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第2章 王都へ
120 新たな先輩
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自習室も食堂のように広く、机や椅子が沢山並んでいた。
でも、期待していた寮生の姿はなかった。
「よく考えたら、まだ学校が始まってないのに、自習室でわざわざ勉強する人もいないか」
アミーちゃんのもっともな言葉にみんなでがっくりしつつ、自習室を後にする。
「一階はこれで全部かな?」
「あとは大浴場と、談話室があるみたい」
アミーちゃんが地図を見ながら教えてくれる。
「なら、談話室に行きましょうよ!」
「そうだな。他の建物の中には入れないんだから、夕食の時間になるまで、そこで時間を潰そうぜ」
「え?他の建物には入れないの?」
ハル君の言葉にビックリする。
でも、他の二人も特に驚いていないみたい。私は初耳なんだけど、何でみんなは知ってるんだろう?
「マリアさんから説明されなかった?他の建物は危険な場所もあるから、入学式が終わって、クラス分けをしてからクラス毎に建物の案内をしてくれるそうよ。それまでは学生寮以外は出歩いてはダメなんだって」
「そうなんだぁ」
恐怖で後半はあまり覚えてないので、その時に説明を受けてたのかな?
「ねぇ、早く行ってみましょうよ」
「あ、ごめんね」
しびれを切らしたキャシーちゃんに促され、みんなで談話室に向かう。
「あっ、来た!あの子達が新入生だよ」
談話室の扉を開けると、そこには数人の学生の姿があって、何グループかに別れて座っていた。ヒューイ先輩の声に談話室にいた全ての学生の視線がこちらに集まり、緊張する。
「こっちにおいでよ」
ヒューイ先輩が手招きしてくれるので、思いきってみんなで談話室に足を踏み入れる。
「夕食の時間までまだ時間があったから、絶対に部屋から出てくると思ってたんだ」
ヒューイ先輩は笑ってそう言うと、一緒にいた人たちを紹介してくれた。
「彼らはジョンとミーナとナンシー。ボクと同じ二年生だよ」
「よろしくなっ」
「「よろしくね」」
「「「「初めましてっ!」」」」
みんなで自己紹介をした後、ヒューイ先輩に勧められて一緒の席につく。
「ボクが新入生に会ったと話したら、みんなも会いたいって言うからここで待ってたんだ。会えて良かったよ」
図書館に行くと言っていたヒューイ先輩か何故ここにいるのか不思議だったので、謎が解けてスッキリする。
「人が少なくってビックリしたでしょう?」
「夏休みは長いから帰省する子が多いの」
「上級生だと冒険者ギルドで小遣い稼ぎをする先輩方もいるから、夕飯時まで帰ってこないしな」
「冒険者ギルドですかっ⁉️」
冒険者ギルドと聞いて、瞳を輝かせるハル君。それに気づいたジョン先輩が詳しく教えてくれる。
「ああ。正式にではないけれど、13才になったら仮の冒険者カードを作って冒険者ギルドで働くことができるんだ。仮だからFランクですらないGランクだし、ランクアップもしないけどな」
「そうなんだっ!」
ハル君は思ったよりも早く冒険者になれると知って、嬉しそうだ。
「ところで、まだ入学式まで日にちがあるのにずいぶん早く来たんだね。君たちが新入生で最初の入寮生だよ」
「本当ね。どこから来たの?」
「えっと、あたしはサーズ町で、サラちゃんがクルル村、残りの二人がアルム村です」
「聞いたことがないなぁ」
「ここから馬車で一ヶ月かかる場所から来たので」
「一ヶ月っ⁉️それは大変だね」
ヒューイ先輩たちも私たちに興味津々のようで、色々と質問される。
「あ、でも竜便できたから、一週間でこれました」
「「「「「「竜便っ⁉️」」」」」」
「「「きゃっ⁉️」」」
いつの間にか談話室にいた全ての人が私たちの回りを囲んでいて、私たちの話に聞き耳をたてていたらしい。
みんなから一斉に叫ばれて、ビックリした私たちは思わず悲鳴をあげる。ハル君は驚きで声もでなかったみたい。
「先輩たちっ!みんながビックリしてるじゃないですかっ!」
「全員で話しかけると緊張するだろうから、取り敢えずボクたちだけでお話しする予定だったのにっ」
「す、すまんっ。でも、気になって」
私たちの代わりにヒューイ先輩たちが他の先輩に怒ってくれた。
けれどあまり堪えた様子もなく、皆さんの興味は竜便にあるようだ。
「な、なあ。竜便って、飛竜?それとも陸竜?」
「ひ、飛竜です」
「飛竜⁉️いいなぁ!」
「飛竜ってどこに乗るの?」
「えっと、竜の背中に籠を設置して、その中に」
「へぇーっ!」
「竜便って揺れない?」
結局私たちは、夕食の時間までここにいる全員から質問攻めに合うのだった。
---
1/22 人名を変更しました。
メアリー → ミーナ
既に馬の名前で使っていたので変更しました。
でも、期待していた寮生の姿はなかった。
「よく考えたら、まだ学校が始まってないのに、自習室でわざわざ勉強する人もいないか」
アミーちゃんのもっともな言葉にみんなでがっくりしつつ、自習室を後にする。
「一階はこれで全部かな?」
「あとは大浴場と、談話室があるみたい」
アミーちゃんが地図を見ながら教えてくれる。
「なら、談話室に行きましょうよ!」
「そうだな。他の建物の中には入れないんだから、夕食の時間になるまで、そこで時間を潰そうぜ」
「え?他の建物には入れないの?」
ハル君の言葉にビックリする。
でも、他の二人も特に驚いていないみたい。私は初耳なんだけど、何でみんなは知ってるんだろう?
