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第4話「ジュース、忘れないで」
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さて、かのえに飲まれる前に、飲んどくか。
俺はカウンターで受け取った瓶のコーラを飲みながら、かのえたちの方へ戻る。
ん? なんか様子が変だな。
「なんかあった?」久次郎に尋ねる。
久次郎が答えるより早く、坊主のリーダーっぽいのが答える。
「俺たち三人と、そっちの三人で勝負する。おっさんも参加な」
「まじかよ。おっさん、これ以上打ったら筋肉痛になっちまうぜ」
「いいだろ。あんたがいないと勝負になんないから」
「はぁー」
「じゃあ、まずそれぞれのチームで打順決めよう」そう言うと、そのリーダーの坊主に引き連れられて、他の坊主たちも一度離れていく。
去り際にそのリーダーの坊主がかのえを睨んでいく。
あー、かのえがなんかやったパターンだな。
「じゃあ、決めよう。一番は私、二番は久次郎、最後が青池先生ね」
また勝手に決めてきやがった。
「それは構わねぇけど。そもそもなんでうちの高校の野球部と勝負しなきゃなんねえんだ?」
「あいつら、野球を口実に私に近づいてきたから。そういう風に野球を使うのが許せない」
かのえは淡々と言う。
「それに、久次郎の悪口言ってきたし。私のチームメイトだから、絶対に許せない」
「それはいいけど。俺はやらないぜ」
「なんでですか?」と久次郎が少し怒ったように言う。
「めんどくせぇからだよ。明日も授業あるし」
「いいの?」とかのえが言う。
「なにが?」
「負けたら、あいつの彼女にならないといけないけど」
「え、お、お前が?」
「うん」
くそ、こいつ、俺に逃げ場をなくさせるために、その条件を呑んだな。
「自業自得だろ」と言いたいところだが
「分かったよ。生徒同士の健全な関係を守るのも教師の役割だからな」
「やっぱり。やってくれると思った」とかのえは言う。
「悪女め」
「決まったか?」坊主たちが戻って来る。
「うん」とかのえは頷く。
「本当にいいんだな?」と別の坊主が少し心配そうに言う。こいつは比較的常識のある印象だ。
「そっちこそ。約束守ってね」
「関係ないね。勝つのは俺たちだから」とリーダー風の坊主が言う。
「勝つのは私たちだよ、ほら、ここの常連だし」と言ってかのえは袋いっぱいに入ったコインを見せる。
常連じゃないだろ、なんでそういう意味のない嘘をつくのか。
「あのピッチングマシンの小屋を超えたら1点、一番奥のネットまで飛べば2点、看板に当たれば5点だ。球速は100キロ。高さの調整は自由。いいな?」
「うん」とかのえは即答する。
こいつ、自分が70キロでやってたって自覚がないな。
「で、誰から?」とかのえが尋ねる。
「まずは、こいつ」とリーダーの坊主が言う。
「あの、まずは自己紹介しないか?」と常識的な坊主が言う。
「ああ、そうだな。俺は、青鷺 炎」リーダーが青鷺。
「俺は塵塚 魁央。ポジションはセカンド」常識的な坊主は塵塚。
「江津 欧大」もう一人の坊主が江津。
あ、意外と覚えられるかもしれねえ。
「じゃあ、始めよう」
「お前らも名乗れよ」と青鷺、多分。
「早田久次郎」と久次郎が名乗る。
「俺は、青池昇」
「かのえ」
「苗字は?」とイラついた様子で青鷺が言う。
「中島」かのえは嫌そうに言う。
「なんか合コンみてぇだな」と俺は久次郎に言う。
「いや、合コン行ったことないんで。」
合コンか。いくつの合コンに行って夏海ちゃんを探したことか。
「大丈夫ですか」
「打てないかもしれねぇ」
じゃんけんでかのえさんが勝って、野球部から打つことになった。
江津 → かのえ → 青鷺 → 早田 → 塵塚 → 青島、という順番だ。
「俺からか」と呟いて、江津が打席に入っていく。
背が高くて、肩幅が広い。細身だが、がっちりとしている。いかにもスポーツ選手と言った体型だ。
僕たちはベンチに座って、その打席を眺める。
野球部の奴らは立ち上がってネット間近に立っている。
「打てー、えつおー」青鷺と塵塚が応援する。
「えつお、ああ、えつおうだいでえつおか。おもしろいね」とかのえさんが呟く。
コインが入る音がして、ピッチングマシンのライトが光る。
始まった。
野球部はどれくらい打てるのだろう。
ボールが真っすぐ飛んでくる。
江津はバットを振る。
綺麗なスイング。
ボールは手本のように奥のネットに当たる。
2点だ。
江津は一度手首でバットを回して、また構える。
次のボールが来る。
