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第2章 王都へ
130 王都の教会①
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「今日はよろしくお願いします」
「お任せください」
フェ様に向かって出発前に頭を下げる。
一緒に馬車に乗り込むと、すぐに馬車は教会に向けて走り出した。
「マーブル様たちはお元気ですか?」
「はいっ!ほら、マーブル」
「にゃんっ!」
「それは良かった」
ポシェットの中から出してあげると、フェ様に向かってマーブルは元気よく挨拶する。リードも相変わらず馬車の中ではつまらなそうだけど、椅子にはちゃんと座っている。
フェ様はそんな私たちの様子をニコニコしながら見ていた。
そうだ!今だったらあの件を伝えれる!
私はこの時とばかりに、フェ様と二人きりになったら言おうと思っていたことを口にする。
「あのっ。ずっと言いたかったことがあるんですけど」
「何でしょう?」
「称号持ちが増えた件なんですけど、どうも私が原因みたいで…」
「やはりですか」
意外な事にフェ様は予想していたようで、特に驚くことはなかった。
「精霊様から理由をお聞きしたんですか?」
「あ、はいっ。なんでも、私に集まっていた精霊様たちが私とマーブルが出会ったことで、新たな出会いを求めてクルル村のある辺りの子供のもとにいったそうです。ですから、あの辺りはしばらく称号持ちの子供が多いって言ってました」
「そう言うことですか」
「ち、ちなみに、クルル村の子供たちは全員称号持ちだそうです」
「…はっ?」
「しかも複数の精霊様たちから好意を受けているようで…、どうしましょう?」
さすがのフェ様もそこまでは予想していなかったようで、呆然としていた。
「サラ様の一番身近にいる子供たちですからね。予想するべきでした。この事はマーク殿もご存じですか?」
「いえ。私もこの事を知ったのが旅立つ当日で、お父さんたちに言うタイミングかなくって」
「教えてくれてありがとうございます。マーク殿にはサーズ町に戻り次第、私の方から連絡しておきますしょう」
「ありがとうございます!」
ずっと気にかかっていたことをフェ様に言うことができてほっとする。
私の話が終わったところで、これから行く教会について話してくれてた。
王都にある教会はラーミル国にある教会の大元になる教会で、ここで神官になるべく修行をし、晴れて神官になった暁には各町や村の教会に派遣されるらしい。
「これからお会いするのは最高神官長になります」
「最高神官長様ですか?」
初めて聞く言葉に首をかしげる。
神官長様とは違うのかしら?
「神官が複数いる教会に神官を束ねる存在としているのが神官長です。最高神官長は更にその上の、全ての神官の長として存在する唯一無二のお方です」
「そ、そんなすごい人に今からお会いするんですか⁉️」
フェ様よりも更に偉い方なんて!
…国王様とどっちが偉いのかな?
今までの旅のように、ただ王都にある教会の神官長様にお会いするだけだと思っていたので、予想外の事態に混乱してしまう。
「私が王都の教会にいた当時は神官長だったのですが、とてもよくしてくれました。サラ様のことも必ず力になってくれます」
フェ様はそう言うけれど、フェ様よりも偉い方とまともにお話しできるのか不安になる。
でも、よく考えたら明後日は明後日で国王様にお会いするんだよね?
つい数ヵ月前までは想像すらしなかった自分の状況に、今更ながら戸惑ってしまう。一人悶々としていると、いつの間にやら馬車が止まる。
「おや、着いたようですね」
「もうですか?」
慌てて外に出ると、確かにそこには教会があった。でも、意外なことに今まで見た町の教会と大きさはそこまで変わらなかった。王都の教会の方が大きいことは大きいけれど、王立魔法学校やお城の大きさと比べたらビックリするほど大きさではなかった。
「想像したより小さかったですか?」
「はい。あ!いえ、あのっ」
不意を突かれたため、フェ様の質問に思わず肯定してしまい慌てふためく。
そんな私をフェ様はいたずらっぽく笑って見ていた。
むー!フェ様ったらからかうなんて酷い!
「申し訳ない。初めて王都の教会見ると、皆同じような反応をするのでつい。クックックッ」
フェ様は私の予想通りの反応が面白かったようで、私が膨れっ面している横でしばらく笑った後、謝ってくれた。
「教会は神や精霊に祈りを捧げるための場所であるべきだ、と言うのがわが精霊教の信念ですので。権威を笠に着て、国を影から操り、やりたい放題のどこぞの国の宗教とは全く違います」
「そ、そうなんですか」
すごくとげのある言い方だけど、どの宗教の事を言ってるのかな?
ラーミル国には精霊教会しかないので、違う宗教のことなんだろうけど。
『多分、ラフィル聖国のラフィル教会のことじゃないか?あそこの奴らは口ではあの御方や俺らを敬っているが、権力や金の事にしか興味のない聖職者が多いから』
リードか訳知り顔で教えてくれるけど、あまり知りたくない情報だったよ。
「つい道端で話し込んでしまいましたね。迎えの者もやって来たようですし、行きましょうか」
フェ樣の視線の先を辿ると数人の神官様がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。今から最高神官長様にお会いするんだと思うと、緊張する。
最高神官長様ってどんな人なのかな?
