59 / 278
第2章 王都へ
105 新しい友達①
しおりを挟む
家の中はまさに豪奢の一言だった。
廊下の所々には大きな坪に花が生けてあり、廊下はつるつるでうっすら自分の姿が写るほどピカピカに磨かれている。靴で歩くことに抵抗を感じるほどだ。
何となくつま先立ちで歩いていたら、アミーちゃんたちも同じくつま先立ちで歩いていて、何となく安心する。
そうこうするうちに、クラウジアさんの待つ部屋の前に到着する。
コンコンコン
「はい」
「皆様をお連れしました」
「お通ししてくれ」
マットさんが扉を開けてくれたので、みんなで中にはいる。
部屋の中にはクラウジアさんとその横に見知らぬ女性、その向かいにフェ様がいて、フェ様の後ろにアランさんが控えていた。
クラウジアさんの奥さんかな?
黄色の髪にオレンジの瞳のとても可愛らしい女性だった。
女性はクラウジアさんと一緒にソファーから立ち上がると、挨拶してくれた。
「クラウジアの妻のマーガレットと申します。この度はなんとお礼を言えば良いか…。本当にありがとうございます」
「さあ、椅子にお座りください。アランさんも、皆さんがいらっしゃったのですから、ぜひ」
「ですが」
「せっかくのご厚意だ。座らせてもらいなさい」
「はい」
私たちはフェ様と一緒のソファーに座り、アランさんたちは別のソファーに腰かける。
私たちが座ったタイミングで、マットさんが紅茶を出してくれた。
「どうぞ」
「「「「ありがとうございます!」」」」
「冒険者の皆様もどうぞ」
「「「ありがとうございます」」」
紅茶を一口飲み、みんなで一息つくと、ずっと気にかかっていたことをシーラさんがクラウジアさんに聞いてくれる。
「アデーレの花は無事に咲きましたか?」
「お陰様で1時間ほど前に咲きました。あの花は開花時にのみ一滴の滴を流すんです。その滴こそが万病に効くと言われていまして。無事に滴を息子のルークに飲ませることができて、安心しました」
「では、息子さんは?」
「まだ、何とも。ですが飲んだ後に体がぽかぽかすると言ってましたから、何かしらの効果はあったのだと思います」
クラウジアさんとマーガレットさんの表情は明るく、良い結果になったようでほっとする。
「皆様が良ければ、ぜひ息子にも会っていただきたい」
「旦那様がルークに今回の話をしましたら、ぜひ皆さんに会ってお礼を言いたいと言ってますの」
私たちもぜひお土産を渡したかったので、そのままルーク君に会うことになった。
でも、ここで一つ問題が。
奥さんのマーガレットさんに何もお土産を買ってきていなかったのだ。
クラウジアさんにお土産を渡す前に、素直にその事を謝るとマーガレットさんは優しく笑って、「旦那様のご無事以上に嬉しいことはございませんから。本当にありがとう」と一人一人の手をとって言ってくれた。
「ジェラート、ありがとうございましたっ」
「スッゴク美味しかったですっ」
「あの。これ、みんなで選んだんです」
「受け取ってくださいっ」
ルーク君の部屋に行く前に、クラウジアさんにお土産を渡す。
「これを私に?やぁ、素敵なハンカチだね!ぜひ大切に使わせてもらうよっ」
「皆さん、ありがとうございます」
クラウジアさんはすごく喜んでくれて、大切そうに胸ポケットにいれてくれた。
「やったわねっ!」
「うんっ!」
「さすがわたしっ!」
「俺の選んだお土産も喜んでくれるかな?」
みんなで喜びあっている中、ハル君は一人不安そうだ。
「ルークもきっと喜ぶよ。ルークには同年代の友達がいないんだ。みんながこの屋敷に滞在している間、仲良くしてくれると嬉しいな」
「俺っ、ルークの友達一号になるっ!」
クラウジアさんの言葉に、さっきまで不安そうにしたことも忘れて、ハル君が張り切っていた。
「男って単純ね」
「それがハル君の良いところなの!」
「でも、元気になって良かったね」
クラウジアさんとフェ様、それにアランさんたちは用事があるとのことだったので、マーガレットさんにルーク君の部屋まで案内してもらう。
コンコンコン
「ルーク、起きてる?」
「うん。起きてるよ」
中から、可愛らしい声が聞こえてくる。
「皆さんが来てくれたわよ」
「っ本当?入ってもらって」
マーガレットさんが扉を開けると、ベットの中で体を起こした状態で男の子がこちらを見ていた。
「初めまして 」
銀色の髪に灰青色の瞳の男の子はマーガレットさんとよく似た可愛らしい顔立ちを緊張で強張らせながら、私たちに挨拶してくれた。
---
1/13 一部文章を変更しました。
誤:《ローク》には同年代の友達がいないんだ。
正:《ルーク》には同年代の友達がいないんだ。
廊下の所々には大きな坪に花が生けてあり、廊下はつるつるでうっすら自分の姿が写るほどピカピカに磨かれている。靴で歩くことに抵抗を感じるほどだ。
何となくつま先立ちで歩いていたら、アミーちゃんたちも同じくつま先立ちで歩いていて、何となく安心する。
そうこうするうちに、クラウジアさんの待つ部屋の前に到着する。
コンコンコン
「はい」
「皆様をお連れしました」
「お通ししてくれ」
マットさんが扉を開けてくれたので、みんなで中にはいる。
部屋の中にはクラウジアさんとその横に見知らぬ女性、その向かいにフェ様がいて、フェ様の後ろにアランさんが控えていた。
クラウジアさんの奥さんかな?