同じ軌道で飛んでいく。
また2点。
確か、ここの球数は12球。このままだと24点入る。
僕はかのえさんを見る。
かのえさんは全く焦る様子もなく、ヘルメットをかぶってバットを持ったまま江津を眺めている。
また2点入る。
さらに2点。
江津は全く同じスイングで、同じような位置にボールを運んでいく。
「いいぞっ。ナイス」と青鷺が言う。楽しそうだ。
でも、江津の後ろ姿を見る限り、楽しそうではない。
退屈。
多分、江津はこの勝負に興味がないのだろう。
結局、江津は24点を入れた。
「ナイスー、えつお」と塵塚がハイタッチの手を出す。
「どうも」と会釈をして、江津は軽くハイタッチをする。
「お前、ホームラン狙えただろ」
「すいません」
「すごいな、野球部。というより、あの坊主。えーっと名前は」と青島先生が言う。
「江津です」
「あー、そうそう」
かのえさんは立ち上がる。
「よし」と呟く。
「かのえさん」と僕は呼びかける。
「ん?」
「かのえさんなら打てるよ」
「うん」かのえさんはニヤリと笑う。
可愛い。
そのままネットの向こうに入っていく。
僕は立ち上がって、ネットの傍まで行く。
ボールが飛んでくる。
やっぱり、70キロよりずっと早い。
かのえさんは勢いをつけてバットを振る。
でも、70キロよりも速度がある分、まっすぐだ。
だから、ちゃんとした位置で振れば、当たる。
「っ」かのえさんのバットがボールの下を通る。
後ろの板にボールが当たる。
かのえさんはバットを構えなおす。
またボールが飛んでくる。
「く」かのえさんはまた空振りをする。
今度はバットの方が高かった。
もう一度、構える。
空振り、空振り
見ていると緊張する。
空振り、空振り
応援しないといけない。
空振り、空振り
でも、なぜか、どう応援すればいいのか分からない。
構えなおすかのえさんは見るからにイライラしている。
残りは4球。
焦る気持ちは分かる。
「っ」また空振りだ。
疲れてきたのか、かのえさんの足元がふらつく。
かのえさんは乱暴に肩の上にバットを乗せる。
応援しないと。でも、何を言えば……
『じゃあさ、打てなくても大丈夫』
かのえさんの言葉を思い出す。
「かのえさん、打てなくても大丈夫。楽しんで」
初めてだ。心から、応援の言葉が出たのは。
「うん」かのえさんは振り返って言う。
「落ち着いて打てば当たるよ」
かのえさんは構える。
ボールが飛んでくる。
バットを振る。
ボールの下をかすめる。
一瞬で上がって、小屋の手前に落ちる。
「当たってる、いいよ」
かのえさんは構えなおす。
最初よりよくなっている。
ボールが来る。
今度は右側に勢いよく飛んでいく。
バットの先だったのだろう。
「リラックスして。芯に当たれば力入れなくても飛んでくから」
かのえさんは構える。
最後の一球が来た。
かのえさんはバットを振る。
いい。間違いない。
ボールは小屋を越えて落ちる。
1点だ。
ピッチングマシンのライトが消える。
かのえさんはネットを持ち上げて出てくる。
「いい当たりだったよ」
「もっと打ちたかった」かのえさんはあの悔しそうな険しい表情で言う。
「また練習しよう」
「お前、その子の応援はちゃんとするんだな」と青鷺が言う。
「……」僕は黙って、彼の前を通り過ぎる。
「青鷺がんばれー」と塵塚が応援している。
僕も小学生のときは同じ声援を送っていただろ。
いや、送ってなかったか。
うん。送ってなかった。
「久次郎」とかのえさんが呼びかける。
「なに?」
「あの人、知り合い?」
「うん。小学生のときのチームメイト」
「ふーん」
小学生のときは真面目なやつだったんだよ、と言おうと思ってやめる。
青鷺は打席に入る。
青鷺の打ったボールは時々、奥のネットまで飛んでいく。
高さとしてはホームランの看板と変わらないだろう。
「真面目なバッティングだな」と隣に座っていた青池が呟く。
青池先生の言う通り、江津とは違って真面目という感じがする。
本当にまじめだった、小学生のときから。
今も野球に関しては真面目なのだろう。
真面目じゃなかったのは僕の方だった。
小学生の時は打席に入ると、いつも打てない感じがした。
脳のどこかが打てないと決めつけてしまうのだろう。
早く終わってほしくて、適当にバットを振っていた。
そういうのがチームメイトには分かるのだろう。
「あいつ、そんなにかのえを彼女にしたいのか」と青池先生が言う。
「困るな」とかのえさんが呟く。
「いや、多分、僕と人が仲良くしているのが気に入らないんです。まして、野球のことで」
「え、なんで?」と青池先生が尋ねる。
