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第5章 遅れてきた新入生
299 驚きの情報
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学校に新しい生徒がやって来るらしい。
「本当なの!?」
「ああ!」
「本当だよー」
そんな驚きの情報を知ったのは、みんなで宿題をやろうと集まった昼下がりの自習室でのことだった。教えてくれたのは、ハル君とフィン君。
驚きで声もでない私とキャシーちゃんの代わりに、アミーちゃんが二人を問い詰める。
ハル君達は興奮した様子で頷くと、その情報をどうして知ったのかを話してくれた。
「ここに来る前のことなんだけどさ。誰も使ってない部屋の扉が開いてたんだ。いつもは鍵がしてあったから、不思議に思って部屋の中を覗いてみたら、マリアさんが窓を開けて空気の入れ替えをしてたり、ベッドのシーツを新しいのに交換してたんだ」
「部屋の換気はともかく、使ってない部屋のシーツまで交換するのが気になって、マリアさんに聞いてみたんだよねー。マリアさんも特に秘密にする話でもなかったみたいで、あっさり教えてくれたよー。でも、あまり広めないでってくぎを刺されたけど…まあ、三人に教えるぐらいはいいよね?」
「そいつの詳しい情報も教えてくれなかったしなっ」
そう言いつつも、男子生徒なのは確実だからか、ハル君は嬉しそうだ。自分が色々と教えてあげるのだと張り切っていた。
「でも、変な時期に入って来るのね」
「確かに、アミーの言う通りよ。入学してからもう二ヶ月もたってるのに、今まで何をしていたのかしら?」
アミーちゃんとキャシーちゃんは遅れた理由が気になるみたいだった。それでも、新たな生徒が増えるのが楽しみなのはみんな一緒だった。
「どんな子がやって来るんだろうね?」
私はポシェットの中にいるマーブルに向かって、背中を撫でながら話しかける。マーブルはあまり興味がないようで、「ふわぁ~」と大きな欠伸を一つすると、そのまま眠ってしまった。
『サラ様がお望みなら、わたくしが情報収集してきますわよ?風の精霊の実力をご覧あれ、ですわ♪』
ティネはワクワクした様子を隠すそぶりも見せずに言った。ここで曖昧な態度を取ったら、あっという間に飛んで行ってしまいそうな勢いだったので、丁寧にお断りしておく。
ティネは残念そうにしていたけれど、新入生がやって来たらすぐにわかることだもんね。
でも、夕方になっても、ご飯を食べてお風呂に入る時間になっても、新入生が現れることはなかった。
そして、そのあくる朝。
いつもなら寮母室にいるはずのマリアさんが、そわそわと落ち着かない様子で玄関に立っていた。
その姿を見て、すぐにピンと来た。
ついに今日、噂の生徒がやって来るんだ!
「マリアさん、どうしたんですか?」
「あらっ。いえ、なんでもないのよ」
私達より一足先に玄関に向かっていたヒューイ先輩達が、マリアさんに尋ねるけれど、マリアさんは笑うだけで答えない。それよりも早く学校に行きなさいと、様子をうかがっていた私達ともども追い立てられてしまった。
「「「「「行ってきます!!!」」」」」
「行ってらっしゃい」
諦めて学校に向かう私達の後ろで、マリアさんがぽつりと何か呟いたのだけれど小さな声だったため、風に流されて、残念ながら私に届くことはなかった。
「…今日こそは来るって話だったのだけど、間に合うかしら?」
◇◇◇
そしてやって来た教室では、ホームルームの時間になってもモニカ先生は現れなかった。
「絶対、今日やって来るんだよっ!!」
どうしたのかと騒めくみんなをよそに、私達の期待はより高まる。
「遅れてすまないっ!!」
そして、息を切らして駆け込んできたモニカ先生は、今日から生徒が一人増えるのだとみんなに報告したのだった。
「入ってきなさい」
驚くみんなを尻目に、モニカ先生が扉の外で待機しているらしい新入生に声をかける。
そして、モニカ先生に促されて教室に入って来たのは…
---
やって来た新入生はいったい誰なのか!?って、多分バレバレですよね(笑)
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
