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第2章 王都へ
141 謁見④
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「フェビラル閣下に向かってなんと言うことをっ!」
「宰相、静かにっ。許可を与えたのは私だ」
「ですがっ」
「私は構いませんよ。是非理由を教えていただきたいものだ」
国王様の傍らに立つ男性は宰相様だったんだ。宰相様はとても憤慨していたけれど、フェ様は堪えた様子もなく逆に理由を問いかける余裕すらあるようだ。そんなフェ様の様子に、伯爵様は一瞬言葉に詰まったようで、空咳をひとつした後、気を取り直したように話し出す。
「フェビラル殿は国王陛下の叔父と言う立場ながら、すでに王族を離れた身。しかも今は一介の神官にすぎない者が、果たして後見人の立場になるのはいかがなものかと思います。それに、フェビラル殿は王都ではなく辺境の町の教会の神官長であるとお聞きします。彼女のそばにいて守れるものが後見人になるべきではないですか?」
「確かに、ダフィル伯爵のおっしゃることも一理あるのではないか?」
「今までがフェビラル閣下を優遇しすぎていたのだ。フェビラル閣下の横暴をこれ以上許して良いものなのか」
ダフィル伯爵様の言葉に周りにいる貴族たちも同調し始める。
「では、ダフィル伯爵は後見人はどなたかふさわしいとお考えなのかな?」
周りにいる貴族たちが自分の味方になったことで、気を良くしたダフィル伯爵様は胸をらすと満面の笑みで一人の貴族を紹介する。
「ラディッツ公爵が相応しいかと」
ざわっ!
ダフィル伯爵の言葉にみんなの視線はある一人の白髪の老人に向く。
ラディッツ公爵はガリガリに痩せていて吹けば倒れそうな体型なのに、眼光の鋭さが彼を只者ではないと思わせた。
「私ですか?」
ラディッツ公爵様は指名されたことに驚くわけでも、喜ぶわけでもなく淡々としていた。
全く表情が変わらないので、何を考えているのかがわからず、とても不気味だった。
「はい!身分的にも人望的にも、ラディッツ公爵以上に相応しいお方はいないかと思います!」
「おおっ!ラディッツ公爵であれば誰も文句はあるまい」
「しかし、ラディッツ公爵が後見人となれば、貴族派の勢力も今まで以上に「しっ!下手なことは言うと、目をつけられるぞ」す、すまん」
いつの間にかフェ様からあの不気味なラディッツ公爵様に後見人が変わる流れに話が向かっていた。不安で思わずフェ様の服をつかんでしまう。
フェ様はそんな私を安心させるように背中をポンポンと優しく叩いてくれる。
「とても光栄なことですが、私などがフェビラル閣下の代わりになるなど、とてもとても」
「そんなご謙遜を!」
本音はどう思っているのかはわからないけど、ラディッツ公爵様はフェ様をたてるような発言をしていた。
「ふむ。自信がない者に無理に勧める必要はない。ダフィル伯爵よ、ラディッツ公爵を困らせるものではないぞ」
「なっ!」
周りの貴族たちは完全にラディッツ公爵様の味方の中、フェ様の発言で流れが変わった。
フェ様は公爵様の言葉を逆手にとると、ダフィル伯爵様を諌める。
まさかのフェ様の発言に、ダフィル伯爵は言葉がでないようで口をパクパクさせいる。
「フェビラル閣下には自信があると言う事ですかな?」
自分の言葉を逆手に取られたにも関わらず、全く表情の変わらないラディッツ公爵様がフェ様に逆に問いかける。
その問いかけに答えたフェ様の発言は驚くものであった。
「もちろんある!と言うのもここにいる皆がそれを証明してくれたのだ!」
「「「「「「「え?」」」」」」」
証明したって、どう言うこと?
貴族たちはフェ様ではなくラディッツ公爵様の味方だったのに?
謁見の間にいる全員が戸惑うようにフェ様を見る中、フェ様が語りだした。
「元々私が彼女の後見人になったのは先程も述べたように私のいる教会に彼女が鑑定を受けに来た縁であるのだが、それ以外にも貴族の権力争いの種にならないか心配だったからだ。もし、彼女の存在を私欲のために利用しようとすれば、精霊様たちが黙ってはおるまい。200年前に起こった悲劇を今一度思い出すのだな」
200年前に何があったのかな?
貴族たちはフェ様が何を言いたいのかわかったようで、ダフィル伯爵を含んだ数人が目をそらしたり、ハンカチで汗をぬぐったりしている。
「その点、私は権力とはとんと無縁の生活をしているから、適任であろう。私が王都にいないことを心配している者もいるようだが、そもそも加護持ちは国の保護を受けられるのだから、常に私がそばにいる必要はないはず。私は別のところから彼女を支えていこうと思っている」
「別のところからとは?」
「そこまで言う必要があるのかな?」
ラディッツ公爵様の問いかけをバッサリと叩ききるフェ様。二人の間に激しい火花が散った気がした。
「もうよい」
無言の攻防戦を止めたのは国王様だった。
「そもそも叔父上殿が彼女の後見人になるのを許可したのは私だ。彼女も叔父上殿に後見人になってほしいと望んでいる以上、後見人を変える気はない。皆のもの、わかったな」
「「「「「仰せのままに」」」」」
国王様の一言で、内心はどう思っているのかわからないけれど、その場にいる貴族たち全員が国王様に一礼する。
それ以降は何も問題なく、私は退出することができた。
----
うーん、少しフェビラルの理由が弱いですかね?これ以上思い浮かばなくて、気づいたらこんな時間になってしまいました(汗)
また、なにか思い付いたら書き加えます!