「僕は野球に真摯じゃなかったからです。青鷺とチームメイトで。なんとなく始めて、なんとなく続けていただけだったので」
「ほう」青池先生が興味深そうに自分の顎を触る。
「なんというか、やる気、というか、相手に勝ちたいって気持ちがなくて。相手の気持ちに負けるっていうか。だから、打席に入っても全然打てないし、ルールを間違う時もあったし、守備でミスをすることもあった。ベンチにいてもたいして応援もしなかった。そういうところが気に入らなかったのだろう、と思います」
また、青鷺のボールが遠くまで飛んでいく音がする。
「僕も、小学生の自分が気に入らないです。スポーツは僕の気性に合わない。だから、あまり野球にも関わりたくなくて」
しまった、と思ってかのえさんを見る。
彼女は青鷺が自分に近づく口実で、野球を使ったことが許せないと言った。それは僕だって似たようなものだろう。
だから、僕が野球に不実だということは隠しておきたかった。
かのえさんは何かを言おうとする。
その時、青鷺が出てくる。
1点が5つ、2点が5つ。
「15点だった。次はお前の番だ、早田」
僕は立ち上がってバットを握る。
代金は100円玉で払えばいいか。
39-1、もしかしたら、無理かもしれない。
そうしたら、かのえさんが。
結構、緊張してきた。テンションが上がる感じの緊張じゃなくて、早く終わってほしいタイプの緊張だ。
先に謝っておくしかないだろうか。そう思いながら、僕は100円玉を入れる。
嫌な感じだ。
僕はバットを構える。
「久次郎」とかのえさんが呼びかける。
僕はネット越しにかのえさんを見る。
「ジュース忘れないで」かのえさんは真顔で言う。
僕は思わず吹き出す。
そういえば、そんな事を言っていたな。
その時、ボールが飛んできて、後ろの板に当たる。
「おい、馬鹿。なにやってんだ」と青池が怒鳴る。
僕はバットを構える。
大丈夫だ。これはバッティングセンターだから。試合で打てないのとは違う。
ボールが来る。
バットを振る。
ボールはまっすぐ、ピッチングマシンの方に飛んでいく。
これでは0点だ。
「打てよー、かのえ取られちまうぜー」と青池先生が言う。
僕は構えなおす。
ピッチングマシンのアームが上がる。
右足に体重を乗せる。
ボールが放たれる。
腰を捻る。
同時にバットを出す。
どうだ。
いい感じだ。
ボールはピッチングマシンの小屋を飛び越えて向こうに落ちる。
1点。
この感じでもこれくらいしか飛ばないのか。
そんなのがさらに二つ続く。
現在3点、残り7球。
「久次郎、ホームラン」とかのえさんが言う。
ちょっと焦る。今日は「打てなくていいよ」じゃないのかよ。
どうすれば打てる?
もっと下から掬う感じか。
バットを振る。
ボールは後ろの板に当たり鈍い音を立てる。
ボールの下を振ったな、多分。
もっと上を。
そう思いながら構える。
今。
手ごたえが軽い。
ボールは綺麗に上がり、奥のネットまで飛んでいく。
ホームランの看板の左横だ。
「惜しいなぁ」と青池先生が言う。
今と同じ動きをすればいい。
ボールが来る。
よし、いけ。
大きく空振りをする。
勢いあまってふらつく。
「力むなー」と青池先生。
次は打てる。
ボールが来る。
今だ、いや、もう少し。
スイング。
ボールは夜のライトで照らされた空に舞い上がる。
今度こそ、どうだ。
ボールはゆっくりと飛んでいく。
いけ。
バン、とホームランの看板が揺れる。
ピッチングマシンの「HR」の文字が光る。
やった。
「よし」というかのえさんの声が聞こえる。
このまま、もう一つ。
バットを振る。
今度は鈍い。
ボールはピッチングマシンの向こうに落ちる。
それから2球は空振り。
1点が3つと、2点が一つ、あとは5点が一つ。
合計10点。かのえさんの点数と合わせて11点。39-11。28点差か。
もっと取りたかったな、と思いながら打席を出る。
「やったね」かのえさんが言う。
「もう少し取っておきたかったけどね」
「また練習しよう」
それができるかは、青池先生にかかっているのか、と思う。
「じゃあ、次は俺だな」常識的な坊主の塵塚は打席に入っていく。
彼は10点。僕と同じ点数だった。そして、これと言って特徴は無かった。
「じゃあ、やるか」と立ち上がる。
いやいや、49-11? 38点差? どんだけ打たねぇといけないんだよ。
「青池先生」かのえが呼び止める。
「ん?」
「ここで活躍したら、夏海ちゃんに会えるかもよ」
「っ」
かのえはニヤリと笑う。
「な、そんなわけないだろ」
俺は緑色のネットを持ち上げる。
ホームランは正面か。
コインを入れる。
右打席に立って目を瞑る。