黄色の髪にオレンジの瞳のとても可愛らしい女性だった。
女性はクラウジアさんと一緒にソファーから立ち上がると、挨拶してくれた。
「クラウジアの妻のマーガレットと申します。この度はなんとお礼を言えば良いか…。本当にありがとうございます」
「さあ、椅子にお座りください。アランさんも、皆さんがいらっしゃったのですから、ぜひ」
「ですが」
「せっかくのご厚意だ。座らせてもらいなさい」
「はい」
私たちはフェ様と一緒のソファーに座り、アランさんたちは別のソファーに腰かける。
私たちが座ったタイミングで、マットさんが紅茶を出してくれた。
「どうぞ」
「「「「ありがとうございます!」」」」
「冒険者の皆様もどうぞ」
「「「ありがとうございます」」」
紅茶を一口飲み、みんなで一息つくと、ずっと気にかかっていたことをシーラさんがクラウジアさんに聞いてくれる。
「アデーレの花は無事に咲きましたか?」
「お陰様で1時間ほど前に咲きました。あの花は開花時にのみ一滴の滴を流すんです。その滴こそが万病に効くと言われていまして。無事に滴を息子のルークに飲ませることができて、安心しました」
「では、息子さんは?」
「まだ、何とも。ですが飲んだ後に体がぽかぽかすると言ってましたから、何かしらの効果はあったのだと思います」
クラウジアさんとマーガレットさんの表情は明るく、良い結果になったようでほっとする。
「皆様が良ければ、ぜひ息子にも会っていただきたい」
「旦那様がルークに今回の話をしましたら、ぜひ皆さんに会ってお礼を言いたいと言ってますの」
私たちもぜひお土産を渡したかったので、そのままルーク君に会うことになった。
でも、ここで一つ問題が。
奥さんのマーガレットさんに何もお土産を買ってきていなかったのだ。
クラウジアさんにお土産を渡す前に、素直にその事を謝るとマーガレットさんは優しく笑って、「旦那様のご無事以上に嬉しいことはございませんから。本当にありがとう」と一人一人の手をとって言ってくれた。
「ジェラート、ありがとうございましたっ」
「スッゴク美味しかったですっ」
「あの。これ、みんなで選んだんです」
「受け取ってくださいっ」
ルーク君の部屋に行く前に、クラウジアさんにお土産を渡す。
「これを私に?やぁ、素敵なハンカチだね!ぜひ大切に使わせてもらうよっ」
「皆さん、ありがとうございます」
クラウジアさんはすごく喜んでくれて、大切そうに胸ポケットにいれてくれた。
「やったわねっ!」
「うんっ!」
「さすがわたしっ!」
「俺の選んだお土産も喜んでくれるかな?」
みんなで喜びあっている中、ハル君は一人不安そうだ。
「ルークもきっと喜ぶよ。ルークには同年代の友達がいないんだ。みんながこの屋敷に滞在している間、仲良くしてくれると嬉しいな」
「俺っ、ルークの友達一号になるっ!」
クラウジアさんの言葉に、さっきまで不安そうにしたことも忘れて、ハル君が張り切っていた。
「男って単純ね」
「それがハル君の良いところなの!」
「でも、元気になって良かったね」
クラウジアさんとフェ様、それにアランさんたちは用事があるとのことだったので、マーガレットさんにルーク君の部屋まで案内してもらう。
コンコンコン
「ルーク、起きてる?」
「うん。起きてるよ」
中から、可愛らしい声が聞こえてくる。
「皆さんが来てくれたわよ」
「っ本当?入ってもらって」
マーガレットさんが扉を開けると、ベットの中で体を起こした状態で男の子がこちらを見ていた。
「初めまして 」
銀色の髪に灰青色の瞳の男の子はマーガレットさんとよく似た可愛らしい顔立ちを緊張で強張らせながら、私たちに挨拶してくれた。
---
1/13 一部文章を変更しました。
誤:《ローク》には同年代の友達がいないんだ。
正:《ルーク》には同年代の友達がいないんだ。
13
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
王命って何ですか? 虐げられ才女は理不尽な我慢をやめることにした
まるまる⭐️
恋愛
【第18回恋愛小説大賞において優秀賞を頂戴致しました。応援頂いた読者の皆様に心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました】
その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。
貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。
現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。
人々の関心を集めないはずがない。
裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。
「私には婚約者がいました…。
彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。
そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。
ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」
裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。
だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。
彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。
次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。
裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。
「王命って何ですか?」と。
✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。
秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」
私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。
「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」
愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。
「――あなたは、この家に要らないのよ」
扇子で私の頬を叩くお母様。
……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。