「本当なの!?」
「ああ!」
「本当だよー」
そんな驚きの情報を知ったのは、みんなで宿題をやろうと集まった昼下がりの自習室でのことだった。教えてくれたのは、ハル君とフィン君。
驚きで声もでない私とキャシーちゃんの代わりに、アミーちゃんが二人を問い詰める。
ハル君達は興奮した様子で頷くと、その情報をどうして知ったのかを話してくれた。
「ここに来る前のことなんだけどさ。誰も使ってない部屋の扉が開いてたんだ。いつもは鍵がしてあったから、不思議に思って部屋の中を覗いてみたら、マリアさんが窓を開けて空気の入れ替えをしてたり、ベッドのシーツを新しいのに交換してたんだ」
「部屋の換気はともかく、使ってない部屋のシーツまで交換するのが気になって、マリアさんに聞いてみたんだよねー。マリアさんも特に秘密にする話でもなかったみたいで、あっさり教えてくれたよー。でも、あまり広めないでってくぎを刺されたけど…まあ、三人に教えるぐらいはいいよね?」
「そいつの詳しい情報も教えてくれなかったしなっ」
そう言いつつも、男子生徒なのは確実だからか、ハル君は嬉しそうだ。自分が色々と教えてあげるのだと張り切っていた。
「でも、変な時期に入って来るのね」
「確かに、アミーの言う通りよ。入学してからもう二ヶ月もたってるのに、今まで何をしていたのかしら?」
アミーちゃんとキャシーちゃんは遅れた理由が気になるみたいだった。それでも、新たな生徒が増えるのが楽しみなのはみんな一緒だった。
「どんな子がやって来るんだろうね?」
私はポシェットの中にいるマーブルに向かって、背中を撫でながら話しかける。マーブルはあまり興味がないようで、「ふわぁ~」と大きな欠伸を一つすると、そのまま眠ってしまった。
『サラ様がお望みなら、わたくしが情報収集してきますわよ?風の精霊の実力をご覧あれ、ですわ♪』
ティネはワクワクした様子を隠すそぶりも見せずに言った。ここで曖昧な態度を取ったら、あっという間に飛んで行ってしまいそうな勢いだったので、丁寧にお断りしておく。
ティネは残念そうにしていたけれど、新入生がやって来たらすぐにわかることだもんね。
でも、夕方になっても、ご飯を食べてお風呂に入る時間になっても、新入生が現れることはなかった。
そして、そのあくる朝。
いつもなら寮母室にいるはずのマリアさんが、そわそわと落ち着かない様子で玄関に立っていた。
その姿を見て、すぐにピンと来た。
ついに今日、噂の生徒がやって来るんだ!
「マリアさん、どうしたんですか?」
「あらっ。いえ、なんでもないのよ」
私達より一足先に玄関に向かっていたヒューイ先輩達が、マリアさんに尋ねるけれど、マリアさんは笑うだけで答えない。それよりも早く学校に行きなさいと、様子をうかがっていた私達ともども追い立てられてしまった。
「「「「「行ってきます!!!」」」」」
「行ってらっしゃい」
諦めて学校に向かう私達の後ろで、マリアさんがぽつりと何か呟いたのだけれど小さな声だったため、風に流されて、残念ながら私に届くことはなかった。
「…今日こそは来るって話だったのだけど、間に合うかしら?」
◇◇◇
そしてやって来た教室では、ホームルームの時間になってもモニカ先生は現れなかった。
「絶対、今日やって来るんだよっ!!」
どうしたのかと騒めくみんなをよそに、私達の期待はより高まる。
「遅れてすまないっ!!」
そして、息を切らして駆け込んできたモニカ先生は、今日から生徒が一人増えるのだとみんなに報告したのだった。
「入ってきなさい」
驚くみんなを尻目に、モニカ先生が扉の外で待機しているらしい新入生に声をかける。
そして、モニカ先生に促されて教室に入って来たのは…
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やって来た新入生はいったい誰なのか!?って、多分バレバレですよね(笑)
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
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