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その12. 笑顔の種類
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「来週でいよいよ本社に戻るから、挨拶用にお菓子買っておこうと思って」
「ああ、それで」
納得をして、デパートへと向かう。日曜日夕方のデパ地下はピークを迎え、大勢の買い物客で賑わっていた。
「なんか、すごいですね……」
人の熱気にあおられて、健斗が思わず尻込みをしてしまう。
「これは、下手するとはぐれちゃいそうだね」
「買うものは決まっている?」
「候補が二店舗あるんだけれど。どうしようかな」
つぶやきながら辺りを見渡すと、美晴は一点を指した。
「あそこの待ち合わせコーナーで、健斗はちょっと待ってくれるかな。二十分後に戻って来るから」
見ると、買い物に付き合わされた人たちがぐったりとした表情でソファーに腰掛けている。
「俺も行きますよ」
「一人で行った方がすぐに買えるから、大丈夫。買い物済ませたらお茶したいから、健斗は待っている間にお店探しておいて。分担作業ってことで」
「分かりました。念の為、候補の店教えて下さい。二十分経っても美晴さんが来なければ、俺が迎えに行きます」
そう打ち合わせして二手に分かれる。健斗は待ち合わせコーナーでスマホを立ち上げると、言われたとおりにカフェを検索した。候補の何店かの場所を確認すると、時計を見る。いつの間に二十分は経過したが、美晴の姿は見えない。
メッセージを送ったが既読にならないため、迎えに行くことにした。フロアマップを見ながら人混みを抜けて行くと、壁沿いの店舗の横で美晴が立っている。目の前の人物を見上げ、話している様子だった。
「美晴さん、」
中途半端に呼び掛けて、健斗は歩みを止めた。後ろから来た人がぶつかってきたので、慌てて謝りつつ脇へ退く。そしてその場所で美晴を見つめた。話している相手は、どうやら知り合いらしい。日曜日の繁華街のデパ地下だ。偶然出会うこともあるだろう。美晴は口角を上げ、微笑みを浮かべて相手と会話をしていた。
健斗は少し立っている場所をずらし、相手の姿を確認する。三十代前半の細身の男性。背は健斗より少し低いくらいなので百八十センチはあるだろう。端正な顔立ちが、いかにも仕事が出来そうな雰囲気をかもしている。そんな男がにこやかに微笑みながら、美晴を見つめていた。
「あれは……」
健斗の眉が寄って、表情が険しくなった。
「ああ、それで」
納得をして、デパートへと向かう。日曜日夕方のデパ地下はピークを迎え、大勢の買い物客で賑わっていた。
「なんか、すごいですね……」
人の熱気にあおられて、健斗が思わず尻込みをしてしまう。
「これは、下手するとはぐれちゃいそうだね」
「買うものは決まっている?」
「候補が二店舗あるんだけれど。どうしようかな」
つぶやきながら辺りを見渡すと、美晴は一点を指した。
「あそこの待ち合わせコーナーで、健斗はちょっと待ってくれるかな。二十分後に戻って来るから」
見ると、買い物に付き合わされた人たちがぐったりとした表情でソファーに腰掛けている。
「俺も行きますよ」
「一人で行った方がすぐに買えるから、大丈夫。買い物済ませたらお茶したいから、健斗は待っている間にお店探しておいて。分担作業ってことで」
「分かりました。念の為、候補の店教えて下さい。二十分経っても美晴さんが来なければ、俺が迎えに行きます」
そう打ち合わせして二手に分かれる。健斗は待ち合わせコーナーでスマホを立ち上げると、言われたとおりにカフェを検索した。候補の何店かの場所を確認すると、時計を見る。いつの間に二十分は経過したが、美晴の姿は見えない。
メッセージを送ったが既読にならないため、迎えに行くことにした。フロアマップを見ながら人混みを抜けて行くと、壁沿いの店舗の横で美晴が立っている。目の前の人物を見上げ、話している様子だった。
「美晴さん、」
中途半端に呼び掛けて、健斗は歩みを止めた。後ろから来た人がぶつかってきたので、慌てて謝りつつ脇へ退く。そしてその場所で美晴を見つめた。話している相手は、どうやら知り合いらしい。日曜日の繁華街のデパ地下だ。偶然出会うこともあるだろう。美晴は口角を上げ、微笑みを浮かべて相手と会話をしていた。
健斗は少し立っている場所をずらし、相手の姿を確認する。三十代前半の細身の男性。背は健斗より少し低いくらいなので百八十センチはあるだろう。端正な顔立ちが、いかにも仕事が出来そうな雰囲気をかもしている。そんな男がにこやかに微笑みながら、美晴を見つめていた。
「あれは……」
健斗の眉が寄って、表情が険しくなった。
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2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
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