156 / 277
第3章 王立魔法学校入学編
198 休日一日目⑧
しおりを挟む
アランさんの笑顔に恐れをなした私は、そっと一人体を震わせていた。
そんな私を見て、あの三人組が怖かったのだと勘違いしたアランさんは巻き込んでごめんねと謝ってくれた。
まさかアランさんの笑顔が怖かったからと本人に言えるはずもなく、「少し驚いだけですから、大丈夫です」と誤魔化しておく。
「冒険者がけんかっ早いのは事実だけれど、出会い頭に絡んでくることなんてめったにないんだけどね。あの三人組が特別というか、俺達のことを毛嫌いしていると言うか……」
「あの三人組は冒険者登録をした時期が私達とほぼ一緒なの。たまたま私達のほうが早くにランクアップしたものだから、何かと張り合ってくるのよね」
普段は冒険者同士のいざこざなんてめったなことでは起きないものらしい。
めったにないことに初めて行った私達がかち合ってしまうなんて、運がないのかあるのか微妙なところだ。
トラウマを刺激されたことを考えたら、やっぱり運がないのかも。
おっといけない。アランさんは私達のために三人組と話し合ってくれたんだから、怯えるなんてひどい話だよね。
もう忘れてしまおう。
それに、アクアのあの笑顔に比べたら、アランさんの笑顔なんて。ぷるぷる。
「にゃ?」
マーブル、私を癒してください。
「アランさん達は冒険者登録した時から一緒なんですか?」
「俺達は同じ村の出身なんだ。成人したと同時に三人で村を出て、王都にやってきたんだよ」
私が一人アクアの笑顔を思い出してマーブルに慰めてもらっている間に、いつの間には話は三人組から冒険者登録の話になっていた。
「アラン一人じゃ心配だったからね、私とマーヴェイはアランが無茶しないようにしぶしぶ冒険者になったのよ。感謝することね」
「へいへい、いつも感謝しているよ」
「よろしい!……まあ、しぶしぶと言うのは冗談だけど、冒険者登録をしてから今まで、三人だけでずっと頑張ってきたのよ」
「……これからも、頑張ろうな」
「マーヴェイが進んで発言するなんて珍しい!ふふっ。でも、そうね。頑張りましょう」
アランさん達の仲がすごく良いのがわかるひとコマでした。
「本当にここでいいの?」
「はい!大丈夫です」
「今日は冒険者ギルドにまで連れてってくれて、楽しかった!です」
「わたしも!思ったよりギルドの中がきれいでびっくりしちゃいました」
「キャシーったら、一言余計よ。今日はありがとうございました」
アランさん達は学校まで連れて行ってくれると言ってくれたけれど、まだ観光をしたかった私達はここで別れることにした。
四人で最後にお礼とお別れの挨拶をしたあと、アランさん達に見送られながらその場をあとにする。
「さあ!今度は私との約束通り、王都観光よ!」
キャシーちゃんは待ちに待った王都観光と言うこともあってか瞳を輝かせ、今にも走り出してしまいそうだ。
「ちゃんと前を見て歩きなさいよ」
「わかってるわよ!」
アミーちゃんに注意されながらも楽しそうに一番前を歩き、キャシーちゃんはお店をきょろきょろと楽しそうに眺めている。
そんなキャシーちゃんを見ていると、私も何だか楽しくなってくる。
なにせ私は初めての王都観光なのだ。せっかくだからめいっぱい楽しまないと!
「ヒューイ先輩たちのおすすめのお店はどこなの?」
「サラも気になるわよね!ヒューイ先輩に教えてもらったおすすめのお店はねぇ……」
早速、キャシーちゃんに話しかけると、いろいろなお店を教えてくれた。
まだ、学校に帰るまで時間はたっぷりある。
私達は門限ぎりぎりまで遊び尽くすのだった。
そんな私を見て、あの三人組が怖かったのだと勘違いしたアランさんは巻き込んでごめんねと謝ってくれた。
まさかアランさんの笑顔が怖かったからと本人に言えるはずもなく、「少し驚いだけですから、大丈夫です」と誤魔化しておく。
「冒険者がけんかっ早いのは事実だけれど、出会い頭に絡んでくることなんてめったにないんだけどね。あの三人組が特別というか、俺達のことを毛嫌いしていると言うか……」
「あの三人組は冒険者登録をした時期が私達とほぼ一緒なの。たまたま私達のほうが早くにランクアップしたものだから、何かと張り合ってくるのよね」
普段は冒険者同士のいざこざなんてめったなことでは起きないものらしい。
めったにないことに初めて行った私達がかち合ってしまうなんて、運がないのかあるのか微妙なところだ。
トラウマを刺激されたことを考えたら、やっぱり運がないのかも。
おっといけない。アランさんは私達のために三人組と話し合ってくれたんだから、怯えるなんてひどい話だよね。
もう忘れてしまおう。
それに、アクアのあの笑顔に比べたら、アランさんの笑顔なんて。ぷるぷる。
「にゃ?」
マーブル、私を癒してください。
「アランさん達は冒険者登録した時から一緒なんですか?」
「俺達は同じ村の出身なんだ。成人したと同時に三人で村を出て、王都にやってきたんだよ」
私が一人アクアの笑顔を思い出してマーブルに慰めてもらっている間に、いつの間には話は三人組から冒険者登録の話になっていた。
「アラン一人じゃ心配だったからね、私とマーヴェイはアランが無茶しないようにしぶしぶ冒険者になったのよ。感謝することね」
「へいへい、いつも感謝しているよ」
「よろしい!……まあ、しぶしぶと言うのは冗談だけど、冒険者登録をしてから今まで、三人だけでずっと頑張ってきたのよ」
「……これからも、頑張ろうな」
「マーヴェイが進んで発言するなんて珍しい!ふふっ。でも、そうね。頑張りましょう」
アランさん達の仲がすごく良いのがわかるひとコマでした。
「本当にここでいいの?」
「はい!大丈夫です」
「今日は冒険者ギルドにまで連れてってくれて、楽しかった!です」
「わたしも!思ったよりギルドの中がきれいでびっくりしちゃいました」
「キャシーったら、一言余計よ。今日はありがとうございました」
アランさん達は学校まで連れて行ってくれると言ってくれたけれど、まだ観光をしたかった私達はここで別れることにした。
四人で最後にお礼とお別れの挨拶をしたあと、アランさん達に見送られながらその場をあとにする。
「さあ!今度は私との約束通り、王都観光よ!」
キャシーちゃんは待ちに待った王都観光と言うこともあってか瞳を輝かせ、今にも走り出してしまいそうだ。
「ちゃんと前を見て歩きなさいよ」
「わかってるわよ!」
アミーちゃんに注意されながらも楽しそうに一番前を歩き、キャシーちゃんはお店をきょろきょろと楽しそうに眺めている。
そんなキャシーちゃんを見ていると、私も何だか楽しくなってくる。
なにせ私は初めての王都観光なのだ。せっかくだからめいっぱい楽しまないと!
「ヒューイ先輩たちのおすすめのお店はどこなの?」
「サラも気になるわよね!ヒューイ先輩に教えてもらったおすすめのお店はねぇ……」
早速、キャシーちゃんに話しかけると、いろいろなお店を教えてくれた。
まだ、学校に帰るまで時間はたっぷりある。
私達は門限ぎりぎりまで遊び尽くすのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4,615
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。