『昇っ、頑張ってーっ』あの日の夏海ちゃんの声を思いだす。
ガシャン、というピッチングマシンのアームにボールが乗る音がする。
目を開く。
右足に体重を乗せる。
左足を軽く上げる。
息を止める。
アームが前に傾く。
今だ。
思いっきりバットを振る。
とりあえず、これだな。
ボールはまっすぐホームランの看板に当たる。
「残り33ー」かのえが久次郎の景品のコーラを片手にベンチに座って言う。
「まず褒めろよ」
「ナイスバッチ」とかのえの隣に座った久次郎が言う。
こいつ捻くれたふりして意外と素直なんだよな。
さて、とりあえず、もう一つ打っとくか。
軽くバットを振る。
うん。
またホームランの看板が揺れる。
「残り28ー」とかのえさんが言う。
「ナイスバッチー」本当にすごいな、と思う。
「バッチってなに?」
「バッティングのことだと思う」
「へー」
「あ、でもバッチコイって言うから、バッターかも」
「あ、『良い打撃ー』のやつか」
「なにそれ?」
「カムカムで言ってた」
「カムカム?」
「カムカムエブリバディ」
「あー、朝ドラの。へー」
と会話をしている間に、2点を3つ取っている。
「残り22ー」とかのえさんが言う。
青池先生はさらに2点を入れる。
駄弁るな、後ろで。
「残り20ー」とかのえが言う。
くそ、腕が疲れて飛ばなくなってきた。
あと6球か。
まあ、成るように成れって感じだな。
バットを手首で回して構えなおす。
あ、打てそう。
バットを振る。
ボールは遠くへ飛んでいく。
「あと18ー」とかのえが言う。
もう次のボールが来る。
くっ、ミスったな。
飛距離は十分だが、看板には当たらない。
2点だ。でかいな、看板に当たるか、当たらないかで、3点も変わって来るのか。
もう、腕がパンパンだ。
やばいな。
「昇ーっ、がんばってーっ」と聞こえる。
「なんで」夏海ちゃん。
ボールが来る。
俺はそのボール、それから次のボールをホームランの看板に運ぶ。
いや、冷静に考えろ、夏海ちゃんなわけがない。
「残り8ー」さっきと同じ声がする。かのえだ。分かってて下の名前で呼んだな。
振り返えると、「ナイバッチー」とかのえが言う。
「悪女め」
あと3球だ。
このルールで8という数字は意外と大きい。
青池先生はまた打つ。
看板を外れる。
2球で、あと6点。
かのえさんもいつしか無口になって、青池先生を見ている。
次のボールも2点。
あと、一球だ。
あと、1球で4点。
ホームランしかねぇのかよ。
何本ホームラン打った? まあ、いいや。これ打ったら考えよ。
ボールが飛んでくる。
どうだ?
あ、見えた。
いける。
思いっきりバットを振る。
ボールは真っ暗な空に高く上がる。
ホームランは大好きだぜ、なんも考えなくていい。
ホームランの看板が揺れる。
最高。
「よし」打席を出た青池先生にかのえさんが言う。
「よし、じゃねぇよ。こっちは明日も仕事なんだぜ」
青池先生の得点は2点が7つ、ホームランの5点が5つの合計39点。
39-40、一点差で僕たちの勝ちだ。
「助かりました」
「いいんだよ。お前は巻き込まれた側だろ。ナイバッティン」
青池先生はグータッチをする。
かのえさんは青鷺たちが立っている方に歩いていく。
「じゃあ、約束ね」
青鷺は舌を打って、かのえさんの横を通りすぎて出ていく。
「なんか、ごめん」と言って塵塚もその後をついていく。
江津は通りがかりにかのえさんの顔を見る。
かのえさんは微笑む。
江津は目をそらして歩いていく。
「あー疲れた」と青池先生が両手を上げて言う。
「思ったより打てるね、昇」かのえさんが言う。
「あ、お前、そういえばそれ、狙って言ってんだろ?」
「うん。夏海ちゃんがそうやって呼んでたんだよね?」
「くそ、よく知ってんな」
あれ、と僕は思う。
この二人の仲ってそういえばなんだろう。
「あ」かのえさんはふと言う。
「どうした?」
「ジュース」
「ああ、そういえば」
「俺のホームランで5本貰えるし」
「ううん、あの人たちにちゃんと奢らせたい。ちょっと、追いかけてくる」
かのえさんはそう言うとバッティングセンターを飛び出していった。
「なんだよ、奢らせたいって」
・チーム別スコア
野球部
1江 津 2/2/2/2/2/2/2/2/2/2/2/2 合計24
2青 鷺 1/0/1/2/2/2/1/2/2/1/1/0 合計15
3塵 塚 1/1/1/1/1/2/1/0/0/1/0/1 合計10
かのえアウトサイダーズ
1かのえ 0/0/0/0/0/0/0/0/0/0/0/1 合計1
2久次郎 0/0/1/1/1/0/2/0/5/0/0/0 合計10
