私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第2章 王都へ

87 不穏な影

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「いよいよ次の町がフィッツ町かぁ」
「楽しみだね!」

二日目は特に何事もなく一日が終わった。
二日目の教会の神官長様はフェ様と同じ位の年齢で、とても優しい方だった。
グラッド神官長様のようにフェ様にベッタリと言うこともなく、到着してすぐに挨拶にいくと、私たちにも話しかけてくれて、一緒に夕食も食べた。
今日お別れの挨拶をする際も、一人一人に挨拶をしてくれて、すごく嬉しかった。
ただ、最後にフェ様に向かって深く頭を下げていたのは印象的だったけど。
やっぱり、フェ様が元王族だって知ってたのかな。
これから行く教会の神官長様も同じように優しい方だと良いなぁ。

今、私たちは本日の宿泊地であるフィッツ町に向かっている。
この町で観光ができるとあって、私たちの期待は高まるばかりだ。

「早く海が見えないかなぁ」
「まだ数時間はかかるんじゃない?」

窓を覗きそう呟く私とは対照的に、アミーちゃんは冷静だ。
お昼の休憩からまだ一時間くらいしかたってないからアミーちゃんの言う通りなんだけど、少しでも早く海に気づけるよう、窓から目が離せない。

「今日はあと一回下りるだけで、もう一度上り下りしなくていいのも嬉しいな」

キャシーちゃんはそう言って、ようやくもとの顔色に戻った顔をこちらに向けた。
フェリシアに対する苦手意識は無くなったみたいだけど、梯子の上り下りはまだ慣れないみたい。
今回は昼休憩のあとの休憩がないので、キャシーちゃんも嬉しそうだ。

「椅子に座ると足が宙に浮くでしょ?あの不安定さがどうも苦手で。自分で梯子を上る方がまだ怖くないかも 」
「あー、キャシーもそれが苦手なんだ。だったら、椅子の上で体操座りをしてみたら?それで、目をつぶるの。あたしはそれで大分怖さが和らいだから、実践してみて」
「そんな方法がっ。次下りるときは絶対そうしてみるっ」
「まあ。全く怖さがなくなる訳じゃないけど」
「少しでもましになるなら、それだけでも嬉しいから。ありがとう!」

キャシーちゃんはアミーちゃんからの提案に素直にお礼を言うと、嬉しそうに笑った。
これで少しはキャシーちゃんの怖さが和らぐと良いな。

「~っ。~~~!」
「~~、~~⁉️」

みんなで仲良くしゃべっていると、外からアランさんたちの声が微かに聞こえてくる。
どうしたんだろう?
いつもはこちらに話しかける以外は全く声が聞こえてこないのに。
不思議に思って窓からアランさんたちがいるであろう場所を見てみる。
けど、アランさんたちはいつもの場所におらず、ロンさんのいる位置の近くにいた。
何故かアランさんをマーヴェイさんが拘束していて、シーラさんがアランさんに何か話しかけているけど、アランさんはシーラさんの方を見ることなく、しきりに下を気にしていて、今にもフェリシアから飛び降りそうだ。

いったい何があったんだろう?

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