「お任せください」
フェ様に向かって出発前に頭を下げる。
一緒に馬車に乗り込むと、すぐに馬車は教会に向けて走り出した。
「マーブル様たちはお元気ですか?」
「はいっ!ほら、マーブル」
「にゃんっ!」
「それは良かった」
ポシェットの中から出してあげると、フェ様に向かってマーブルは元気よく挨拶する。リードも相変わらず馬車の中ではつまらなそうだけど、椅子にはちゃんと座っている。
フェ様はそんな私たちの様子をニコニコしながら見ていた。
そうだ!今だったらあの件を伝えれる!
私はこの時とばかりに、フェ様と二人きりになったら言おうと思っていたことを口にする。
「あのっ。ずっと言いたかったことがあるんですけど」
「何でしょう?」
「称号持ちが増えた件なんですけど、どうも私が原因みたいで…」
「やはりですか」
意外な事にフェ様は予想していたようで、特に驚くことはなかった。
「精霊様から理由をお聞きしたんですか?」
「あ、はいっ。なんでも、私に集まっていた精霊様たちが私とマーブルが出会ったことで、新たな出会いを求めてクルル村のある辺りの子供のもとにいったそうです。ですから、あの辺りはしばらく称号持ちの子供が多いって言ってました」
「そう言うことですか」
「ち、ちなみに、クルル村の子供たちは全員称号持ちだそうです」
「…はっ?」
「しかも複数の精霊様たちから好意を受けているようで…、どうしましょう?」
さすがのフェ様もそこまでは予想していなかったようで、呆然としていた。
「サラ様の一番身近にいる子供たちですからね。予想するべきでした。この事はマーク殿もご存じですか?」
「いえ。私もこの事を知ったのが旅立つ当日で、お父さんたちに言うタイミングかなくって」
「教えてくれてありがとうございます。マーク殿にはサーズ町に戻り次第、私の方から連絡しておきますしょう」
「ありがとうございます!」
ずっと気にかかっていたことをフェ様に言うことができてほっとする。
私の話が終わったところで、これから行く教会について話してくれてた。
王都にある教会はラーミル国にある教会の大元になる教会で、ここで神官になるべく修行をし、晴れて神官になった暁には各町や村の教会に派遣されるらしい。
「これからお会いするのは最高神官長になります」
「最高神官長様ですか?」
初めて聞く言葉に首をかしげる。
神官長様とは違うのかしら?
「神官が複数いる教会に神官を束ねる存在としているのが神官長です。最高神官長は更にその上の、全ての神官の長として存在する唯一無二のお方です」
「そ、そんなすごい人に今からお会いするんですか⁉️」
フェ様よりも更に偉い方なんて!
…国王様とどっちが偉いのかな?
今までの旅のように、ただ王都にある教会の神官長様にお会いするだけだと思っていたので、予想外の事態に混乱してしまう。
「私が王都の教会にいた当時は神官長だったのですが、とてもよくしてくれました。サラ様のことも必ず力になってくれます」
フェ様はそう言うけれど、フェ様よりも偉い方とまともにお話しできるのか不安になる。
でも、よく考えたら明後日は明後日で国王様にお会いするんだよね?
つい数ヵ月前までは想像すらしなかった自分の状況に、今更ながら戸惑ってしまう。一人悶々としていると、いつの間にやら馬車が止まる。
「おや、着いたようですね」
「もうですか?」
慌てて外に出ると、確かにそこには教会があった。でも、意外なことに今まで見た町の教会と大きさはそこまで変わらなかった。王都の教会の方が大きいことは大きいけれど、王立魔法学校やお城の大きさと比べたらビックリするほど大きさではなかった。
「想像したより小さかったですか?」
「はい。あ!いえ、あのっ」
不意を突かれたため、フェ様の質問に思わず肯定してしまい慌てふためく。
そんな私をフェ様はいたずらっぽく笑って見ていた。
むー!フェ様ったらからかうなんて酷い!
「申し訳ない。初めて王都の教会見ると、皆同じような反応をするのでつい。クックックッ」
フェ様は私の予想通りの反応が面白かったようで、私が膨れっ面している横でしばらく笑った後、謝ってくれた。
「教会は神や精霊に祈りを捧げるための場所であるべきだ、と言うのがわが精霊教の信念ですので。権威を笠に着て、国を影から操り、やりたい放題のどこぞの国の宗教とは全く違います」
「そ、そうなんですか」
すごくとげのある言い方だけど、どの宗教の事を言ってるのかな?
ラーミル国には精霊教会しかないので、違う宗教のことなんだろうけど。
『多分、ラフィル聖国のラフィル教会のことじゃないか?あそこの奴らは口ではあの御方や俺らを敬っているが、権力や金の事にしか興味のない聖職者が多いから』
リードか訳知り顔で教えてくれるけど、あまり知りたくない情報だったよ。
「つい道端で話し込んでしまいましたね。迎えの者もやって来たようですし、行きましょうか」
フェ樣の視線の先を辿ると数人の神官様がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。今から最高神官長様にお会いするんだと思うと、緊張する。
最高神官長様ってどんな人なのかな?
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