3青 島 5/5/2/2/2/2/2/5/5/2/2/5 合計39
つづく
俺はカウンターで受け取った瓶のコーラを飲みながら、かのえたちの方へ戻る。
ん? なんか様子が変だな。
「なんかあった?」久次郎に尋ねる。
久次郎が答えるより早く、坊主のリーダーっぽいのが答える。
「俺たち三人と、そっちの三人で勝負する。おっさんも参加な」
「まじかよ。おっさん、これ以上打ったら筋肉痛になっちまうぜ」
「いいだろ。あんたがいないと勝負になんないから」
「はぁー」
「じゃあ、まずそれぞれのチームで打順決めよう」そう言うと、そのリーダーの坊主に引き連れられて、他の坊主たちも一度離れていく。
去り際にそのリーダーの坊主がかのえを睨んでいく。
あー、かのえがなんかやったパターンだな。
「じゃあ、決めよう。一番は私、二番は久次郎、最後が青池先生ね」
また勝手に決めてきやがった。
「それは構わねぇけど。そもそもなんでうちの高校の野球部と勝負しなきゃなんねえんだ?」
「あいつら、野球を口実に私に近づいてきたから。そういう風に野球を使うのが許せない」
かのえは淡々と言う。
「それに、久次郎の悪口言ってきたし。私のチームメイトだから、絶対に許せない」
「それはいいけど。俺はやらないぜ」
「なんでですか?」と久次郎が少し怒ったように言う。
「めんどくせぇからだよ。明日も授業あるし」
「いいの?」とかのえが言う。
「なにが?」
「負けたら、あいつの彼女にならないといけないけど」
「え、お、お前が?」
「うん」
くそ、こいつ、俺に逃げ場をなくさせるために、その条件を呑んだな。
「自業自得だろ」と言いたいところだが
「分かったよ。生徒同士の健全な関係を守るのも教師の役割だからな」
「やっぱり。やってくれると思った」とかのえは言う。
「悪女め」
「決まったか?」坊主たちが戻って来る。
「うん」とかのえは頷く。
「本当にいいんだな?」と別の坊主が少し心配そうに言う。こいつは比較的常識のある印象だ。
「そっちこそ。約束守ってね」
「関係ないね。勝つのは俺たちだから」とリーダー風の坊主が言う。
「勝つのは私たちだよ、ほら、ここの常連だし」と言ってかのえは袋いっぱいに入ったコインを見せる。
常連じゃないだろ、なんでそういう意味のない嘘をつくのか。
「あのピッチングマシンの小屋を超えたら1点、一番奥のネットまで飛べば2点、看板に当たれば5点だ。球速は100キロ。高さの調整は自由。いいな?」
「うん」とかのえは即答する。
こいつ、自分が70キロでやってたって自覚がないな。
「で、誰から?」とかのえが尋ねる。
「まずは、こいつ」とリーダーの坊主が言う。
「あの、まずは自己紹介しないか?」と常識的な坊主が言う。
「ああ、そうだな。俺は、青鷺 炎」リーダーが青鷺。
「俺は塵塚 魁央。ポジションはセカンド」常識的な坊主は塵塚。
「江津 欧大」もう一人の坊主が江津。
あ、意外と覚えられるかもしれねえ。
「じゃあ、始めよう」
「お前らも名乗れよ」と青鷺、多分。
「早田久次郎」と久次郎が名乗る。
「俺は、青池昇」
「かのえ」
「苗字は?」とイラついた様子で青鷺が言う。
「中島」かのえは嫌そうに言う。
「なんか合コンみてぇだな」と俺は久次郎に言う。
「いや、合コン行ったことないんで。」
合コンか。いくつの合コンに行って夏海ちゃんを探したことか。
「大丈夫ですか」
「打てないかもしれねぇ」
じゃんけんでかのえさんが勝って、野球部から打つことになった。
江津 → かのえ → 青鷺 → 早田 → 塵塚 → 青島、という順番だ。
「俺からか」と呟いて、江津が打席に入っていく。
背が高くて、肩幅が広い。細身だが、がっちりとしている。いかにもスポーツ選手と言った体型だ。
僕たちはベンチに座って、その打席を眺める。
野球部の奴らは立ち上がってネット間近に立っている。
「打てー、えつおー」青鷺と塵塚が応援する。
「えつお、ああ、えつおうだいでえつおか。おもしろいね」とかのえさんが呟く。
コインが入る音がして、ピッチングマシンのライトが光る。
始まった。
野球部はどれくらい打てるのだろう。
ボールが真っすぐ飛んでくる。
江津はバットを振る。
綺麗なスイング。
ボールは手本のように奥のネットに当たる。
2点だ。
江津は一度手首でバットを回して、また構える。
次のボールが来る。
同じ軌道で飛んでいく。
また2点。
確か、ここの球数は12球。このままだと24点入る。
僕はかのえさんを見る。
かのえさんは全く焦る様子もなく、ヘルメットをかぶってバットを持ったまま江津を眺めている。