「宰相、静かにっ。許可を与えたのは私だ」
「ですがっ」
「私は構いませんよ。是非理由を教えていただきたいものだ」
国王様の傍らに立つ男性は宰相様だったんだ。宰相様はとても憤慨していたけれど、フェ様は堪えた様子もなく逆に理由を問いかける余裕すらあるようだ。そんなフェ様の様子に、伯爵様は一瞬言葉に詰まったようで、空咳をひとつした後、気を取り直したように話し出す。
「フェビラル殿は国王陛下の叔父と言う立場ながら、すでに王族を離れた身。しかも今は一介の神官にすぎない者が、果たして後見人の立場になるのはいかがなものかと思います。それに、フェビラル殿は王都ではなく辺境の町の教会の神官長であるとお聞きします。彼女のそばにいて守れるものが後見人になるべきではないですか?」
「確かに、ダフィル伯爵のおっしゃることも一理あるのではないか?」
「今までがフェビラル閣下を優遇しすぎていたのだ。フェビラル閣下の横暴をこれ以上許して良いものなのか」
ダフィル伯爵様の言葉に周りにいる貴族たちも同調し始める。
「では、ダフィル伯爵は後見人はどなたかふさわしいとお考えなのかな?」
周りにいる貴族たちが自分の味方になったことで、気を良くしたダフィル伯爵様は胸をらすと満面の笑みで一人の貴族を紹介する。
「ラディッツ公爵が相応しいかと」
ざわっ!
ダフィル伯爵の言葉にみんなの視線はある一人の白髪の老人に向く。
ラディッツ公爵はガリガリに痩せていて吹けば倒れそうな体型なのに、眼光の鋭さが彼を只者ではないと思わせた。
「私ですか?」
ラディッツ公爵様は指名されたことに驚くわけでも、喜ぶわけでもなく淡々としていた。
全く表情が変わらないので、何を考えているのかがわからず、とても不気味だった。
「はい!身分的にも人望的にも、ラディッツ公爵以上に相応しいお方はいないかと思います!」
「おおっ!ラディッツ公爵であれば誰も文句はあるまい」
「しかし、ラディッツ公爵が後見人となれば、貴族派の勢力も今まで以上に「しっ!下手なことは言うと、目をつけられるぞ」す、すまん」
いつの間にかフェ様からあの不気味なラディッツ公爵様に後見人が変わる流れに話が向かっていた。不安で思わずフェ様の服をつかんでしまう。
フェ様はそんな私を安心させるように背中をポンポンと優しく叩いてくれる。
「とても光栄なことですが、私などがフェビラル閣下の代わりになるなど、とてもとても」
「そんなご謙遜を!」
本音はどう思っているのかはわからないけど、ラディッツ公爵様はフェ様をたてるような発言をしていた。
「ふむ。自信がない者に無理に勧める必要はない。ダフィル伯爵よ、ラディッツ公爵を困らせるものではないぞ」
「なっ!」
周りの貴族たちは完全にラディッツ公爵様の味方の中、フェ様の発言で流れが変わった。
フェ様は公爵様の言葉を逆手にとると、ダフィル伯爵様を諌める。
まさかのフェ様の発言に、ダフィル伯爵は言葉がでないようで口をパクパクさせいる。
「フェビラル閣下には自信があると言う事ですかな?」
自分の言葉を逆手に取られたにも関わらず、全く表情の変わらないラディッツ公爵様がフェ様に逆に問いかける。
その問いかけに答えたフェ様の発言は驚くものであった。
「もちろんある!と言うのもここにいる皆がそれを証明してくれたのだ!」
「「「「「「「え?」」」」」」」
証明したって、どう言うこと?
貴族たちはフェ様ではなくラディッツ公爵様の味方だったのに?
謁見の間にいる全員が戸惑うようにフェ様を見る中、フェ様が語りだした。
「元々私が彼女の後見人になったのは先程も述べたように私のいる教会に彼女が鑑定を受けに来た縁であるのだが、それ以外にも貴族の権力争いの種にならないか心配だったからだ。もし、彼女の存在を私欲のために利用しようとすれば、精霊様たちが黙ってはおるまい。200年前に起こった悲劇を今一度思い出すのだな」
200年前に何があったのかな?
貴族たちはフェ様が何を言いたいのかわかったようで、ダフィル伯爵を含んだ数人が目をそらしたり、ハンカチで汗をぬぐったりしている。
「その点、私は権力とはとんと無縁の生活をしているから、適任であろう。私が王都にいないことを心配している者もいるようだが、そもそも加護持ちは国の保護を受けられるのだから、常に私がそばにいる必要はないはず。私は別のところから彼女を支えていこうと思っている」
「別のところからとは?」
「そこまで言う必要があるのかな?」
ラディッツ公爵様の問いかけをバッサリと叩ききるフェ様。二人の間に激しい火花が散った気がした。
「もうよい」
無言の攻防戦を止めたのは国王様だった。
「そもそも叔父上殿が彼女の後見人になるのを許可したのは私だ。彼女も叔父上殿に後見人になってほしいと望んでいる以上、後見人を変える気はない。皆のもの、わかったな」
「「「「「仰せのままに」」」」」
国王様の一言で、内心はどう思っているのかわからないけれど、その場にいる貴族たち全員が国王様に一礼する。
それ以降は何も問題なく、私は退出することができた。
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うーん、少しフェビラルの理由が弱いですかね?これ以上思い浮かばなくて、気づいたらこんな時間になってしまいました(汗)
また、なにか思い付いたら書き加えます!
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