうするの!今日からエメはおいしゃさん!」
「え、なんです!その可愛いお医者様は!羨ましい!」
「…ユーディアライト…うるさい」
「ガーネット王子!だって可愛いお医者様なんですよ!?我が家に欲しいくらい!」
「…断る」
ガーネット兄様は何やらユー君と話しつつ、
コンコンとドアと叩き部屋へ入ると何人かのアンとメイド達がハウライト兄様のおでこに冷たいタオルを置いていた。
アンが私に
「ハウライト王子様はお薬を飲んだので大丈夫ですよ。ただ…少しストレスが原因で熱が下がらないみたいです」
え?ストレス??ハウライト兄様が??
アンは私達にニッコリ微笑みながら
「ハウライト王子様が目を覚ましたら優しくしてあげてくださいね」
「あいっ!エメは今日おいしゃさんだから大丈夫!」
「ふふ、頼もしい小さなお医者様ですね。あ、マシュマロ食べ過ぎちゃ駄目ですよ?それでは失礼します」
アンとメイド達は部屋から出ていき私達はハウライト兄様の様子を見に熱が出て少し苦しそうに寝ているハウライト兄様…
「いたいいたいのとんでけー…」
ポソッと呟きながら私はハウライト兄様の手をギュッと握っていたら、後ろにいたユー君は首を傾げながら
「しかし、完璧王子と言われてるハウライトも風邪を引くのは珍しいですね」
「ハウライト王子は完璧過ぎるのがストレスなんじゃねえか?大体、剣の技術も10歳そこらの実力じゃないし!」
「学園でも常に成績はトップですからねえ。ガーネット王子は二番ですよね!二番!ってガーネット王子!足を踏まないで下さい!痛い!」
ユー君とブラットは話している中、ガーネット兄様だけただジッとハウライト兄様を見ながら
「……貴様も一人で抱えているだろうが…」
何か呟いていたようだけど…なんて言ったのかな?
ガーネット兄様に声をかけようとしたとき
「……ん…」
ハウライト兄様がボーとしながら起きた。まだ夢の中って感じみたい。
「ハウアイト兄たま大丈夫?エメはおいしゃさんなったよー!何かほしーのありますかあ?」
目がウルウルで虚ろ…頰を赤らめながら私をジッと黙って見つめるハウライト兄様…色気ありすぎるよ!!?
これは普通の女の子ならイチコロだね。やっぱりモテモテなんだと実感だよ!
「…みず…」
そう呟いたハウライト兄様にブラットは渋々とコップに水を注ぎ飲ませていた。え、何この絵面。美形同士くっついてるよ、キラキラしてるよ?!
「ハウライト!私に何かして欲しいことありますか!?あ、君に顔に落書きでもしますか!?」
「……ちっ…うるさい。だまって」
ユー君よ…君は一体何しにきたのかな??というかハウライト兄様の爽やかオーラがまったくないね!
「水…」
「あーハイハイ!ハウライト王子これですね」
「冷たいやつがいい」
「タオル…ぬるい…」
「では私が代わりのタオルを!」
「もっと冷たいやつ。毛布も欲しい…」
ブラットとユー君はハウライト兄様に振り回されてゼェゼェと疲れながら
「「我儘王子…」」とぐったりしていた。
ゼェゼェと苦しむハウライト兄様はボーとしながら、そばにいたガーネット兄様の袖を掴みながらウルウルした目で
「……いちご…」
「…だからなんだ?」
「…食べたい」
「粥にしろ」
「…やだ…いちご…」
え、何この二人のやりとり!ハウライト兄様がガーネット兄様にねだってるー!!ユー君はお腹抑えて笑ってるし、ブラットも笑うのを必死に堪えてる。うん、ガーネット兄様に甘えてねだるハウライト兄様、可愛いー…でなくて珍しいよね!凄いよ!これは!仲良しだよ!
ガーネット兄様は少し考えてから、ため息をし
「……少しだけだぞ」
コクンと可愛いらしく素直に頷くハウライト兄様にガーネット兄様はいちごをもってきてくれた。モグモグといちごを食べるハウライト兄様は幸せそうに食べてる!ハムスターみたいで可愛いー!うん、今度は私がいちご沢山あげよう!
「エメも!エメもハウアイト兄たまにいちごをあーんする!あと、マシュマロ沢山お口に入れてみる!なおるよ!」
パクッと美味しそうにいちごを食べて満足した後スヤスヤ寝ていた。そんなハウライト兄様をユー君はふっと笑いながら
「ププッ、赤ちゃんみたいですね!さて、ハウライトが起きてこの事が記憶がないのは可哀そうな事を考えてお見舞いの品を置いて置きましょう!」
ニヤリとハウライト兄様の枕元に魔術の力がこもっている小さな一枚の絵姿を置いた。
「ユー君…これは…」
ユー君は自慢げに
「これは、記憶ですよ。今日あった出来事をハウライトに教えてくれます!」
そんなユー君の隣にいるブラットはまた何かからかっていると呆れていた。スヤスヤと寝ているハウライト兄様を部屋に残して私達は部屋から出ていった。早く治りますように!!とドアの前で南無南無と手合わせていたら三人に不思議そうに見つめられた。
「へへ、えーとこれあ、早く治りますようにって!おまじないよ!」
「…そうか」
ガーネット兄様は私の頭を撫でてくれて一緒にパパのところへ向かった。
早くなおるといいね!!
真夜中に熱が下がり、ベッドから起きていたハウライトは一人で冷や汗を垂らしていた。枕元にあるユーディアライトが置いていった一枚の絵姿を見ると、今日あった出来事が見えていた。そう…今日あった出来事だ。
ガーネット王子に可愛いらしくねだる自分にプルプル震えながら
「……え、ちょ……何やってんの…僕」
そうひどく青ざめていた事はユーディアライトだけはコッソリと知っていたようだった。
ガーネット兄様に甘えてるハウライト兄様がなんだか可愛いかった日だなあー。結局仲良くなったって事だよね!?いい感じ!うん!家族仲良くは素敵だね!
デザートのマシュマロプリンも美味しいし素敵!!
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