「マリアさんから説明されなかった?他の建物は危険な場所もあるから、入学式が終わって、クラス分けをしてからクラス毎に建物の案内をしてくれるそうよ。それまでは学生寮以外は出歩いてはダメなんだって」
「そうなんだぁ」
恐怖で後半はあまり覚えてないので、その時に説明を受けてたのかな?
「ねぇ、早く行ってみましょうよ」
「あ、ごめんね」
しびれを切らしたキャシーちゃんに促され、みんなで談話室に向かう。
「あっ、来た!あの子達が新入生だよ」
談話室の扉を開けると、そこには数人の学生の姿があって、何グループかに別れて座っていた。ヒューイ先輩の声に談話室にいた全ての学生の視線がこちらに集まり、緊張する。
「こっちにおいでよ」
ヒューイ先輩が手招きしてくれるので、思いきってみんなで談話室に足を踏み入れる。
「夕食の時間までまだ時間があったから、絶対に部屋から出てくると思ってたんだ」
ヒューイ先輩は笑ってそう言うと、一緒にいた人たちを紹介してくれた。
「彼らはジョンとミーナとナンシー。ボクと同じ二年生だよ」
「よろしくなっ」
「「よろしくね」」
「「「「初めましてっ!」」」」
みんなで自己紹介をした後、ヒューイ先輩に勧められて一緒の席につく。
「ボクが新入生に会ったと話したら、みんなも会いたいって言うからここで待ってたんだ。会えて良かったよ」
図書館に行くと言っていたヒューイ先輩か何故ここにいるのか不思議だったので、謎が解けてスッキリする。
「人が少なくってビックリしたでしょう?」
「夏休みは長いから帰省する子が多いの」
「上級生だと冒険者ギルドで小遣い稼ぎをする先輩方もいるから、夕飯時まで帰ってこないしな」
「冒険者ギルドですかっ⁉️」
冒険者ギルドと聞いて、瞳を輝かせるハル君。それに気づいたジョン先輩が詳しく教えてくれる。
「ああ。正式にではないけれど、13才になったら仮の冒険者カードを作って冒険者ギルドで働くことができるんだ。仮だからFランクですらないGランクだし、ランクアップもしないけどな」
「そうなんだっ!」
ハル君は思ったよりも早く冒険者になれると知って、嬉しそうだ。
「ところで、まだ入学式まで日にちがあるのにずいぶん早く来たんだね。君たちが新入生で最初の入寮生だよ」
「本当ね。どこから来たの?」
「えっと、あたしはサーズ町で、サラちゃんがクルル村、残りの二人がアルム村です」
「聞いたことがないなぁ」
「ここから馬車で一ヶ月かかる場所から来たので」
「一ヶ月っ⁉️それは大変だね」
ヒューイ先輩たちも私たちに興味津々のようで、色々と質問される。
「あ、でも竜便できたから、一週間でこれました」
「「「「「「竜便っ⁉️」」」」」」
「「「きゃっ⁉️」」」
いつの間にか談話室にいた全ての人が私たちの回りを囲んでいて、私たちの話に聞き耳をたてていたらしい。
みんなから一斉に叫ばれて、ビックリした私たちは思わず悲鳴をあげる。ハル君は驚きで声もでなかったみたい。
「先輩たちっ!みんながビックリしてるじゃないですかっ!」
「全員で話しかけると緊張するだろうから、取り敢えずボクたちだけでお話しする予定だったのにっ」
「す、すまんっ。でも、気になって」
私たちの代わりにヒューイ先輩たちが他の先輩に怒ってくれた。
けれどあまり堪えた様子もなく、皆さんの興味は竜便にあるようだ。
「な、なあ。竜便って、飛竜?それとも陸竜?」
「ひ、飛竜です」
「飛竜⁉️いいなぁ!」
「飛竜ってどこに乗るの?」
「えっと、竜の背中に籠を設置して、その中に」
「へぇーっ!」
「竜便って揺れない?」
結局私たちは、夕食の時間までここにいる全員から質問攻めに合うのだった。
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メアリー → ミーナ
既に馬の名前で使っていたので変更しました。
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