また2点入る。
さらに2点。
江津は全く同じスイングで、同じような位置にボールを運んでいく。
「いいぞっ。ナイス」と青鷺が言う。楽しそうだ。
でも、江津の後ろ姿を見る限り、楽しそうではない。
退屈。
多分、江津はこの勝負に興味がないのだろう。
結局、江津は24点を入れた。
「ナイスー、えつお」と塵塚がハイタッチの手を出す。
「どうも」と会釈をして、江津は軽くハイタッチをする。
「お前、ホームラン狙えただろ」
「すいません」
「すごいな、野球部。というより、あの坊主。えーっと名前は」と青島先生が言う。
「江津です」
「あー、そうそう」
かのえさんは立ち上がる。
「よし」と呟く。
「かのえさん」と僕は呼びかける。
「ん?」
「かのえさんなら打てるよ」
「うん」かのえさんはニヤリと笑う。
可愛い。
そのままネットの向こうに入っていく。
僕は立ち上がって、ネットの傍まで行く。
ボールが飛んでくる。
やっぱり、70キロよりずっと早い。
かのえさんは勢いをつけてバットを振る。
でも、70キロよりも速度がある分、まっすぐだ。
だから、ちゃんとした位置で振れば、当たる。
「っ」かのえさんのバットがボールの下を通る。
後ろの板にボールが当たる。
かのえさんはバットを構えなおす。
またボールが飛んでくる。
「く」かのえさんはまた空振りをする。
今度はバットの方が高かった。
もう一度、構える。
空振り、空振り
見ていると緊張する。
空振り、空振り
応援しないといけない。
空振り、空振り
でも、なぜか、どう応援すればいいのか分からない。
構えなおすかのえさんは見るからにイライラしている。
残りは4球。
焦る気持ちは分かる。
「っ」また空振りだ。
疲れてきたのか、かのえさんの足元がふらつく。
かのえさんは乱暴に肩の上にバットを乗せる。
応援しないと。でも、何を言えば……
『じゃあさ、打てなくても大丈夫』
かのえさんの言葉を思い出す。
「かのえさん、打てなくても大丈夫。楽しんで」
初めてだ。心から、応援の言葉が出たのは。
「うん」かのえさんは振り返って言う。
「落ち着いて打てば当たるよ」
かのえさんは構える。
ボールが飛んでくる。
バットを振る。
ボールの下をかすめる。
一瞬で上がって、小屋の手前に落ちる。
「当たってる、いいよ」
かのえさんは構えなおす。
最初よりよくなっている。
ボールが来る。
今度は右側に勢いよく飛んでいく。
バットの先だったのだろう。
「リラックスして。芯に当たれば力入れなくても飛んでくから」
かのえさんは構える。
最後の一球が来た。
かのえさんはバットを振る。
いい。間違いない。
ボールは小屋を越えて落ちる。
1点だ。
ピッチングマシンのライトが消える。
かのえさんはネットを持ち上げて出てくる。
「いい当たりだったよ」
「もっと打ちたかった」かのえさんはあの悔しそうな険しい表情で言う。
「また練習しよう」
「お前、その子の応援はちゃんとするんだな」と青鷺が言う。
「……」僕は黙って、彼の前を通り過ぎる。
「青鷺がんばれー」と塵塚が応援している。
僕も小学生のときは同じ声援を送っていただろ。
いや、送ってなかったか。
うん。送ってなかった。
「久次郎」とかのえさんが呼びかける。
「なに?」
「あの人、知り合い?」
「うん。小学生のときのチームメイト」
「ふーん」
小学生のときは真面目なやつだったんだよ、と言おうと思ってやめる。
青鷺は打席に入る。
青鷺の打ったボールは時々、奥のネットまで飛んでいく。
高さとしてはホームランの看板と変わらないだろう。
「真面目なバッティングだな」と隣に座っていた青池が呟く。
青池先生の言う通り、江津とは違って真面目という感じがする。
本当にまじめだった、小学生のときから。
今も野球に関しては真面目なのだろう。
真面目じゃなかったのは僕の方だった。
小学生の時は打席に入ると、いつも打てない感じがした。
脳のどこかが打てないと決めつけてしまうのだろう。
早く終わってほしくて、適当にバットを振っていた。
そういうのがチームメイトには分かるのだろう。
「あいつ、そんなにかのえを彼女にしたいのか」と青池先生が言う。
「困るな」とかのえさんが呟く。
「いや、多分、僕と人が仲良くしているのが気に入らないんです。まして、野球のことで」
「え、なんで?」と青池先生が尋ねる。
「僕は野球に真摯じゃなかったからです。青鷺とチームメイトで。なんとなく始めて、なんとなく続けていただけだったので」
「ほう」青池先生が興味深そうに自分の顎を触る。
「なんというか、やる気、というか、相手に勝ちたいって気持ちがなくて。相手の気持ちに負けるっていうか。だから、打席に入っても全然打てないし、ルールを間違う時もあったし、守備でミスをすることもあった。ベンチにいてもたいして応援もしなかった。そういうところが気に入らなかったのだろう、と思います」
また、青鷺のボールが遠くまで飛んでいく音がする。
「僕も、小学生の自分が気に入らないです。スポーツは僕の気性に合わない。だから、あまり野球にも関わりたくなくて」
しまった、と思ってかのえさんを見る。
彼女は青鷺が自分に近づく口実で、野球を使ったことが許せないと言った。それは僕だって似たようなものだろう。
だから、僕が野球に不実だということは隠しておきたかった。
かのえさんは何かを言おうとする。
その時、青鷺が出てくる。
1点が5つ、2点が5つ。
「15点だった。次はお前の番だ、早田」
僕は立ち上がってバットを握る。
代金は100円玉で払えばいいか。
39-1、もしかしたら、無理かもしれない。
そうしたら、かのえさんが。
結構、緊張してきた。テンションが上がる感じの緊張じゃなくて、早く終わってほしいタイプの緊張だ。
先に謝っておくしかないだろうか。そう思いながら、僕は100円玉を入れる。
嫌な感じだ。
僕はバットを構える。
「久次郎」とかのえさんが呼びかける。
僕はネット越しにかのえさんを見る。
「ジュース忘れないで」かのえさんは真顔で言う。
僕は思わず吹き出す。
そういえば、そんな事を言っていたな。
その時、ボールが飛んできて、後ろの板に当たる。
「おい、馬鹿。なにやってんだ」と青池が怒鳴る。
僕はバットを構える。
大丈夫だ。これはバッティングセンターだから。試合で打てないのとは違う。
ボールが来る。
バットを振る。
ボールはまっすぐ、ピッチングマシンの方に飛んでいく。
これでは0点だ。
「打てよー、かのえ取られちまうぜー」と青池先生が言う。
僕は構えなおす。
ピッチングマシンのアームが上がる。
右足に体重を乗せる。
ボールが放たれる。
腰を捻る。
同時にバットを出す。
どうだ。
いい感じだ。
ボールはピッチングマシンの小屋を飛び越えて向こうに落ちる。
1点。
この感じでもこれくらいしか飛ばないのか。
そんなのがさらに二つ続く。
現在3点、残り7球。
「久次郎、ホームラン」とかのえさんが言う。
ちょっと焦る。今日は「打てなくていいよ」じゃないのかよ。
どうすれば打てる?
もっと下から掬う感じか。
バットを振る。
ボールは後ろの板に当たり鈍い音を立てる。
ボールの下を振ったな、多分。
もっと上を。
そう思いながら構える。
今。
手ごたえが軽い。
ボールは綺麗に上がり、奥のネットまで飛んでいく。
ホームランの看板の左横だ。
「惜しいなぁ」と青池先生が言う。
今と同じ動きをすればいい。
ボールが来る。
よし、いけ。
大きく空振りをする。
勢いあまってふらつく。
「力むなー」と青池先生。
次は打てる。
ボールが来る。
今だ、いや、もう少し。
スイング。
ボールは夜のライトで照らされた空に舞い上がる。
今度こそ、どうだ。
ボールはゆっくりと飛んでいく。
いけ。
バン、とホームランの看板が揺れる。
ピッチングマシンの「HR」の文字が光る。
やった。
「よし」というかのえさんの声が聞こえる。
このまま、もう一つ。
バットを振る。
今度は鈍い。
ボールはピッチングマシンの向こうに落ちる。
それから2球は空振り。
1点が3つと、2点が一つ、あとは5点が一つ。
合計10点。かのえさんの点数と合わせて11点。39-11。28点差か。
もっと取りたかったな、と思いながら打席を出る。
「やったね」かのえさんが言う。
「もう少し取っておきたかったけどね」
「また練習しよう」
それができるかは、青池先生にかかっているのか、と思う。
「じゃあ、次は俺だな」常識的な坊主の塵塚は打席に入っていく。
彼は10点。僕と同じ点数だった。そして、これと言って特徴は無かった。
「じゃあ、やるか」と立ち上がる。
いやいや、49-11? 38点差? どんだけ打たねぇといけないんだよ。
「青池先生」かのえが呼び止める。
「ん?」
「ここで活躍したら、夏海ちゃんに会えるかもよ」
「っ」
かのえはニヤリと笑う。
「な、そんなわけないだろ」
俺は緑色のネットを持ち上げる。
ホームランは正面か。
コインを入れる。
右打席に立って目を瞑る。
『昇っ、頑張ってーっ』あの日の夏海ちゃんの声を思いだす。
ガシャン、というピッチングマシンのアームにボールが乗る音がする。
目を開く。
右足に体重を乗せる。
左足を軽く上げる。
息を止める。
アームが前に傾く。
今だ。
思いっきりバットを振る。
とりあえず、これだな。
ボールはまっすぐホームランの看板に当たる。
「残り33ー」かのえが久次郎の景品のコーラを片手にベンチに座って言う。
「まず褒めろよ」
「ナイスバッチ」とかのえの隣に座った久次郎が言う。
こいつ捻くれたふりして意外と素直なんだよな。
さて、とりあえず、もう一つ打っとくか。
軽くバットを振る。
うん。
またホームランの看板が揺れる。
「残り28ー」とかのえさんが言う。
「ナイスバッチー」本当にすごいな、と思う。
「バッチってなに?」
「バッティングのことだと思う」
「へー」
「あ、でもバッチコイって言うから、バッターかも」
「あ、『良い打撃ー』のやつか」
「なにそれ?」
「カムカムで言ってた」
「カムカム?」
「カムカムエブリバディ」
「あー、朝ドラの。へー」
と会話をしている間に、2点を3つ取っている。
「残り22ー」とかのえさんが言う。
青池先生はさらに2点を入れる。
駄弁るな、後ろで。
「残り20ー」とかのえが言う。
くそ、腕が疲れて飛ばなくなってきた。
あと6球か。
まあ、成るように成れって感じだな。
バットを手首で回して構えなおす。
あ、打てそう。
バットを振る。
ボールは遠くへ飛んでいく。
「あと18ー」とかのえが言う。
もう次のボールが来る。
くっ、ミスったな。
飛距離は十分だが、看板には当たらない。
2点だ。でかいな、看板に当たるか、当たらないかで、3点も変わって来るのか。
もう、腕がパンパンだ。
やばいな。
「昇ーっ、がんばってーっ」と聞こえる。
「なんで」夏海ちゃん。
ボールが来る。
俺はそのボール、それから次のボールをホームランの看板に運ぶ。
いや、冷静に考えろ、夏海ちゃんなわけがない。
「残り8ー」さっきと同じ声がする。かのえだ。分かってて下の名前で呼んだな。
振り返えると、「ナイバッチー」とかのえが言う。
「悪女め」
あと3球だ。
このルールで8という数字は意外と大きい。
青池先生はまた打つ。
看板を外れる。
2球で、あと6点。
かのえさんもいつしか無口になって、青池先生を見ている。
次のボールも2点。
あと、一球だ。
あと、1球で4点。
ホームランしかねぇのかよ。
何本ホームラン打った? まあ、いいや。これ打ったら考えよ。
ボールが飛んでくる。
どうだ?
あ、見えた。
いける。
思いっきりバットを振る。
ボールは真っ暗な空に高く上がる。
ホームランは大好きだぜ、なんも考えなくていい。
ホームランの看板が揺れる。
最高。
「よし」打席を出た青池先生にかのえさんが言う。
「よし、じゃねぇよ。こっちは明日も仕事なんだぜ」
青池先生の得点は2点が7つ、ホームランの5点が5つの合計39点。
39-40、一点差で僕たちの勝ちだ。
「助かりました」
「いいんだよ。お前は巻き込まれた側だろ。ナイバッティン」
青池先生はグータッチをする。
かのえさんは青鷺たちが立っている方に歩いていく。
「じゃあ、約束ね」
青鷺は舌を打って、かのえさんの横を通りすぎて出ていく。
「なんか、ごめん」と言って塵塚もその後をついていく。
江津は通りがかりにかのえさんの顔を見る。
かのえさんは微笑む。
江津は目をそらして歩いていく。
「あー疲れた」と青池先生が両手を上げて言う。
「思ったより打てるね、昇」かのえさんが言う。
「あ、お前、そういえばそれ、狙って言ってんだろ?」
「うん。夏海ちゃんがそうやって呼んでたんだよね?」
「くそ、よく知ってんな」
あれ、と僕は思う。
この二人の仲ってそういえばなんだろう。
「あ」かのえさんはふと言う。
「どうした?」
「ジュース」
「ああ、そういえば」
「俺のホームランで5本貰えるし」
「ううん、あの人たちにちゃんと奢らせたい。ちょっと、追いかけてくる」
かのえさんはそう言うとバッティングセンターを飛び出していった。
「なんだよ、奢らせたいって」
・チーム別スコア
野球部
1江 津 2/2/2/2/2/2/2/2/2/2/2/2 合計24
2青 鷺 1/0/1/2/2/2/1/2/2/1/1/0 合計15
3塵 塚 1/1/1/1/1/2/1/0/0/1/0/1 合計10
かのえアウトサイダーズ
1かのえ 0/0/0/0/0/0/0/0/0/0/0/1 合計1
2久次郎 0/0/1/1/1/0/2/0/5/0/0/0 合計10
3青 島 5/5/2/2/2/2/2/5/5/2/2/5 合計39
つづく
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